くたばりかけの梟は何を観る

プレイしたエロゲの感想や旅行記など。

『七つのふしぎの終わるとき』応援中です!

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RURUTIAさんのアルバム買った! 一年と少し待たされたけど、相変わらずのクオリティで惚れ惚れするわ。やっぱこの人の曲は至高……にしても今回は結構ストレートな内容の曲があったのが意外。
しばらくはRURUTIA漬けの日々になりそう。



エロゲのはなし。

SkyFish最新作『九十九の奏~欠け月の夜想曲~』を応援しています!!

まずは九十九の奏。発売間近の更新がショボいとか玉ちゃんの扱いはどうなるんだとか色々言いたいことはあるけど、とりあえず一言。

おみくじの大吉が出ねえ!

もう百回以上は引いてるのに何故なのだ……この途方もない作業感はVBAの称号待ちの時のあれに似ている……(ゲッソリ)

花色ヘプタグラム 応援中!

次は花色ヘプタグラム。体験版が公開されましたね。
とりあえず、HGBは個別ルート一人目でぶん投げ、ダイヤミックは体験版の冒頭五分でギブアップしたため、角砂糖と俺はこれ以上ないぐらい相性悪い気がするけど、旅館モノだからね! 期待しているよっ……というわけで早速プレイしてくる!





お次は幻奏童話ALICETALE。戦闘パートのムービーが公開されましたが……なんだろうこの滲み出るクソゲー臭。ただ、マウスをカチカチするだけじゃ絶対飽きそうなんだよなあ……赤ずきんの台詞も結構キツイ中二臭が漂ってるから不安になってきた。
でもCDは最高でしたよ、ええ。

2012.10.26発売のNavel新作『月に寄りそう乙女の作法』を応援しています!

最後に王さんがライターに居ると言うことで結構期待している月に寄りそう乙女の作法。サンプルボイスとCGが追加されましたね。
この際だから正直に言うけど、ルナのサンプルボイス2で顔が綻びそうになった俺は色々と不味いんですかね? でもこういう子が屈服する姿もそそられるんだよなあ……それはともかく、良く見たら今回は女装主人公だったのがちょっとキツイ。


とりあえずはこんなところかな。書いてて思ったけど今年はシナリオゲーが割りと少ない気がするなあ。


P.S.
先日のイモカタの感想とWA2の感想に拍手を押してくれた方々、ありがとうございます!

作品名イモウトノカタチ
メーカーSphere発売日2012年8月31日
原画武藤此史、こだまさわ、橋本タカシ、すいみゃ(SD原画)シナリオなつかぜかおる、朝倉誠理、太刀風雪路
Ducaムービーfeat.works
対応OSWindowsXP/Vista/7お気に入り度7/10
ディスクレス点数62点
プレイ時間約20時間(管理人基準)



――記憶の片隅に、かすかに残る妹の面影。



Sphereさんの新作、イモウトノカタチのレビューです。タイトル名がダサいとかそういうことにはつっこまないからね。
それはともかく、八月発売の中ではそれなりに期待されていたであろう本作ですが、蓋を開けてみれば平凡な萌えゲーと言った感じで、毒にも薬にもならず、良く言えば安定。悪く言えば期待外れというところでしょうか。

以下は詳細な感想です。(一部ネタバレ部分は反転で読めるようにしています)




攻略に出来るヒロインは美優樹、あやか、千毬、隠しヒロイン二名の計五名。但し、隠しヒロインは二人まとめての攻略になり、ルート自体もその他のルートを終わらせるまでロックが掛かっています。
攻略はマップ画面で狙いたいヒロインの場所を選ぶだけなので超簡単です。ちなみに全ルートクリア後におまけ程度の内容ですが各シナリオのアフターも解放されます。
攻略順も美優樹ルートに多少ネタバレがありますが、大体の方が序盤で予想できる類のもののため、気にするほどではないと思います。


システムについて。
スキップ、バックログ、オートモード、個別のボイス設定、右クリックでのウインドウ消去などに加え、ボイスカットの設定、ムービーの音量設定があり必要なものは全て揃っていて不満は感じないと思います。
解像度をかなり細かく弄れるのもプラスですね。


次にCGに関してです。
背景は平均的で特に文句もない出来なのですが、テキストとの齟齬が多い印象。学園祭などで背景にモブが一人もいない上に飾りつけもやたらしょぼいので、手抜き感が否めません。また、病人が点滴などを付けられている、という描写があってもCGには特に何も描かれていなかったりするので、気になる人は気になるかもしれません。

CGはと言うと複数原画にしては絵師ごとによる違和感も少なく(唯一イベントCGでの男性キャラが絵師によってかなり違いますが)、クオリティはそれなりに高く安定していると思います。
ただ、塗りが淡白というか薄味気味なので、そこら辺は好みが分かれそう。


次にメインのシナリオ&キャラクターについて。
世界観は近未来の日本。自然との共生を目指した街作りを掲げていて、太陽光発電など自然エネルギーを積極的に取り入れ、国から環境特区として認定されている鵠見市の白鳥環境特区が舞台。
また、この町はかつて大規模な豪雨災害に見舞われた過去があり、現在でもその傷跡が残っているという萌えゲーにしては珍しく重めな設定。

キャラクターは主人公やヒロイン、サブキャラともにそれぞれの個性などがキチンと描き分けられています。ただ、萌えゲーらしく人物ではなくキャラクターとしての味付けなので、リアルさはあまりありません。掘り下げも浅め。

さて、恐らくは本作の最もたるマイナス要素と思われる主人公の雪人なのですが……控えめな表現で言うならばキチガイ。(ぇ
何故、キチガイなのかと言うと天然という言葉ではとても説明できないアホさ加減に尽きます。一応、本人には自覚があるようですが、気を付けなきゃと言った一日後には同じ失敗を繰り返す(それも一度ではない)など、鶏並みの記憶力と明らかに欠如した判断力を披露し、プレイヤーに正常な記憶力・判断力があることの大切さを教えてくれます。マイマザー無事に産んでくれてありがとう。
また、自分本位の暴走も度々見られ、「それはやっちゃ駄目だろ」。ということを息を吐く様に次々とやらかすその様は地雷原を駆け抜ける死に兵そのもの。
あまりこういうことは言いたくないのですが、正直、褒める点が見当たらず、現時点での2012年ワースト主人公と言わざるを得ないです。
常識に囚われない(知らない)キャラなのでライターさん的には非常に動かしやすい主人公なんでしょうけどねー。ユーザー側からすれば我慢できないほどではないにしても大分厳しいキャラです。ビジュアルも春哉の方がずっとカッコイイですし。
それにしてもボイスがなくて本当に良かった……。


キャラクターのCVはどれも合っていたと思います。また、あやか役の人は新人(?)さんぽいですが、それを感じさせない演技でとても良かったと思います。
ついでに言うと、杏子さんファンの方は普段は聴けないようなハジケた演技をミータで聴く事が出来るのでそこもポイントですね。

以下は男女別お気に入りキャラ。

男……春哉。
女……律佳、あやか、美優樹、理事長、真結希、ミータ。


キャラクターはどれも可愛く、掛け合いのテンポも良いので前述の主人公さえ気にしなければ楽しく読むことが出来ます。
特にあやかが体験版以降から本領を発揮し始め、非常に可愛いかったですね。気持ち悪いお嬢様キャラやうざったいツンデレという訳ではなく恥ずかしがり屋な女の子のキャラにしたのはGJと言わざるを得ないです。
その他ヒロインもそれぞれ可愛いので、この点が本作で一番魅力的な所だと思います。キャラゲーとしては優秀な部類かと。


テキストは読みやすいです。特に言うことのないエロゲ一人称。視点変更時はウィンドウの色が変わり、大抵モノローグ部分にその人物のボイスが入るので、間違っても混乱することはないでしょう。作中時間も常に左上に表示される上に、一日が終わるごとにアイキャッチも入るので時系列の把握も容易。(萌えゲーで時系列の把握が意味を成すのかはともかく)
ただ、テキストのブレはそこまでないのですが、複数ライター故か雪人を筆頭にキャラのブレがチラホラ。特にあやか、千毬辺りは特定の物事に対する考えかたがルートによって異なっていたりするので違和感を覚えました。


そして、シナリオについて。
お話の内容としては以下のような感じ。
十五年前に鵠見市を襲った豪雨災害で両親を失くし、自身の妹も行方不明になってしまった主人公・雪人は施設に預けられた後、苦労はしているものの平穏無事に学生生活を送っていた。
そんなある日、かつての故郷、鵠見市がニュースで取り上げられていることを知る。災害から十五年。復興の節目を迎えた市は過去の記録を一般公開することを決めたのだ。
災害による行方不明者が多々おり、再会出来ずにいる者も居る中、再会を果たした人が居るのも事実。雪人は記憶の片隅に、かすかに残る妹の面影を追い求め、鵠見市へと向かうことを決意する……。

とまあ、こんな感じ。話の展開としては鵠見市へと舞い戻った主人公が、単位互換制度を利用し期限付きでその学校に通いながら、自分と同じ境遇を持つ美優樹と妹捜し(兄捜し)をしていく、という展開。
基本的に仲間とワイワイ学生生活を謳歌しながら妹捜しをするという、そこまで中身がない内容なのでシナリオの重きは普段の掛け合いに掛かってくる訳ですが、ここに関しては十分、面白いと言えるレベルです。

ただまあ、前述の主人公がちょっと重要なシーンとかシリアースな場面でその凶悪さを発揮しちゃうのでそこは結構なマイナスポイント。
正直、二人三脚でのおんぶは( ゚Д゚)ハァ? って感じでしたけどこれはまあ、二人三脚自体がパフォーマンス的な意味合いが強く、観客が楽しめればそれでOKな雰囲気もあったので良しとしましょう。美優樹ちゃんの水着エロいですしね。ここは良い場面ですよ! とばかりに主題歌のインスト流すのは笑いそうになりましたけど。
た・だ・し! 重症の真結希を病室から許可もなしに自分の都合で雪が降る外に連れ出すのは完全にアウト。どこぞの西武のサヨナラデッドボールより酷いですよ、コレ。ここは本当に( ゚Д゚)ハァ?通り越して( ゚д゚)ポカーンってなったのは私だけじゃないはず。



あとはですねえ……明らかに上のような無味無臭の萌えゲーの中にシリアス要素をふんだんに組み込もうとした形跡が度々、見受けられるのですが、その悉くが存在をぼかした程度で掘り下げられず、明らかな伏線である千毬の両親の引きこもりの理由。雪人の情報がロックされていた訳。謎の組織(研究者の残党? 都市開発に関わっている企業?)の暗躍。災害が人為的なものor人為的なモノが原因で引き起こされた可能性(理事長の言と雪人の両親の手紙を鵜呑みにするならば、可能性というかほぼ間違いなく、天候操作か何かしようとしてその原因で災害が起きたと思われる)etc……。
雪人の情報ロックの件は両親が都市開発で重要なポストに付いていた研究者であることを考えると納得できなくもありませんが、その他は明らかにそこからシナリオを膨らませそうな要素であるにも関わらず、完全放置。
正直、書こうとして書いたは良いが、手に余るので放置した感じがあって何とも……。一応、妹捜しという目的、この作品最大のテーマ、妹の在り様なんかは完結してるので文句言うほどじゃないのかもしれませんが、ここまであからさまなモノを残されるとスッキリしないんですよ。書いたならキッチリ書けと言いたい。
しかも、それらがちゃんと書けば萌えゲーからは脱線するものの面白いシナリオになりそうな雰囲気がプンプンするので残念。
折角、味方(?)サイドに律佳さんとか理事長居るんだからねえ……? あやかも家族と和解させてあげれば家柄的に役に立ちそうだし、武力面ではミータも居るし。勿体無いなあ。


さて、ここまで盛大にディスって来ましたけど、褒められる点もあります。キャラの可愛さ、掛け合いの良さは前述の通り、あやかルートであやかの心が雪人惹かれていく様なんかはそれなりに良く描けていたと思いますしね。ここら辺正直軽くニヤついて居ましたよ、ええ。


音楽について。
BGMは曲数は平均的ですが、中々のクオリティ。世界観に合うように穏やかで優しく撫でてくるような音楽が多め。

ボーカル曲は以下の通り。

OP……いろんなカタチ
ED……ツナグミライ
の計二曲。どちらもエロゲ歌手の重鎮、Ducaさんらしい良曲。

お気に入りはいろんなカタチ。これは個人的にはDucaさんの曲の中では一番好きです。
儚さと前に向かう気持ちが表れた歌詞。優しいメロディにDucaさんの美声。全てがハイクオリティ。特に「もう、綺麗ごとは苦手でさ」、とか「カタチあるものなんていつも壊れやすいけどさ」、とかこの辺の歌い方がツボに入りすぎてヤバイです。この人の曲聴けて本当に幸せ。

あと今までのDucaさんの歌で良く見られた、ストレートなラブソングって歌詞じゃないのも個人的に好きな所。いや、そのストレートの歌詞であるPlatonic syndromeとかアマオトとかも非常に良いと思うんですが、個人的にはこころの種とかこれみたいなちょっと控えめなのが好きなんですよ。
え、お前の好みなんてどうでも良い? 仰るとおりです。


最後にエロについて。シーン数は以下の通り。
美優樹……5(本番2)
真結希……2
あやか……3
千毬……3
ミータ……1
真結希&ミータの3P……1

回数はまあ平均的。ただね、美優樹の本番少ないし、全体的に中だし少ないんですよ……。ここら辺が本当に残念。また、プレイの内容も平々凡々な和姦onlyなのであまりエロスが感じられないですね。尺は十分にあるので実用的ではありますが。
ただ、美優樹の兄妹とバレてからのオナニーの見せ合いは美優樹の尋常じゃない様子も相まってかなりエロいので必見。妹属性を持ち合わせていない私が言うんだから結構なモノなのではないでしょうか? あと下世話な話で申し訳ないですが、オナニーシーンで初めて抜きましたよ、はい。(ゲス顔)


感想は以上です。
悪くはないんです。ただ、マイナス要素のインパクトが強いあまりに駄作っぽく見えるだけで、萌えゲーとしてはまあまあの部類だと思いますし、掛け合いのテンポの良さ、キャラの可愛さなんかは十二分にあるので体験版のノリがあえば、買いであると思います……少し無理があるか。

作品名波間の国のファウスト
メーカーbitterdrop発売日2012年6月29日
原画オダワラハコネ、ひなた睦月、とりしも、志岐シナリオ佐藤心
momiji、小倉みうムービーKIZAWA studio
対応OSWindowsXP/Vista/7お気に入り度7/10
ディスクレス点数76点
プレイ時間約15時間(管理人基準)



――どれだけ稼げば、取り戻せますか?
――答える言葉は、今はもう無い。




この腐った国を買い叩く、買い叩く、買い叩く! 

という訳で経済をテーマにした異色のエロゲ、波間の国のファウストの感想です。
いやあ、ハゲタカ大好きなんでこのゲームは公式サイトがオープンした時からずっと楽しみにしていたのですが、味のある良いゲームでした。

まさか、エロゲで企業買収とかバルクセールが見られるとは思わなかったので興奮してしまいましたよ……ただ、シナリオや主題歌、BGMは良かったのですが、絵の塗りやエロの薄さ、物足りないシステム面が足を引っ張っている印象でしたね。
あと、こんなにニッチかつ難しい専門用語が飛び交う題材なのに用語集的な機能がなかったのも残念なところ……ですが、魅力溢れる内容なのは確かですので、売れて欲しい! 切実に。

というわけで、以下は詳細な感想です。(一部ネタバレ部分は反転で読めるようにしています)




ちゃんと攻略できるヒロインは白亜のみです。嘘ではありません、本当です。というのも一本道なのですよ、このゲーム。
なので選択肢はもちろん皆無で攻略も糞もありません。ひたすら買い叩く……じゃなくて読み進めるのみ。シナリオの形式的には車輪やG線なんかの方式なので、一章ごとに一人ずつスポットが当たっていく感じではあります。ルート分岐はありませんけどね。
ただ、一つの章をクリアすると回想モードにif展開として、その章でスポットが当たったヒロインと結ばれるお話が用意されています。あくまでおまけなのでいちゃいちゃ分なんかを求めていると痛い目を見ますが、告白シーンやエロも用意されています。


システムについて。
スキップ、バックログ、オートモード、右クリックでのウインドウ消去など、最低限のモノは用意されているのですが、ウィンドウ濃度の変更、個別のボイス設定がないのが悔やまれます。
前者はなくても特に困らなかったのですが、後者は人物によって声の大きさが違ったので調整したかったですね……。声が小さいキャラに合わせると声が大きいキャラのセリフがうるさく、その反対も然り。目くじらを立てるほどではないのですが、快適か? と問われるとNOと答えざるを得ないです。


次に原画。絵に関してです。
背景はADVパートのものは綺麗なのですが、イベントCGになると途端に劣化するという良く分からない仕様。一応全部が全部ではないのですが、酷いものになるとちょっとこれは……と言った感じ。多分、塗りの問題なんでしょうけどね。妙にチャチな感じがするものが混じっています。

CGはと言うと、複数原画故かクオリティにかなりバラつきが……。男性を担当している志岐さんはイベントCGでの若干の崩れ以外は文句なしの出来なのですが、ヒロイン担当の方たちがちょっとなあ、という。
特にオダワラハコネさん担当のつぐみと白亜が立ち絵と一部のCGがイマイチ。逆にひなた睦月さん担当の凪は比較的安定している印象でしたね。まあ、一つ擁護しておくとイベントCGでは大体ヒロインも可愛く描けているのでそこは安心しても良いかと。
ただ、背景でも言ったように塗りがかなり悪さをしているように見受けられました。なんかチャッチいんですよ、本当に。ここが残念でなりません。


次にメインのシナリオ&キャラクターについて。
世界観は独自色が強く、一応は現代または現代からそう遠くない未来なのですが、舞台が直島経済特区という、分類上は日本でありながら、経済に関して独自の法律や制度が敷かれていたり、日本の本土とを繋ぐ経路は封鎖状態にある場所というかなり変化球な設定です。

キャラクターは主人公やヒロイン、サブキャラともに独自の信念や目的を持って動いており、描写の扱いに差はあれどそれなりに濃い感じです。
また、立ち絵のないモブキャラも中々の存在感を放っており、物語に彩りを添えてくれます。個人的に脇役がしっかりとしているのは好印象。良い物語には必須の要素だとも思っていますので、素直に賞賛したいですね。てか、杉野さんマジ良キャラ。

主人公の律也は外国帰りの腕利きファンドマネージャーの肩書きに相応しく、有能な人物で、過去に複雑な事情を抱えている、いかにもな主人公。一章辺りまでは天然染みたポカもやらかすので、彼の能力に疑問を持たれるかもしれませんが、二章からその本領を発揮し始めます。
また、基本的に冷静に物事を判断して、相手の一歩先へと動こうとするタイプですので、見ていてストレスも感じませんね。きっちりと見せ場を頂いていくのも好印象。やはり活躍しないと主人公とは言えないですから。
ただ、ボイス無しなのは残念。記者会見の時とかにボイスがあればかなり燃えただろうだけに惜しい。


キャラクターのCVは合っていたと思いますが、白亜とつぐみの演技がイマイチかなあと。逆に凪はサブキャラ勢含めても頭一つ抜き出た演技だったと思います。手塚りょうこさんGJ.

以下は男女別お気に入りキャラ。

男……律也、和彦、杉野。
女……白亜、サラ、リコ、凪。
?……カナタ。


ヒロインで一番好きなのは白亜なんですけど、破壊力が高かったのは凪ですね。やはり強気な女の子がデレるというのは非常に良いものです。
サブキャラでは和彦とサラが良い感じ。特に和彦はもっとなじってくれよお! とか、これ以上ないぐらいのドヤ顔で発するマイワードイズマイボンド(キリッ)なんかを始めとするネタ発言が多いのは置いといて、若干歪んでしまったとはいえ、根っこにある真っ直ぐな行動原理とかは男として共感するものがありましたね。
サラはもう後半の白亜との車内でのドジっぷりに尽きます。あれはずるいわ。

にしてもリコ姉ちゃんのエロがないのは納得行かない。


テキストは読みやすいです。特に言うことのないエロゲ一人称。ただ、前にも言ったように豊富なビジネス用語、オリジナルの用語があるにも関わらず用語集がないのはキツイですね。
これがあるとないじゃ雲泥の差があるので何とかして付けて欲しかったところ。


そして、シナリオについて。
なんですけど、体験版部分で既に中規模のネタバレがあるため、説明が難しい……。

お話の内容としては以下のような感じ。
数年の間、海外に渡っていた主人公・律也はとある目的のために故郷の直島経済特区に戻ることになった。その目的とは特区を統べる最大の企業、クロノスインベストメントの最高責任者――通称ハゲタカの後継者を決める試験を受けること。
立ちふさがるのはかつて置き去りにした幼馴染たち。胸に一物を秘めながらも律也は試験に勝つため、故郷でのビジネスを始めていく……。
※この世界のハゲタカは蔑称ではなく、栄えある称号として扱われています。

とまあ、こんな感じ。話の展開としてはハゲタカ試験に勝つため、直島ではほぼゼロからのスタートと言っても良い位置からビジネスを繰り返して成り上がっていく展開です。
ただ、裏側で渦巻く思惑や律也の真の目的、幼馴染との因縁などが複雑に絡み進んでいくシナリオは読み応えがあります。ぶっちゃけ、ビジネス以外の話……具体的に言うと姉さんの死の真相や幼馴染関連の話も割りと絡むのでビジネスパートは雰囲気だけ掴んで読み進める、てのでも全然楽しめると思いますよ。
また、ハゲタカの名に相応しく、企業買収の話も用意されていたりと、手に汗握るマネーゲームを楽しむことが出来るのも好ポイント。(まあ、ハゲタカなんて単語がメインにある割には全然買収なかったのは残念ですけど。もっとやろうぜM&A!)
しかし、物語全体で見るとビジネスと過去の因縁の話にかなりの比重が置かれているため、日常やヒロインとの恋愛なんかはほぼ皆無と言って言い状態なので、そこらへんも注意が必要。

後は全体として見るとやや短いながらも、大きな矛盾点もなく、良くまとまったシナリオなのですが、ちょっと特区についての説明が足りなかったかなあ、と。最終章まで来ても未だに不透明な部分があるのがなんとも……まあ、気にしたら負けといえばそうなんですけどね。


音楽について。
BGMは曲数は平均的ですが、中々のクオリティ。ピアノ主体の静かな曲が多いのが特徴ですね。また、メロディ自体はおとなしくも、テンポが速く、こちらの緊張感を煽るようなBGMがあり、それがディールのシーンに良くマッチしてるのが良かったですね。
孤空へとハンティング・グラウンドがお気に入り。

ボーカル曲は以下の通り。

OP……少女の空白プリズン
ED……全て移ろい過ぎゆくものは
の計二曲。

お気に入りは少女の空白プリズン。
もうね、この曲はやばいですよ。涼やかなメロディにmomijiさんの透き通った歌声、どこか切なげな歌詞。全てがツボに入ってしまい、もう今年のエロゲソングNo1はこれだよ!! と全力で言いたい名曲。今現在も元気にリピート中ですよ。
歌詞が本編……というかある人物を表しているのもGOOD。

あとでどうでも良いですけど、少女の空白プリズンの歌詞を検索して、このブログに来る方が多いみたいなので、耳コピですがフルの歌詞を。

空白を 溶かした 小部屋に 別れの 言葉を 置き去りにして

高く 高く 透明な空に 捧げる 涙と

心を撫でる 風は呼び声 今 君の 影は飛び去る

窓を閉じ 背を向けたまま この罪の報いに散った 花びらを独り探そう

重ねた 空ろな約束 もう一度 出会いを 辿ってみても

正解なんて 分からなくて 記憶を閉じた

心を撫でる 風は呼び声 嗚呼 君を思い出させる

窓を閉じ 膝を抱える この傷の痛みはきっと 永遠に癒えはしない

あてもなく 魂の種 ずっと ずっと 祈り続ける 世界を 嗚呼

どうか 心を撫でる 風は呼び声 今 君の 影は飛び去る

窓を閉じ 背を向けたまま この罪の報いに散った 花びらを独り探そう

花びらを独り探そう


最後にエロについて。シーン数は以下の通り。
白亜……2
凪……2
つぐみ……2
サラ……1
カナタ……1

回数も少なく、尺もやや短めなのがなんとも……一応抜けないことはないですが、もうちょい頑張れよ、と言いたい。白亜の二回目のエロは良かったけどね。一人だけ二回戦有りだし。
ちなみにおしっこは凪に1シーンあります。SEないけどな!(怒)


感想は以上です。
良いゲームでした。シナリオだけなら先月の大空、先々月のものべのを越えると思いますが、いかんせん一本道であること、絵やシステム、エロが足を引っ張ったのが70点台に甘んじた原因ですね。この辺りが普通に良かったら余裕で80点の出来なのですが……。
それはともかく、小説orドラマのハゲタカを始めとするエンタメ色強めの経済モノが好きな方、体験版が気に入った方には是非とも買って欲しい一本です。このまま埋もれてしまうには惜しい作品なので、ここは一つお願いします(笑)

作品名CARNIVAL
メーカーS.M.L発売日2004年5月14日
原画川原誠シナリオ桑島由一(原案)、瀬戸口廉也、たにみちNON(補助)、寿衣谷(補助)
NANA、YURIAムービー倉嶋 丈康、Iris motion graphics
対応OSWindows98/98SE/Me/2000/XPお気に入り度9/10
ディスクレス不可点数76点
プレイ時間約11時間(管理人基準)



かなり古いエロゲですが感想を書きたいと思います。てか、有名すぎるから何を今更、って感じですけどね。
それはともかく、前から瀬戸口さんの名前は聞いていたんで興味はあったんですが、中々機会に恵まれず、先日、ようやくプレイしたわけですが……。

面白い。純粋に。

原画の川原さんの絵も素晴らしく、独特の文体で書かれるシナリオも高水準。加えて曲とムービーも良いと、かなりハイレベルなエロゲでしたが、いかんせんボリュームが今ひとつ。
話自体ももう少し膨らませそうな感じだったのが非常に惜しいです。悔やみきれない。

しかし、何だろう。ここまで苦しいお話は久しぶりだわ。絶妙な力加減で延々と首を締め付けられているような……そんな感じが。なんなのだ、これは。

とりあえず、詳細な感想へ。




攻略できるヒロインは理紗と泉の二名のみ。一応、ヒロインらしき人物はこの二人に加えて、五人居るのですが、それは完全にサブキャラ。ぶっちゃけ泉もほぼサブキャラだったりします。
攻略は簡単。ルート構成は一章のCARNIVALから始まり、二章のMONTE-CRISTO、三章のTRAUMEREIと続くのですが、選択肢は基本的に一章を除き、バッド直行か正規ルートへの分岐のみなためです。そのバッドの選択肢も明らかにこれ選ぶとアカン、って奴がバッドなので迷いようがないですね。
例外なのは一章で一応、このルートのみ泉寄りの選択肢を選ぶと彼女のルートへ進みます。ちなみにバッドエンドでしか回収できないCG・エロもありますので注意。

更に更に三章クリア後に一章の終盤にイベントとCGの差分が追加されますのでお忘れなきよう。ここで追加されるイベントはかなり重要度が高いので是非、見てほしいです。


システムについて。
スキップ、バックログ、オートモード、右クリックでのウインドウ消去など、基本的な項目が揃っています……が古いエロゲ故か、ホイールでの文章送りがないのが悔やまれますねえ。
まあ、最低限のものは揃っているのでストレスは感じないと思います。

ただ、個人的に痛いのはバックログからのボイス再生がないこと。これは痛い。更にバグなのか、たまに音声が再生されない時があるのもマイナス。(一応、ロードしてやり直せば聴けますが)
しかも、このバグは再現条件が不明の上にパッチを当てても直らないのがキツイところですね。幸いなのは起こる頻度が少ないことか。


次に原画。絵に関してです。
背景はモノによっては若干チャチなものもありますが、及第点。特に言う事はないですね。

CGはと言うと、川原さんの独特の絵柄とちょっときつめの塗りが合うなら、ほぼ最強と言っても良い出来です。
なんというか、川原さんの絵は表情が活き活きとしているんですよねー、見てて飽きないです。あと肉感的な絵と塗りが相まってやたらエロい。エロい。(大事なことだからry)
ただ、駄目な人は駄目だと思うので、事前に絵柄はチェックしておいた方が無難です。デフォルメ色が強い絵も幾つかあるのでそこも注意。


次にメインのシナリオ&キャラクターについて。
世界観は何の変哲も無い現代です。
キャラクターはさっきも言ったとおり、ヒロインらしきものが五名居たり、サブのキャラも居るのですが、それらは全て主人公の学とメインヒロイン理紗の添え物と言っても差し支えないです。(泉は若干優遇されていますが)
CARNIVALはもう完全にこの二人の物語なんですよね。それ以外は本当にその他大勢。ぶっちゃけ百恵と麻里は何故存在しているのかもry(まあ、麻里はかろうじて舞台装置としての役割はありますが……ほぼ無に等しいけど)

そのため、学と理紗の二人を受け入れられるかが、この作品をやる上での重要なポイントになる……のですが、二人ともかなり癖の強い人物のため、好き嫌いがはっきりと分かれるでしょうね。

主人公の学は前述したように相当、癖が強いです。モノローグも独特の語り口で進みますし、特に一章はやや電波的なテイストも入っているので、まず、ここで振るい落とされる人が居るかも。
加えてやや文学かぶれっぽいのでそこら辺も好き嫌いが分かれるでしょうねー。
ただ、一応、いじめられっこの設定ですが、ヘタレではないのでそこはご安心を。どちらかというと、どんなこともさらりと受け流して、ついでに(本人は自覚していないけど)心の中や態度で相手を茶化す飄々としたタイプ。
ただ、脆い部分も多分に含んでいるのが難しいところですね。なんというか、至る所にひびが入っている、不安定な人物なのですよ、彼は。(抽象的な言い方で申し訳ないです)

てか、私の貧困な語彙じゃ、学を言い表すのは無理だ!
ちなみに幼少時代と三章の彼はフルボイスです。ああ、あとは彼のアクシデントへの対処の仕方はかなり突飛なので、そこも好みが分かれそう。

キャラクターのCVはメインの人は良かったと思います……が、サブキャラやモブに棒っぽい人が多かったかなという印象。それ以外は特に不満は無いですね。
ただ、幼少期の学の声はミスキャストかなー。あんな風格のある声で話す小学生は嫌です(笑)


以下は男女別お気に入りキャラ。

男……学、
女……理紗、詠美、泉。

いや、さっき散々、学と理紗以外はモブみたいな言い方しましたが、キャラは可愛いんですよ。特に詠美先輩はもっといじめたかった……! なんか、声と絵のおかげで凄い嗜虐心を煽られるんですよ(笑)ついでにルートがないのも納得できない。
あと、泉も泉で魅力的な子です。彼女のルートは突っ込み所満載の無茶な展開ですが、是非見て欲しいですね。行き当たりばったりも良い所なのに、気づいたら顔が綻んでいるという。ヘイ、キッス! イエーイ! うわーい!(←ここで堕とされた)
あと、学はもちろんですが、二章の主役、武も非常に好感の持てる人物でした。行動はかなり無茶苦茶ですけど、その健気さがもう……それに、学が頭で色々考えて行動する分、純粋に自分の信じる行動をテキバキやっていく彼は見ててちょっとしたカタルシスがありますね。


テキストは個人的に読みやすかったですが、癖の強い(←何回使ってるんだ)一人称で、好き嫌いがはっきりと分かれるでしょうね。心理描写が丁寧なのも特徴か。文章自体もどちらかというと小説寄り。(やや、荒いところはありますが)
似ている作家かライターでも挙げられれば良いんですけど、自分の読んできた中では該当する人が居ないんですよねー。強いて言うなら村上春樹がほんの少しだけ似てるかも。
文章自体は似ても似つかない別物で両者の共通点は一人称使ってることぐらいなんですけど、読んだ時の文章がスッと頭の中に入ってくる感じがなんとなく似てる……ような気がする(笑)
何を言ってるんでしょうね、私は。


そしてシナリオ。
話の概要は以下のような感じ。
嫌なことがあるとその記憶を失くしてしまう癖がある、いじめられっこの学は、いつものように自分をいじめている先輩が待つ屋上に向かうが、そこにはそのいじめに対して抗議している幼馴染、理紗の姿があった。
それに逆上した先輩は理紗に掴み掛かるのだが、そこで学の記憶は途切れてしまう。気づいたときには血の海に横たわる先輩と着衣を乱し、気を失っている理紗が目に映る。
その後、記憶が乱れているため曖昧な供述しか出来なかった学は殺人の容疑者として捕まってしまう。しかし、その護送中、幸か不幸か学を乗せたパトカーが事故にあってしまう。
学はその隙に逃げてしまったが、すぐに捕まってしまうだろうということも分かっていた。ならば、せめて理紗から借りていたハンカチを返そうと決意する。
運良く理紗に接触できたのだが、そこで偶然彼女の身体に酷い痣があるのを見てしまう。理紗がそんな目にあったのは自分がいじめられていたせいだと思った学は自分をいじめていたもう一人の先輩、詠美への復讐を決意する……。

とまあ、こんな感じ。この時点で中々ハードな内容ですが、本編も時にコメディが挟まれるものの、終始暗い展開が続きます。ちなみに一章二章三章でそれぞれ主人公を変えて、同じお話を描くザッピング方式です。最近で似たような形式を取っていたのはすば日々ですかね。

それはともかく、過去の回想と現在が渦巻き、シナリオを進めるごとに謎が明らかになっていく構成にはとても引き込まれ、クリックが止まりません。

なのですが、苦しい。どうしようもなく苦しいお話です。泣くとか熱いとか萌えるじゃなくて、苦しいんですよ。
何が悪いという訳じゃなく、ちょっとしたことの積み重ねが積もりに積もり、それが次第に学と理紗に刃を向けていく、というのが辛いし、悲しいです。劇中で理紗も言っていますが、真に悪い人、というのが居ませんからね。(あ、でも理紗の親父は純粋なクズかも)
現在に至るまでの話が辛い故に、幼少時代の二人が屈託の無い笑顔を向けているシーンの切なさも倍増しているのがなんとも言えません。万華鏡のシーンの学の一点の曇りも無い笑顔と楽しげに万華鏡を除きこんでいる理紗は反則でしょ……なんでこの子たちが幸せになれないんだ。

また、心理描写が丁寧故に、学と理紗に感情移入しすぎて両方の両親が憎くて仕方なかったです。久しぶりにフィクションの人物に本気で死ねって思いましたよ。
あと、ライターの趣味か知りませんが、キリスト教に関する話が妙に詳しくて興味深かったです。趣味といえば文学ネタも多かったですね。宮沢賢治大好きなのでそこら辺はちょっと嬉しかったです。ついでに少し前に金色夜叉を授業で取り上げてくれた教授GJ。

しっかし、三章クリア後の一章の追加イベントは心に来ますね……学の言葉の一つ一つが綺麗で、だからこそ、辛い。
最後は理紗と結ばれて、二人で歩き出した彼らですけど、なんとかして幸せになって欲しいですね……まあ、無理なんでしょうけど。先がある程度読めるEDを呪いたくなってきますよ、本当に。
一応、本編の続きが小説で出てるみたいなのでそちらも読みたいですね……怖いけど。



音楽について。
BGMは若干少なめですが、クオリティ自体は中々高く、ギター主体のロックな物やピアノメインの切ない曲もあります。個人的にはタイトルで流れ、とある人物のテーマソングのようにもなってる人類皆兄弟が特にお気に入り。
ボーカル曲は以下の通り。

OP……カーニバル
ED……記憶
の計二曲。両方ともノリの良い良曲です。特にカーニバルの完成度は素晴らしい。

お気に入りはカーニバル。作詞はシナリオ原案の桑島氏で本編を良く表していて非常にGOOD。また、ノリの良いメロディにNANAさんの綺麗な歌声が重なり、文句の付け所がない良曲となっています。
最後のサビに入る前の変則的なギターパートが癖になりますね。


最後にエロについて。シーン数は以下の通り。
理紗……4
泉……2
詠美……5(本番3)
麻里……1(本番なし)
百恵……1
香織……1
理紗&百恵……1
詠美&麻里……2(本番1)

回数はまあまあ多く、尺もやや短くはありますが、使えないことはないです……が、致命的なのは膣内射精の時に射 精 差 分 が な い こ と。これはアカン。中田氏の魅力は膣からどろりと溢れる精液だろうが! まったく、担当者は何も分かって無い。あ、中田氏を嫌がっている描写を入れたのは良かったです。
あとは主人公がエロに対してかなり淡白なのもマイナスか。エロの目的が相手の心痛めつけるためとかの割合が大きいのも原因ですかね。
まあ、絵と声はエロいので使えるといえば使えますが、、過度の期待は禁物。


感想は以上です。
濃厚なエロゲでしたね。プレイ時間はわずか11時間なのにこの密度。最近やった中では一番、物語の中に入り込めた気がします。
とりあえず、少しでも興味がある方は是非に、是非にプレイして欲しいです。今ではDL版が安く提供されてるので手も出しやすいと思いますので、是非に!

作品名この大空に、翼をひろげて
メーカーPULLTOP発売日2012年5月25日
原画八島タカヒロ、基井あゆむ、田口まこと(SD原画)シナリオ紺野アスタ、七鳥未奏、奥田港
霜月はるか、茶太ムービーはらだ、ハッピーヒップバルーン、どせい
対応OSWindows XP/Vista/7お気に入り度7/10
ディスクレス点数81点
プレイ時間約22時間(管理人基準)



――好きだから、飛ぶんだ。



五月の注目株、「この大空に、翼をひろげて」の感想ですよ。
 
グライダーという珍しい題材が目を引いた本作。体験版の出来の良さも相まって、本作でのPULLTOP初体験を楽しみにしていたわけですけど……いやあ、面白いっすね。なんというか、色々眩しい内容でしたけど。

ライターさんも原画さんも初めて遭遇する面子だったので、新鮮な気持ちで楽しむこと出来ました。てか、全体的にクオリティが高くまとまってるんですよね。萌えゲーの理想的なお手本となるような作品です。

しかし、しかしですよ、爽やか過ぎる! どうやったらこんな美少女に囲まれた輝かしい青春を過ごせるんですかねぇ……

まあ、それは置いといて、詳しい感想へ。(一部ネタバレ部分は反転で読めるようにしています)




攻略できるヒロインは小鳥、天音、あげは、双子の五名。ちなみに双子は亜紗ルートと双子ルートに分かれています。
攻略はというと、狙ったヒロインよりの選択肢を選んでいけばルートに入れるので簡単。但し、グランドルートの位置づけになる天音ルートは天音以外のキャラを攻略しないと行けないので注意です。
また、双子ルートも亜紗ルートをクリアするまでは選択肢がロックされているのでこちらも注意。

さて、ここまで読むと「おいおい、俺の依瑠ちゃんのルートは無いのかよ、ファック!」 と叫びたくなるでしょうが安心してください。双子ルートが実質の依瑠ルートです。もちろん、えちぃシーンもほぼ、依瑠単独です。やったねたえちゃん! 
まあ、個人的な希望を言うなら純粋に依瑠単独のルートも欲しかったですが、そこは彼女の性格から考えると無理というもの。ここらで我慢しといてやりましょう(無駄な上から目線)


システムについて。
スキップ、バックログ、ホイールでの文章送り、個別のボイス設定、右クリックでのウインドウ消去など、基本的な項目に加え、バックログからのシーンジャンプ、マウスジェスチャーも搭載されていて高水準。ユースティアで実感しましたけど、マウスジェスチャーってかゆい所に手が届いて便利なんですよねー。
(ちなみに上記は公式サイトにある、機能強化パッチで追加されるものも含んでいます。プレイされる時は是非、当ててください)

ただ、一つ難癖を付けるなら、「前の選択肢に戻る」の機能があるのに「次の選択肢まで飛ぶ機能」がなかったのがちょい残念。割と序盤に最初のフラグ立てが出てくるので、二週目以降スキップするのが面倒なんですよ。


次に原画。絵に関してです。
美麗です。特に背景。流石にグライダーを題材にしているだけあって相当気合が入ってます。メインとなる空の背景は見ていると気分が晴れ晴れとします。たぶん、今年出たエロゲの中では屈指の出来なんじゃないでしょうか。

CGはと言うと、背景に負けず劣らずの綺麗さです。ただ、天音先輩のCGでやや崩れているような感じのものが、ありましたが、そこ以外は完璧だと思います。まあ、塗りに若干の癖がありますが、そこは好みの問題。個人的には好きです。
あとはSD絵も結構あるんですが、かなり可愛い! 個人的にSD絵はこもわたさんの絵が最強と思っていたのですが、それを超えました。癒されるで。

あとあと、絵と言うよりは演出なんですけど、各ルートのここぞという場面でちょっとしたムービーが流れます。これが中々良い出来で場面を盛り上げてくれますよ!


次にメインのシナリオ&キャラクターについて。
世界観は近未来の学園都市を舞台とした学園モノ。近未来、とは言ってもほぼ現代なのですが、学園の風景や小鳥の車椅子からはそのテイストがちらほら見受けられますね。
キャラクターはどれも丁寧に作ってあって好印象。ヒロインはもちろんのことサブキャラも各ルートに絡んできますので、そこも大きなプラス。

主人公の碧はエロゲではやや珍しい、体育会系寄りの性格。過去に挫折を経験しながらも、立ち直っていて尚且つ、さっぱりとした好青年なので大体の方に受け入れられるんじゃないでしょうか。見せ場もそれなりにありますしね。
あと個人的に作る料理が男らしく豪快(雑とも言う)なのが気に入りました。エロゲだと、こういうのって凄い珍しいんですよねー。
ただ、ボイスなしなのが残念。あったらもっと盛り上がっただろうに。


キャラクターのCVはどれも良かったと思います。メインからサブキャラに至るまでばっちりのキャスティング。特にメインの星咲さんが小鳥のキャラに嵌っていて良かったです。

以下は男女別お気に入りキャラ。

男……あんちゃん、碧、マー坊、双子の祖父。
女……小鳥、佳奈子、イスカ、朱莉、あげは、依瑠、亜紗、ほたる、天音。
そして偉大なる大先輩、ハット。

いやあ、今回はヒロインはもちろんなんですけど、サブキャラが魅力的すぎる! 可愛いのなんのって。ただ、佳奈子先輩のルート探してるんですけど、見つからないんですよね……バグでしょうか、うんバグですね!(自己完結)
しかし、あんちゃんは役割的にはただの便利屋なんですけど、それを感じさせない男前ぶり。是非、あんちゃんを主人公にしたイスカルートを……てかイスカ滅茶苦茶好みなんですよっ! ビジュアルがドンピシャですしね。出来れば髪はミディショのままで居て欲しかったけど。

一つ、残念なのはソアリング部の男子が碧だけなことか。この手の題材ならせめて、あと一人部に男が居た方が良かったと思うんですよね。


テキストは読みやすいですね。ただ、一人称で進む平均的なエロゲの文章。特に言うことはないです……が、複数ライター故に各ルートシナリオはもちろん、テキストも結構、違います。特に双子ルート担当の七烏未さんのテキストは詩的な表現が多用されるので、好みが分かれるかもしれません。
個人的には七烏未さんのテキストが一番気に入りました。


そして、シナリオについて。
お話の内容としては何年かの月日を経て、故郷に帰ってきた主人公・碧が風車の立ち並ぶ丘で偶然、パンクした車椅子のおかげで困り果てていた少女と出会う。
その時に頭上に広がる青空を飛び去っていったのは、真っ白の翼を携えたグライダー。グライダーに魅入られた碧はそれを操縦していたという人が居る、ソアリング部に入部することを決意するのだが……

とまあ、こんな感じ。端的に言うなた部活モノですね、はい。
展開としてはソアリング部に入部した主人公たちが、数十年に一度現れる、雲の回廊(モーニンググローリー)をグライダーで渡ることが全編に渡っての大目標となります。

目的を果たすために全員が一丸となって部活に取り組んで行くというストーリー展開は王道ですが、それ故に面白くどのルートも飽きずに読み進めることが出来ました。
そして、もうこれでもかってくらいに爽やかなんですよねえ……舞台が夏ってのもありますけど、主人公たちの絡みが眩しすぎる……! 何気ない学生生活とちょっと特殊なソアリング部の活動を上手く絡めていて、面白い! 萌えとコメディ、そして少しの燃えが良い感じに備わっています。個人的には理想的な萌えゲーという感じですね。
俺もこんな青春送りてぇ……と思わず呟いてしまいそうになるぐらい輝かしいです。それにメインのフライトシーンは盛り上がりが良く、中々に熱くなれるのも好印象。BGMと演出の良さも効いています。

ただ、複数ライター故かルートの出来に差があったりします。(個人の主観ですが)
公式ではアスタさんがメインの小鳥・天音ルートを、七烏未さんが双子ルート、奥田さんがあげはルートを担当したとのことですが、あげはルートが前者二人の担当ルートに比べるとちょっと見劣りするかな……と。決してつまらないわけじゃなく、面白いですし、全編に渡って共通している爽やかさも健在なのですが……うーんと言わざるを得ないところがチラホラ。
それに全ルートで多かれ少なかれご都合主義があるのも人によってはマイナスかも。まあ、ご都合主義の方はどんな物語にでも多かれ少なかれありますし、気にするほどでもないのですが、そういうのが絶対に許せないって人は駄目かもしれません。


個人的には小鳥ルートと双子ルートがお気に入りだったり。特に小鳥はこのシナリオのお陰で株が急上昇。自転車で二ケツするシーンはべたでしたけど、それ故に破壊力抜群。ここでやられましたよ、色々と。それに最後の松葉杖ついた小鳥は最高に美人でしたねー。
あとは前述したように双子ルートは七烏未さんの詩的な台詞回しが凄い好みでお気に入り。展開的には全ルート中屈指の超展開(具体的に言うなら二股)があるのですが、気づくと何故か爽やかな青春モノになっているという分けの分からなさ、ここは七烏未さん凄いなーと言わざるを得ない。扱われたテーマも一番好きだったりします。
でも、碧の「一人より二人だ」は素晴らしい迷言でしたね。全力でクズと言わざるを得ない(笑)



音楽について。
BGMは曲数は平均的ですが、ハイクオリティ。空に良く合う清涼感のあるBGM、フライトシーンを盛り上げる熱い曲があったりと良い感じ。個人的に民族音楽のテイストを盛り込んだBGMがあるのも高ポイント。
ボーカル曲は以下の通り。

1stOP&ED……Perfect Sky
2ndOP……Precious Wing
の計二曲。最近やったのがどれもボーカル曲多目だったので、若干の物足りなさもありますが、両方とも良い曲です。

お気に入りはPrecious Wing。AメロからBメロ、そしてサビラストのPrecious Wing~♪ ってところが実に良いんですよ。また作中でも盛り上がる所で掛かるので印象に残ります。
、あた、作中のあるキャラクターの事を歌った歌詞になっているので、クリア後に聴くと感慨深いものになりますね。


最後にエロについて。シーン数は以下の通り。
小鳥……4(本番3)
あげは……4
天音……4(本番3)
亜紗……2
依瑠……2
亜紗&依瑠……1

回数は標準的。尺も十分にあるので実用的です。あと絵が意外にエロかったんですよね。そういうシーンでは少し肌をテカらせてくれているからでしょうか。
まあ、何にせよエロで手を抜いていないというのは非常に良い事です。あとあげはエロい。
ちなみに上は予約特典のパッチなしの回数ですが、パッチを当てると更に1シーン増えます。また、パッチは各ルートのちょっとしたアフターにもなっているので必見です。(小鳥はアフターではなく、本編のエピローグで省略された所の補完)

おしっこはあげはと双子に一つずつ。ただSEがないのは頂けない。私はおしっこにはSEが必須であるといつもいつも(ry


感想は以上です。
爽やかだったなあ。読後感も非常にさっぱりしていて、文句なしの良作ですね。
あとはサブキャラルートを搭載したFDがあれば完璧だな!(ハガキにFDへの熱い思いを書き連ねながら)
とりあえず、体験版やって面白い、と思った方は迷わず買って良い出来ですよ! てか、最近の萌えゲーではダントツのクオリティですのでお勧めです。

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