2019年4月に発売された平成最後のWaffle作品・初めての彼女の感想になります。
体験版をやった当初は風俗エロでシコれてあわよくばダウナーにさせてくれるなら儲けものかなぁwと大して期待せずに予約したのですが……とんでもない。
平成最後の良作エロゲと呼ぶに相応しい美しく、そして綺麗な作品でした。
平成最後の良作エロゲと呼ぶに相応しい美しく、そして綺麗な作品でした。
所謂シナリオゲーが好きと公言する方はやっておいた方が良い作品だとも思いますね。
マルチバッドエンド搭載と言ってもいいので相応の覚悟は要りますが。
マルチバッドエンド搭載と言ってもいいので相応の覚悟は要りますが。
風俗、NTR、青春、鬱、本作は色々な貌を持っていましたが、それでも敢えて自分の中で〇〇ゲーとするなら主役二人の弱さが愛おしい「青春」ゲーでしょうか。
あとこれだけは宣言しておきたいのですが、私は凌辱は大好きですがNTRは嫌いです。フリではなく、ガチで大嫌いですので。
以下は詳細な感想(今回はネタバレ無しでまともに書くのは不可能と判断したのでネタバレ有りです。ご注意を)。
◆ルート構成&シナリオ
ルート順は選択肢なしの完全固定。
主人公視点の憲秋ルート→ヒロイン視点の秋乃ルート→憲秋が前の二つとは異なる行動を採った場合にどうなるかが描かれる自暴自棄ルートの順に開放されていきます。
主人公視点の憲秋ルート→ヒロイン視点の秋乃ルート→憲秋が前の二つとは異なる行動を採った場合にどうなるかが描かれる自暴自棄ルートの順に開放されていきます。
選択肢ゼロから分かるようにゲーム性などをかなぐり捨てたシナリオ一本勝負の構成になっていますね。
ストーリーは以下のような感じ(公式サイトより)。
「初恋の女の子で、初めて愛し合った女性は、風俗嬢だった」二十歳の誕生日を目前に控え、主人公「高木憲明」は未練を引きずっていた。中学の入学式の日から、中高、青春の六年間を費やした初恋を今になっても、未だ捨てきれないのだ。告白も出来ず、離れ離れになってしまってからも想いを抱き続けてきたが、“あの子” がどこにいるのか、いまどうしているのかも分からない……。さすがにもう諦めをつけよう、新しい恋を始めなくてはと思いきり、バイト先の店長・高橋に相談した結果、脱童貞&あの子への想いを断ち切るためにも、二十歳の誕生日に風俗デビューを決心する。そして運命の風俗デビュー当日。初めての相手になったのは、初恋のあの子だった……。
本作の感想をどう書くか凄く悩んだのですが、一言で言うならば風俗嬢とはどういうものかを憲秋と秋乃が思い知るまで徹底的に描いたシナリオでしたかね。
なので個人的に本作はNTR要素あるんですけど、風俗モノとしての側面が強いかなと思いました。
勿論、感じ方は人それぞれですけど。
勿論、感じ方は人それぞれですけど。
八年の片想いを経て風俗嬢を彼女にした憲秋、借金返済のためとはいえ普通の女の子を捨て風俗嬢に身を堕とした秋乃。
両者の心情が詩的なテキストでじっくりと綴られるので非常に沈み込むことのできるモノになっていました。
両者の心情が詩的なテキストでじっくりと綴られるので非常に沈み込むことのできるモノになっていました。
また脇を固める聡、宮下さんの親友組やアキラくんを始めとするサブと名もないモブキャラたちも非常に濃いので、そこもまた惹きつけられる要素でしたね。
・憲秋ルート
上述の再会後にすぐに秋乃に告白して二人は晴れて恋人に(正確には秋乃が風俗を辞めて普通の女の子に戻ったら正式にもう一度告白すると約束)。
しかし、秋乃は貧乏母子家庭の上に母親が多額の借金を抱えたまま病気で倒れたために一刻も早い大学復学と借金返済を目指して風俗嬢となった背景があります。
そのため二人は恋人同士になりながらも秋乃は風俗嬢のまま。代わりにキスだけは恋人である憲秋だけのものと誓います。
正直、このルートでは秋乃がどうとかよりも憲秋に対して非常に苛ついていました。
聡と宮下さんのサポートや心配も気にかけず、ひたすら秋乃に貢ぐ日々でしたからね。
デートでもとにかくお金で自分の気持ちの大きさを表現しようとするきらいがあったのでどうしようもないなと。
デートでもとにかくお金で自分の気持ちの大きさを表現しようとするきらいがあったのでどうしようもないなと。
それは置いておくとして本作ではNTRの王道として二人が愛を育みながらもその裏でそれが壊されていく過程がよく表現できていました。
NTRという要素を物語に組み込むならば愛を育む、ここはとても重要です。
NTRの名作・ボクの彼女はガテン系もそうですが、取られることを主題にする以上はそれが誰にも取られたくない、何より大切なものでなくてはなりません。
故にNTRの良作となるものは純愛ゲーとしても良作と言えるぐらいにこのパートに力を入れなければ良いものにすることは不可能といっていいです。
プレイヤーにどれだけこのカップルが上手く行って欲しいと思わせられるかで良/駄作の判定ができるでしょう。
本作は憲秋/秋乃・自暴自棄ともにそれがよく出来ていたなと。特に自暴自棄ルート。
憲秋視点なのでどういう風に秋乃に毒を盛られているかは分からないのですが、徐々に秋乃に変化が出てくるのが良かったですね。
頻繁にしていたメールが途絶えたり、憲秋がプレゼントした大事な財布を秋乃がいつの間にか使わなくなっていたり。
頻繁にしていたメールが途絶えたり、憲秋がプレゼントした大事な財布を秋乃がいつの間にか使わなくなっていたり。
最終的には見た目まで変わりますからね。この辺の「嗚呼……」と天を仰ぎたくなる感はもう。
そして高橋に堕とされて貴方だけのものと誓ったキスまで捧げた秋乃を見て憲秋は折れ、秋乃に対して資金援助もしていたという高橋の言についに敗北を認めると。
極論、憲秋が秋乃に気を遣わせないレベルに資金力があれば最初の段階で秋乃を救うことが出来ていたという話になりますからね。だから男として負けたと。
また巧いのが堕とした高橋は秋乃のことを風俗嬢としてしか見てないことなんですよねぇ。
この後に秋乃目当ての風俗狂いの客の「彼女が幸せならそれで良い」というセリフを聞いて自分とその客が全く一緒だということを憲秋が悟るシーンも良かったですね。
憲秋にとっては世界で一人だけの恋人でも秋乃にとっては今や大勢いるうちの客の一人でしかない。
追撃の「お水の女の子にマジになる方が悪い」も容赦なさすぎて変な笑いが出てきましたね。
追撃の「お水の女の子にマジになる方が悪い」も容赦なさすぎて変な笑いが出てきましたね。
このルートでは風俗嬢を彼女にするとはどういうことなのかをきっちり描いていて最初にやることになるルートとしては文句なしでした。
ただ個人的に憲秋ルートは聡ゲーなんですよね。
正直最初はこいつも敵になるんだろと疑っていたんですけど、親友である彼がもう本当に良いやつなんです。
何かとちょくちょくサポートしてくれたり、風俗街に入り浸っている憲秋にガチギレして引き止めに来てくれるところやその後にそれでも秋乃を想う憲秋に腹を割って話、覚悟を問い、その答えを聞いた後にまた支えてくれるところなどは熱いの一言。
彼との友情パートだけ一生見ていたいと思わせる心地よさがありましたね。
途中から友達になる憲秋に片想いをしている宮下さんもまた良いんですよ……この二人のお蔭で本作の青春度は爆上がりしていると言っても過言ではないでしょう。
途中から友達になる憲秋に片想いをしている宮下さんもまた良いんですよ……この二人のお蔭で本作の青春度は爆上がりしていると言っても過言ではないでしょう。
・秋乃ルート
前述の憲秋ルートを秋乃視点で追いかけるルートになります。
秋乃が風俗嬢として働くところまで追い詰めれられる様や高橋にいかにして寝取られたかを見ていくことに。
秋乃が風俗嬢として働くところまで追い詰めれられる様や高橋にいかにして寝取られたかを見ていくことに。
本作は本当に印象に残るシーンが多いんですけど、このルートではまず、お風呂に入る時間がないぐらいにバイト漬けだった秋乃が周りのパートの人に「なんか変な臭いしない?」 と言われて絶望するところが強烈でしたね。
他にもファミレスで食事を奢られた時に「たかが千円くらい」という言葉にダメージを受けたりetc……。
他にもファミレスで食事を奢られた時に「たかが千円くらい」という言葉にダメージを受けたりetc……。
秋乃の生活の苦しさをじっくり描いていくので、風俗のお金に縋りたくなる気持ちも分かるなぁと。
そんな中で実際に面接と研修に行った際の店長のエサの撒き方なんかもエグかったですしね。
もう風俗嬢になるまでが既に重いのにこのルートでは略奪者である高橋の手腕がまた酷いんです。
この野郎は媚薬みたいなエロゲ特有のマジックアイテムや脅しなんかは使わずに口八丁とお金とセックスのテクニックで落としに来るので略奪者としては完璧なんですよね。
話術で深いエロに持ち込み、セックスでは遊びまくって磨いたテクニックで秋乃を開発して快楽という毒を少しずつ盛っていく、お後には大量のお金と余裕ある大人として日々の生き方の相談に乗ることで直接的なフォロー、更には自分の弱いところ()をさらりと見せて同情を誘うことで心の方も徐々に距離を詰めていくと。
秋乃は秋乃で多少無理なエロを迫られても仕事である以上本気で拒否はできず、何より他の客とは一線を画するお金でどんどん顔を叩いてくるのでそれが復学と憲秋との幸せな日々への近道になる以上は尚更断れない。
おまけにセックスの最中は何かと憲秋と高橋を比べるような発言を浴びせられているので段々とこの二人の優劣を意識し始めてしまうと。
この辺の何が辛いって憲秋ルートではそこまで感じられなかった秋乃の憲秋への想いなんですけど、このルートでは秋乃の心情が必然的にメインになるため、秋乃が憲秋を本気で好いていることが痛いぐらいに分かるように描写されるんですよね。
なのでこれが崩された時の様子ですよ。恋人だったはずの人が一人の客に。一人の客だったはずの人が恋人を超える存在に。最悪の逆転劇。
もうここまで来ると憲秋ルートでは嫌いだった憲秋も嫌いじゃなくなっていたので辛かったですね。
秋乃視点のキツさは高橋がエグいというのもあるんですけど、ある意味で元凶と言っても良い秋乃の母親がより酷かったなと。
秋乃がここまで追い詰められてしまったのは母の「自分のことは、自分で」、「人様に迷惑をかけてはいけない」などの教えが鎖となって破滅に向かわせたなぁと。
言葉自体は悪くないんですけど、明らかに抑えつけすぎでした。
秋乃も言っているようにご立派な言葉は吐いていても自分は何一つ実践できていないのが母でしたしね。
ちょっと会っていないだけで不機嫌になってガチギレする辺りも不快でしょうがなかったです。
秋乃も言っているようにご立派な言葉は吐いていても自分は何一つ実践できていないのが母でしたしね。
ちょっと会っていないだけで不機嫌になってガチギレする辺りも不快でしょうがなかったです。
その分の反動が高橋に抑圧の鎖を緩められたこともあり、一気に来てしまった。
この辺りの真面目な子のタガが外れていく様子は唸らされるものがありました。価値観が変わっていく辺りなんかも。
高橋によって完全に壊されてしまい、姿も性格も激変した秋乃をそれでもまだ秋乃として想って追ってくる憲秋によって一夜だけ正気を取り戻すシーン。
元の自分にはもう二度と戻れないと自覚し、泣き叫ぶ秋乃の命日はこのルートの白眉でしたね……「秋乃」の断末魔とも取れる慟哭の中で、
元の自分にはもう二度と戻れないと自覚し、泣き叫ぶ秋乃の命日はこのルートの白眉でしたね……「秋乃」の断末魔とも取れる慟哭の中で、
愛しい彼の腕の中で、一人のわたしが永眠しました。今宵が、私の命日。きっと幸せな最期だったんじゃないかなぁ?
この一連の流れは演出とまのめるかさんの極上の演技も相まってあまりに美しすぎて食い入るように見てましたね。
私は物語で最も美しいとする瞬間は何かが壊れたり、潰えたり、終わるその瞬間だと信じてやまない人間なんですけど、こういうの見せられるとやっぱりそれは間違っていないと思いますね。ええ。
このシーンは私の魂に刻み込まれました、間崎俊介先生、Waffleさんありがとうございます。
・自暴自棄ルート
憲秋ルートに選択肢が追加され、より秋乃との仲が深まりなんだか上手く行きそうな感じがする最終ルート。が、名前の通り結末は……。
このルートでは前のルートでレポートとテストに追われて秋乃の誘いを断っていた憲秋が無理して秋乃との時間を作り、それが功を奏して同棲にまで発展します。
同棲することで秋乃が憲秋との時間を作ることを何より優先して仕事を早めに切り上げたりするようになったので高橋の魔の手からも逃れると。
秋乃との距離もグッと縮まり、聡と宮下さんとの輪に入れることでより幸せな生活がしばらく描かれます。
正直、あまりにもイチャイチャ度が高いのでルートの名前がなかったらもしやハッピーエンドイケるのか!? とか思っちゃったかもしれませんね。
ただあまりに幸せすぎて一刻も早く風俗から足を洗い、みんなと真の意味で一緒になりたいと秋乃が願うようになるのも詮無きこと。
同僚が隠れてやっているのを知ってしまったがために店では禁じられているよりお金が稼げるがハイリスクな援交・愛人契約に手を出すこととなります。
一ヶ月愛人契約の過酷さに壊れる寸前までいきますが、憲秋からもうギブアップしてもいい、一緒に背負って生きていこうという言葉を貰い、なんとか踏ん張る秋乃。
この辺りも前のルートより憲秋との距離が近づいていたから受け入れられた言葉なんですよねぇ。
この辺りも前のルートより憲秋との距離が近づいていたから受け入れられた言葉なんですよねぇ。
バッドへの道を回避したかと思いきや、今度は以前病院で遭遇した風俗狂いの男が秋乃が風俗嬢であることを周りに言いふらしまくったために親バレ。今までの鬱憤もあり母と決別することになります。
ここはこの男との出会いがアキラくんの忠告を無視して風俗街で倒れているところを助けたことだったのがもう……加えて秋乃の母への不満のぶちまけ方は声優の演技の迫真ぶりも相まってやるせなかったですね。
それでも宮下さんの必死のフォローもあり立ち直りかけたのですが、陽だまりの中で楽しく喋っている憲秋、聡、宮下さんの姿を見て、あまりに汚れすぎた自分に絶望。失踪します。
風俗嬢になるとはどういうことなのかを何より大切な人たちを通して理解した瞬間でした。
ここで老婆とのウェディングドレスは何故純白なのか? と公園で子供が落とした二つの飴玉の話を持ってくるのはもうね……。
このルートでは何度か「仕合わせ」という言葉が使われるのですが、あまりにもそれが重すぎました。
今までもそうだし、失踪直後の老婆との再会で与えられた救い、そこで同時に出会ってしまった自分の幸せへの道を破壊した病院で風俗嬢であることを言いふらしたサラリーマンとの再会。復讐。
すべての良いことも悪いこともめぐり合わせと言う他ない。
ただあまりにもどうしようもなさすぎて、受け入れたくない運命だからこそ、それを超えてしまうぐらいの圧倒的な「幸せ」を願いたくなるんですよね。
ラストは本当の風俗嬢として堕ちることであらゆる意味で自傷を続けて妊娠してしまった秋乃を憲秋が最後の最後で受け入れて連れ帰る勇気を出せずに終わり。
最後の最後の彼女を救える分岐点でヘタれたんですよねぇ憲秋。
高橋に覚悟を問われ、それに応えて来たのに折れるのかと言いたくもなりますが、結局は最初のルートと同じで「風俗嬢を彼女にするとはどういうことなのか」を真の意味で分かっていなかったということになりますよね。
まあ他ルートと違い、他の男の種で子を宿した恋人という圧倒的な存在が立ちはだかった訳ですからね。
秋乃との距離が縮まったこのルートでもそれに立ち向かうほどのものは持ち合わせていなかったのか……辛い。辛すぎる。
たぶん、秋乃と憲秋が馬鹿や愚か者に見える人もいるでしょう。
実際外的要因はあれど、幸せになれるポイントが幾つもありながらも最終的にその決断を下したのは彼女と彼ですから。
弱すぎて悪意や不条理に対する抵抗力がなく、為す術なく崩れてしまった。
ただそのあらゆる意味で弱かったこの二人が私はとても愛おしかったですね。幸せになって欲しかったと心から思います。
……それとは別に夜の女帝と化して風俗で鳴らす秋乃はもうちょい見たかった気もしますね。
アキラくんとのやり取りとかが凄く楽しい上にエロシーンでは通常時とは比べ物にならないくらいのエロさだったので。
アキラくんとのやり取りとかが凄く楽しい上にエロシーンでは通常時とは比べ物にならないくらいのエロさだったので。
今回の感想では私に力が無さすぎてダイジェスト風味にシナリオを追いましたが、省略してる部分も多く、自暴自棄ルートは名シーンだらけなのでまだやっていない方は是非に。
テキスト以外のパーツが良質なのもありますが、本編のテキストが非常に詩的で酔えるので。
超ポエムなので合わない人はとことん合わないでしょうけど……。
超ポエムなので合わない人はとことん合わないでしょうけど……。
敢えて惜しかったとひとつ言うなら自暴自棄を完全バッドにしてしまったことですかね。
ここをハッピーともバッドとも取れるようなラインを攻めてきていたらもっと好きになっていたと思います。
ところで着信音はたぶん全員クラシックなんでしょうけど、あれも意味あるんですかね。知ってる曲が聡の新世界よりだけだったので確かめようがないですが。
◆補足……公式特典ストーリーは自暴自棄ルートで秋乃が風俗嬢を続けてAV出演に至るまでの様子を描いたもの。なのでやるのは全てのルートを終えたあとの方が良いかと思います。
◆えっちなしーん&グラフィック
以下はシーン数。
秋乃……60(公式特典ストーリーを適用すると更に+2)
ヒロイン一人でフルプライスと冒険した本作でしたが、それに見合う十分なボリュームがありました。
これだけあれば誰が文句を言いましょうか、しかも尺も十分あります。
個人的に風俗シチュが大好きなのでVS憲秋とのエロはまるで使えませんでしたが、高橋やその他相手のエロがストライクでしたね。
特にイメチェン後の秋乃のエロが最高でした。あの甘ったるい声とその裏にある強かさで男を手玉に取る様子がたまりませんね、ええ。
サブローさん程の画力にWaffle塗りが加わった圧倒的なグラフィック、テキストも良好で尺も十分なので風俗抜きゲーとしては最高峰なんですよね、本作。
背景も気合が入っているので雰囲気も出ていますし。
背景も気合が入っているので雰囲気も出ていますし。
ソープシチュが好きな人は問答無用で買っておけという感じですね。
ただ本作というかWaffleゲーに言えるのはエロ重視してる作品が多いのだからエロシーンだけ男ボイスオフは付けて欲しかったなと。
感想は以上です。
時代の最後にとんでもないものをぶつけてきやがったなと。
出来の良し悪しをどう感じるかは人それぞれですが、本作は製作者のこういうエロゲを作りたいんだという想いが感じ取れるような作品であることは確かだと思います。
出来の良し悪しをどう感じるかは人それぞれですが、本作は製作者のこういうエロゲを作りたいんだという想いが感じ取れるような作品であることは確かだと思います。
エロとシナリオを両立させたとてもオススメの一本。是非にどうぞ。
コメント
コメント一覧 (12)
感想文、大変参考になりました。
ところで、男キャラの声は、
体験版ではオフにできたのですが、
製品版では不可能だったのでしょうか?
くたばりかけの梟
がしました
私の書き方が悪かったですね。
コンフィグ周りは体験版から変更なしなので、勿論全キャラ個別にボイスオフにすることができます。
今回言いたかったのはWA2などのように完全にボイスオフにするのではなく、エロシーン中だけ自動で男性ボイスがオフに切り替わる機能が欲しかったなぁと。
通常シーンでは聴いていたいため、一々手動でオンオフ切り替えるのが面倒でしたので。
くたばりかけの梟
がしました
一応、個人的なことを言わせて頂くと、
アキラくんと店長がいいキャラ過ぎて、そっちに意識が行かないよう、
ボイスをオフにしていたのです。
まぁ、一番危惧していた、
『結局、ハッピーエンドになるんだろ?』が解消されたので、
金銭的に余裕ができたら、買うかもしれません。
本当にありがとうございました!
くたばりかけの梟
がしました
くたばりかけの梟
がしました
結局、彼女は「なるべき自分」になれたんじゃないかと思う。
それがどれだけ世間一般の価値観と違うとしても。
二度と悪臭を漂わせたころの自分には戻らないと覚悟して。
高橋なんか関係ない。彼女が「金のない辛さ」を心から恐れ、
「金を本当に出してくれる者」だけを心から信じたんだと思う。
彼女が苦しんだのは過去の自分の価値観が中途半端に残っていたから。
彼女は完結した。だから憲秋も最後に去ったんだと思う。
くたばりかけの梟
がしました
確かに秋乃視点序盤の貧困描写やジュエリーショップでの価値観の変化などはきっかけとして、そしてそれ以降の諸々の描写を思い返すと頷けます。
ただ、秋乃がなるべき自分になれた、完結したという点では私個人としてはちょっと首を縦に振れなくて、信じる対象は金を本当に出してくれる人「だけ」ではなく、自分を本当に幸せにしてくれる人という点で憲秋も確かに届いていたのではと思います。
苦しんだのは風俗への道を進んだ時から既に負け戦で、進めるにつれ秋乃がそれをあらゆる意味で悟ってしまったけれど、どうしようもないけど、何処かでは諦めたくなくて、そして憲秋も追い求めてきたから。
最後にも堕ちるところまで堕ちて憲秋をついに断ち切りましたが、それは揺るぎない意思からくる(意思がゼロという訳ではなく)ものというよりはどうにもならない自分とその世界へ向けた自暴自棄からくる自傷の果てだと思えました。
なるべき自分になれた、というよりはなるべき自分になれなかったからこその結末なのかなと思います。
なので秋乃はなくなるまで、どうにもならない自分を構成するあらゆるものを棄てるんだと思います(もしそういうところ全て引っ括めてなる「べき」自分、「完結」という意味でしたらすみません)。
くたばりかけの梟
がしました
率直な感想は、心理描写が丁寧で、ストーリーもリアリティのある名作です。ライターさん凄いですよね。
内容的には堕落論とか好きな人はお勧めだと思います。
憲秋・秋乃ルートは、経験の浅いほぼ童貞男子と、人心をもてあそぶことを喜びにする手練れおっさんの、初めから結果の見えた勝負であり、ヒロインもただ消費されて捨てられてしまう、救われない話という感想です。
現実でもはじめは普通の子だったはずが、風俗に落とされたり、悪い大人に騙された結果病んでしまったのを何度か見たことがありますが、彼女らがもし頼れる心の拠り所を持っていれば結果はいくらかは違ったのだろうなと。そういう存在が重なりました。
自暴自棄ルートの捉え方は主様と一部違うのですが、甘え下手な真面目女子と、一途な男子の不器用な純愛ストーリーで本作のメインだと感じられました。本ルートでは、ヒロインは彼氏を強く愛したものの、堕ちてしまったことの自覚をきっかけに決別を選択し、自傷行為に等しい堕落の道を突き進んでゆきます。
ただ、最終的には心の拠り所として深い愛の思い出を手に入れたことが他2ルートにはない救われた点です。愛の想い出を心の支えに、大人として一人で生きてゆく決意をしたヒロインは、(主様の言葉を借りますが)「自分を構成するあらゆるものを捨てた後」、ゼロから這い上がり、苦労しながらも生き抜いてゆくであろうことが、数度挟まれる公園での老婆との会話からも暗示されます。
逆境のなか、相手と結ばれなくても相手への想い出を大切に生きてゆく、苦しくも素敵なラブストーリーって感じでグッときました!
長文失礼しました。^^不適切でしたら削除願います。
くたばりかけの梟
がしました
堕落論は確かに。堕ちることや救い、美しさへの考え方は少し通ずるところがあるかもしれませんね。
なるほど。文字通り「秋乃」が死んだ後からのリスタートですね。
一つ前の方のコメントもそうでしたが、私はどうにも後ろ向きに捉えがちなので大変参考になりました。ありがとうございます!
削除なんてとんでもない。何年か経って再プレイなどした後にわんこさんのコメントを見直すとまた新たな発見が出来そうなので、是非残させてくださいw
くたばりかけの梟
がしました
もし、何かを美しいと感じたのなら、その瞬間は
「状況なり結果なり、そういうのを、そうなるのを望んでいる、そういう自分がいる」
そういうものだと私は思うのです。
秋乃の心の死が美しく見える、そう表現されている。それならば、そう見える人、
そう演出した人にとって、秋乃の心の死は、そういう瞬間なのかもしれません。
ああいうのは美しく見えるようにして本来のあるべき姿を隠している場合も多いのです。
泣き叫んだのは『がんばろうとするわたし』?『春がくるまで眠っていたいわたし』?
直後のシーンと重ねて、それに気付くと見方が変わります。
この物語は『風俗嬢の話』として観るだけでは不十分だと思います。
私の見方は『解離性障害』。それを知ってから再び秋乃ルートをやるのがお勧めです。
ついでにもうひとつ。彼とのデートの後、二度目の行為の後に彼を見送った後の所。
自暴自棄ルートの結末を知った後だと「え…まさか…その可能性も…」と。
くたばりかけの梟
がしました
あるいはこのゲームで嫌な気分になった人は
このライトノベルを読んで欲しいです。
GA文庫『ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?』望 公太 著
私は先月にこの作品を知ったのですが、まあ何と言いますか…
『違う世界線に転生した彼らのラブコメ』なのですよ。
一見違うけど、なんとなく根っこの部分が似てる人物ばかり。
ただしゲームのように『ものわかりのいいフリをして自分を誤魔化したり』は許されないかわりに、正直者にはとても優しい世界。
騙されたと思って読んでみてはどうでしょうか。
ゲームと比較して考察すると面白い…というか、まぁ、その…十分に楽しめますから。
ではさようなら。
くたばりかけの梟
がしました
くたばりかけの梟
がしました
コメントする