カオスドミナス(1)


2019年11月にアストロノーツ・シリウスから発売されたカオスドミナスの感想になります。

前作のギルドマスターはそれはもう凄まじい悪夢だったので心配ではありましたが、蓋を開けてみればバグも殆どなく、エロゲとしてはとても安定した出来でした。
ただ前作の失敗を鑑みてかRPG部分に関してはかなり守りに入った出来。あまりにも無難かつクリアまでのレールを過保護なまでに丁寧に敷いたため、出来上がったのは越えるべき困難も何もない柔らかな世界だったのです。

プラスな点で目立ったのは凌辱シーン。ここに関してはアストロノーツ史上最高の出来であると言えるでしょうね。

以下は詳細な感想(一部ネタバレ部分は反転で読めるようにしています)。

◆シナリオ・ADVパート・BGM

ストーリーは以下のような感じ(公式サイトより)。

かつてこの島は、とある王家が統治する豊かで平和な国であった。
国を守護するといわれる竜と天使の姿を紋章に刻んだ
その王国の歴史は数千年に及ぶと言われ
現国王と王妃への、島民たちからの信頼も厚く
島全体が平穏に包まれていた。
だが十数年前、突如現われた悪魔たちに王国は襲われた。
強大な魔力を持つ悪魔たちによって騎士団は全滅。
国王、王妃も殺害され、首都は一夜にして炎の中に崩れ落ちた。
王国を襲った大悪魔は、自らを「始原の魔」と名乗り

忠実な手下である5人の「魔女」によってこの島を支配すると宣言した。
現在、この島は魔女によって統治されている。
5人共、非常に強力な力を持った存在であり、
その恐るべき魔力と恐怖で人々を支配していた。
5人の魔女による統治は既に十年以上に及ぶが
魔女らは皆、老いる事もなく
衰えるどころかむしろその力は増す一方であった。
人々は彼女らを、悪魔と契約し、永遠の命と魔力を得た存在なのだと考えた。
悪魔同然のその存在に対し、当初は抵抗していた者たちも徐々にその数を減らし、
いつしか島の民は彼女らの非道な支配に身を委ねていた。
自らも悪魔の力を持ちながら、悪魔を狩ることを生業にする男ギルベルトは
5人の魔女に憑依した悪魔、そして彼女たちを統べる上級悪魔を討伐するべく
レグルス島に足を踏み入れる。
彼を待ち受ける運命や如何に……


前作はヒロイックな要素が控え目でファンタジー世界を舞台にした日常モノという風でありましたが、今作では最初から倒すべき強大な敵が示され、主人公であるギルベルトもアストロノーツシリウスの過去作に多く見られたようなハイスペックな俺様系ダークヒーロー。
家族を殺した悪魔を憎んでおり、復讐を掲げ奴らを狩り尽くすその様と悪魔を封印する際には指パッチンで唐突に魔力で編んだ服を吹き飛ばして全裸になる姿からもベヨネッタっぽさがありましたね。

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そんなギルベルトが無双気味にレグルス島を駆け抜け、順当にゼノへミアの直属の手下である中ボス五魔女と対峙。やがて大ボスゼノへミアとの決戦へ~というのがメインストーリーの流れ。

余計なものもなくサクサク進んでいくのでストレスを感じる要素はありません。
またキャラクターの加入タイミングも今回はダンジョンオブレガリアスと同じく完全に固定されているので隠しキャラのアンフィニ以外はきちんとメインストーリーに絡んできます。
しかし、どうにもならない物足りなさがあります。

というのもヒロインであり、中ボスポジションでもある五魔女がRPG・ADVパートともに“敵として”非常にヘボいのでアストロ作品でよく見られる戦いにおける張り合いのなさが相変わらずありましたね。
テスター版・体験版でボスとして立ちはだかるヴェロニカは中々に外道かつ、ADVパートで挨拶代わりにヒロインを殺してくるなど殺意が高くて期待が膨らんだのですが結果は……。

始原の魔ことゼノへミアが最大の敵ではありますが、ゲームの大半の時間は彼女らとの戦いと冒険。ここで中弛みしている感が否めませんでした。

ただ、従来のアストロ作品に比べてラスボスであるゼノへミアはちょくちょく出てくるので空気ではなく、ぽっと出感もありませんし、ギルベルトとの因縁もあるので倒すべき敵としての描写はきちんと出来ていたと思います。
しかしそれも全体の温さを拭うには至らず。
全体的に掲げている目標や設定の割に緊張感がないんですよねぇ。この辺はシナリオもそうではありますが、後述するRPG部分が足を引っ張っているところもあるでしょうね。

日常パートやキャラ個別イベントなども悪くはありませんが、設定やキャラ付けが凝っていたギルドマスターに比べると質は落ちるかなと(個人的にギルドマスターが確変を起こしている状態なだけでカオスドミナスがアストロの過去作に大きく劣っているわけではありません)。
男キャラも申し訳程度に出てくるギルベルトが従える悪魔・キメリエス以外はほぼ出てこないのでその辺りも作品全体の緩さに繋がっているのかも。

なので今回は個人的にシナリオ面ではマイナスになる要素がそこまでない代わりにプラスになる要素も殆どありませんでした。


BGMは今回も松本文紀さん担当でハイレベル。シリウスのここ数作は本当にこの面が良くなり続けていて良いですねぇ。
タイトルBGMの「enter chaos」を始めとしてシンフォニックな曲が多いので悪魔だ天使だ~みたいな世界観の本作に合っていました。戦闘面の彩りという点でも今までで一番だと思います。サントラがないのが本当に勿体ない。
ちなみに世界観といえば今回もデモニオン、レガリアス、ギルドマスターと同じ世界みたいです。

曲数は27。サウンドモードは再生/停止/一時停止、全曲リピート/一曲リピート、音量調整、シークバー移動も可能と思う存分本作の音楽を堪能できます。
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ただ、もう諦めてはいるのですが、今回も主題歌・OPムービーなしなのが残念でした。


◆RPGパート

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まずはクエスト受注画面。このゲームの基本になるところですね。パーティ編成や装備・スキル変更もここでやります。
一番上にメインストーリークエスト、その下にクリアしても何回でも挑めるフリークエスト、更に下にキャラ個別イベントと続いています。
えっちシーン付きのものはクエスト名の前にハートマークが付く仕様です。ただし、こちらはレガリアスの時と違い純愛・凌辱問わずなので注意が必要(一応本記事の最後に凌辱イベント発生箇所まとめを書いておきます)。
ちなみに戦闘があるイベントは剣のマークが付きます。

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本作は前作の失敗を受けてか普通のダンジョンRPG。本作の失敗はこの部分があまりにも普通過ぎたことでしょう。

次はダンジョン面に触れていきましょうか。
基本的には上のような感じの簡易的な3Dマップを駆け巡り、ゴール地点orボスを目指すタイプ。
エンカウントはシンボルタイプなのでストレスフリー。しかもダンジョンが申し訳程度の分岐しかないほぼ一本道で配置もかなり緩めなので全シンボルスルーも容易(一見すると狭い一本道を行ったり来たりして回避不能に見えるタイプも居ますが、壁に張り付いてダッシュすると抜けられたりします)。

またメインストーリーのクエストでは一度倒した敵は復活せず枯れるというぬるぬる仕様。
おまけに経験値配分も丁寧に(ある意味では雑)調整したようでフリークエストなどは一切やらずに(実際やるメリットはない。単に全ボス撃破とかしたい人向け)メインストーリーで出現するシンボルを叩いていけば簡単にクリアできるぐらいのレベルになるようになっています。
恐らくは全シンボルきっちり叩けばよっぽどメンバーをころころ変えていない限りはこのゲームで唯一強いラスボスもテキトーにやっても潰せるかと。
勿論ある程度はスルーしてもOK。

ダンジョン内では装備・スキル変更、パーティメンバーの入れ替えなどは出来ません。
回復に関してはスキル持ちのキャラクターで行うor上の画像の右側にある枠内にある消費アイテムを使用するスタイル。
消費アイテムはプレイヤーが自前で用意することはできず、ダンジョンに侵入するたびに自動補充される使い切りのタイプが数種類渡されます。種類に関してはメインストーリーの進行度に合わせて増えていくという寸法。
単体回復からパーティ全体回復、必殺技の発動に必要なゲージを貯めるなど過保護気味に渡してくれるのでやはり温いです。なんなら一部のダンジョンには中間地点に回復ポイントまで用意されていたりしますからね。

こんな感じなので基本は道中でスキルぶっぱゲー、暴れるだけ暴れたら支給アイテムで回復。あとはボスを倒すなりゴールするなり好きにしてという感じで正直脳死作業ゲーとしか言えません。
この如何ともし難い怠さがシナリオ面にも悪影響を与えてしまったのだと思います。


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戦闘もやはりオーソドックスなターン制コマンドバトル。もうこの辺は本当に特徴ないので画面を見れば分かりますよね。
一応敵の頭上にあるゲージはバーストゲージといって必殺技の発動ターンを知らせるものです(プレイヤーキャラにもあり)。一ターンに一ゲージというルールで味方以外にゲージの増減を操るキャラもいません。
ちなみに逃げるコマンドの成功率は100%です。

ここまででなんとなく察しては頂けると思うのですが、考える部分がないんですよね、このゲーム……。

例えば複雑なダンジョンを攻略するためのルート取り、そのために必要なメンバー・使用アイテムの選定、限られた回復リソースの管理、強大なボスを倒すための搦め手の選定、行動の見極めなどRPGで困難を乗り越えるために頭を使うところは色々あるとは思うんですけど、カオスドミナスは介護レベルに丁寧にクリアまでの導線を引いてくれていてその辺りがないので本当にこのRPGパートが作業でしかなくなっちゃっているんですよね……。

隠しボスを除くと唯一ストーリー内で苦戦する可能性があるラスボスくらいにしかないですからね、バフデバフやら属性考えたりするのは。
レガリアスであった難易度変更もないので歯応えを求めるなら自身でレベル縛りなりなんなりをするしかありません。

なのでこのゲームにRPGとして期待するとかなりガッカリするかと思います。ガワこそ綺麗ではありますが、やっていることは正直同人によく見られるツクール製RPGと大して変わらないので。
昔ならともかく、令和の世でここまでカビ臭いのをやるのはキツいの一言でした。


◆えっちなしーん

叩き気味になってしまいましたが、本作で一番推せるここについて触れていきましょう。
シーン数は以下の通り。

ノルン……6(凌辱1)
カルラ……8(凌辱2)
ミラベル……7(凌辱2)
ヒジリ……5(凌辱1)
トモエ……4
トモエ&ヒジリ姉妹凌辱……1
パメラ……6(凌辱1)
ロレッタ……7(凌辱2)
ベルティーナ……7(凌辱2)
レティシア……6(凌辱1)
アンフィニ……3
ヴェロニカ……3(全て凌辱。内対主人公1)
ゼノへミア……1
マルタ……1
ハーレム……5(組み合わせはトモエ&ヒジリ、ロレッタ&パメラ、ベルティーナ&レティシア、カルラ&ミラベル、ノルン&マルタの5組)
モブ……4(全て凌辱)

凌辱バッドエンド……4(内訳はロレッタ&ミラベル&トモエ&ベルティーナ(CGは前者二人と後者二人で別々に用意)、カルラ&ノルン、モブ二人&マルタ、レティシア。この四組が人型モンスターに犯される)

はい。ひと目見て分かるように凌辱がかなり強化されているのが分かるかと。
特筆すべきは凌辱バッドエンドの存在でこれはストーリー後半部のある戦いで負けると世界の滅びと共に語られる一連のエッチシーン群になります。
ざっくり書くとあらゆる種族と性交でき、数分でその相手を孕ませて仲間を増やしていく繁殖能力特化の悪魔が大量に召喚された世界で数の暴力の前に為す術なく苗床にされていくメインヒロインたちの様子を描いたものです。

これが非常に良かったんですよねぇ。負け戦確定とはいえ世界のために諦めては行けないという状況かつ、単体だと雑魚の悪魔ということもありヒロインたちは果敢に抵抗するわけですけど、ゾンビアタックを仕掛ける雑魚の前にやがて屈してしまうというね。
正直このエンディングだけで+300000000点したいぐらい良かったです。
しかも回想モードでは導入部から再生されるので神シチュエーションを何度でも堪能でき非常に捗ります。(何故かカルラ・ノルンペアのもののみ導入部が省かれるので注意)

凌辱に関してはアストロノーツ史上最高の出来だと思いますので、M&M絵の凌辱ゲーやりたいんだ! という方にとてもオススメ。
CGも差分抜き117枚で多くがえっちしーん用となっております。


◆おまけ~凌辱イベントリストと隠しボス撃破特典について~

凌辱イベント発生箇所一覧

ノルン……キャラストーリー07で敗北
カルラ……キャラストーリー08、11で敗北
ミラベル……キャラストーリー06、08で敗北
ヒジリ……キャラストーリー11で敗北
トモエ……キャラストーリー07で敗北
レティシア……キャラストーリー07で敗北
ロレッタ……キャラストーリー07、16で敗北
パメラ……キャラストーリー10で敗北
ベルティーナ……キャラストーリー07、11で敗北

凌辱バッドエンド……メインストーリー天聖の神殿02で敗北

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本作のクリア後のフリークエストで戦える恒例の隠しボス・深淵の巨竜について。
撃破特典としては画像のつよつよ装備が手に入ること以外にはいつも通りイベントもなにもないので本当に強い敵と戦いたい人向けのボスですね。

簡単な攻略法としては毒がそこそこ入るのでこれを使うと楽でした。本作の毒は割合ダメージっぽいので一度入ると1000以上のダメージを継続して叩き込むことができます(毒に比べると相当低確率っぽいですが麻痺も入ることは入る)。ステータス弱体も状態異常に比べれば入りますね。

また行動も恐らくは毎ターン決まっているようなのでそれを覚えて対策を用意すれば安心。特に1ターン目と5ターン毎に強力な自己バフをかけてくるのでパメラのようにバフリセットスキルをもつキャラがいるとより安定します(ただ、確定でリセットはできないのが辛い所)。
自己バフを掛けた後は基本的に全体攻撃を撃ってくるのでこれもまた注意ですね。


感想は以上です。
M&M先生の美麗イラストを旗印に大幅にパワーアップした凌辱を搭載した充実のエロとハイクオリティなBGM、悪くはないキャラとシナリオを擁しながらもあまりにも普通で古臭すぎたRPGパートが足を引っ張ってしまった作品でした。
ですが、前作ギルドマスターでついた汚名を雪ぐことは出来たのではと思っております。力の入った凌辱のあるエロRPGを求める方にオススメです。