商業テンプレのコピーのコピー

2020年2月にアストロノーツ・シリウスから発売された絶対女帝都市の感想になります。

今回はエステラ・百奇繚乱に続くゲーム性ほぼなしのADV作品。前二つも決して良いとは言えませんでしたが、今回はそれ以上に酷く思えました。
M&M絵の抜きゲーがやりたい、という方を止めはしませんが、内容の手抜きに加えボリューム面でも過去作よりダウンしているため今までの作品をプレイしている方ほど不満を覚えやすいと思います。

また初めてM&M原画作品に触れてみたいという方にはこれより良いのはいくらでもあるのでやはり勧めることは出来ないなと。

ペラペラなので語ることは殆どないですが、以下はいつも通り詳細な感想。

◆システム&シナリオ

本作はADV作品ではありますが、簡単なゲームパート……もといゲー無パートがある代わりに選択肢やルート分岐が存在しない完全一本道ゲーになります(BADエンドは有り)。

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ゲー無パート画面はこちら。赤マスは敵、!マークはイベントマスです。
1ターン毎にゴールへ向かって1マスずつ埋めていく、ただそれだけの虚無です。

赤マスでは戦闘が発生しますが、単純に自軍戦力との大小で勝ち負けが決まる演出が入るだけで何かまともなゲームが挟まれるわけではありません。
赤マスで勝利すると自軍の戦力が増加することに加え、イベントマスやステージ後半のADVパートではヒロインとの強制戦闘が発生するため基本的にターンの許す限りマスをひたすら埋めて埋めて埋め尽くしてゴールへ向かうことが求められます。

中盤以降はターン数や戦力がどうあっても足りない場面が出てきますが、その段階まで進むとターン数は何故か勝手に回復しますし、戦力が劣っていても何故か勝てるように出来ています。
要は何も考えずにマスを埋めろという話。

……何考えてこんなの作ったんでしょうね? まあ戦闘描写を省略するためなんでしょうけど(ヒロインとの戦闘は開戦まではADVで描写され本番に入ると暗転、「戦闘に勝利しましたor敗北しましたのテキストだけで済まされる」)。

基本的に私は巷で紙芝居と揶揄されるようなテキスト主体のADVは動きの激しい戦闘を描くのに最も向いていない媒体のひとつと思っているのでそれを省略する、という考え自体には賛成なのですが代わりに挟むものがあまりの虚無で動揺しました。

ちなみにたまにベースが襲撃されることがありますが、それを2ターンかそこら放っておくと凌辱イベントが発生しますのでヒロイン全員のそれを見るまでは襲撃の度にセーブして一度は放置しましょう(襲撃側の戦力は常に自軍より上だが防衛すれば勝てるように出来ている)。

Unityになってからのアストロゲーはスキップ速度もとろくてリトライは非常に苦痛になることでしょうからね。
もしこれを読んでいる方の中でこのゲームを買おうという方がいらっしゃいましたら襲撃されたら必ず放置して負ける、それだけは覚えて帰って下さい。こんなのに時間を使うのは勿体ないです。

凌辱が発生するのはこの襲撃時のみで通常戦闘では負けてもなにもないので無駄な期待はしないようにしてください。
あなたに求められているのはマスを埋めることだけなのです。



ストーリーは以下のような感じ(公式サイトより)。

近未来。
地球規模の大災害『破局』によって世界は混迷の時代に入った。
国家は崩壊し、隕石落下による大破壊を逃れた大都市を中心に
新たな支配体制が形成された。
『クイーン』が支配する都市国家群『サンクタム』は、
女性中心の価値観によって圧政を敷いていた。
男たちは迫害され、要職どころかまともな仕事に従事することもできず、
都市の外周のスラムで生活することを余儀なくされていた。
サンクタムを構成する都市のひとつ、『アストライア』でも、
男たちは虐げられていた。
市民を監視する公安警察『グレイス』は、女帝に永遠の忠誠を誓った
女性のみで構成された憲兵組織『ナイトメアレーベン』を頂点として
恐怖と暴力で都市を治めていた。
ナイトメアレーベンとスラムの男たちは日夜衝突を繰り広げ、
力なき人々は街の片隅で息を潜めて暴力が過ぎ去るのを待つしかなかった。
そんなアストライアに、漆黒のバイクを駆るひとりの男が足を踏み入れる。
男の名はカムイ。
ナイトメアレーベンの女たちを討伐し、圧制から男たちを解放するため、
カムイの戦いが始まる。


女尊男卑を極めた近未来の世界でそれに反旗を翻す男の戦いの話。オーソドックスな反逆モノですね。
正直シナリオについてはこれで語ることがなくなります。ええ。
そもそもADVパートも極限まで省略されていますからね。一応メインの敵となるナイトメアレーベンと呼ばれる女たちや主人公のカムイは特殊な能力を持つ道具を使用して戦いますが、前述の通り戦闘自体はほぼ省略されるのでないも同然です。

印象にかろうじて残っているのは主人公が使うその特殊な道具というのがAIを搭載したバイクなのですが、その描写が多めでライターさんはバイクが好きなんだろうなということが伝わったぐらいですかね。
月に囚われた男やインターステラーのようなおっさんとAIのやり取りが好きというかたは多少楽しめるかもしれません。

ちなみに今回もOP曲・ムービーはなし。


◆えっちなしーん

シーン数は以下の通り。あまりにも短いシーンはいつも通りカウント外。
括弧内の凌辱については対主人公以外のもの。

ヘレナ……7(凌辱1、夢オチ乱交1)
トウカ……7(凌辱1)
ブリュンヒルド……8(凌辱1)
ローゼリカ……8(凌辱1、乱交1)
ジンリー……8(凌辱1)
リオ……4(凌辱1)
エンジュ……3(凌辱1)
ベランジェール……5(凌辱1)
ヘレナ&ブリュンヒルド……1
トウカ&ローゼリカ+リオ……1
ジンリー&エンジュ……1
リア……1
モブ凌辱……1

CG・シーンの総数がともにダウンしているためボリュームは過去最低です。
またアストロノーツシリウス作品と言えば必ず100枚を超えるCG数が強みのひとつでしたが、今作では85枚と並のエロゲレベルまで後退。他の部分で既に手を抜いているのに強く出れるところすら手放しているのはかなり痛いです。

タイトル名だけ見るとMゲーぼく見えますが、それ系の要素はほぼなしでジャンル名やブランドの色通り俺様系主人公がグイグイ女を貪るいつものタイプです。
殆どのヒロインが主人公相手には即堕ちするため和姦モノと化しているのもいつものこと。

ただ、特筆すべきはヘレナ。
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彼女は他の根性なしのヒロインとは違い、終盤まで抵抗の姿勢を崩さないため、ほのぼのとはいえレイプ気味のシーンが楽しめます。
メインビジュアルやジャンル名から期待できることをそのままやってくれるのは彼女だけと言えるでしょう。
なので、ヘレナが好みという方は他のヒロイン推しの方より満足度は高くなるかと思います。
また夢オチとかいうクソ仕様とはいえモブ相手の乱交(主人公含む)も描かれるのでそっち寄りのものが好きな方の希望の星。


感想は以上です。
正直ガッカリしました。抜きゲーとしての最低限の体裁を保ち、M&M先生の美麗絵も健在ではありますが、制作陣のやる気の無さが伝わってきたので。
こういうのをぶつけられると本当にエロゲ自体のモチベーションが消え失せるんですよね。

冒頭にも書いたとおり、オススメはしません。M&M原画作品をやり尽くしてそれでもまだ足りないという方だけは検討しても良いかと。