作品名カルマルカ*サークル
メーカーSAGA PLANETS発売日2013年9月27日
原画ほんたにかなえ、とらのすけ、茉宮祈芹(サブ)、風見春樹(サブ)、有末つかさ(サブ)、ちまろ(サブ)、都桜和(SD)シナリオ瀬尾順、砥石大樹、藤井リルケ、御厨みくり、律、高嶋栄二、モーリー
KOTOKO、Larval Stage Planning、WHITE-LIPSムービーろど、sleepwalker
対応OSWindows XP/Vista/7お気に入り度3/10
ディスクレス点数61点
プレイ時間約17時間



――繰り返さないことはできる。過ちを正すことは、できるんだ。

ぺらっぺらの紙ゲー。予想を悪い意味で超えてきたこのゲームにはこれしか言えません。故にカルマルカファンの人はこんなページを見てないでブラウザバックしてください。


以下は詳細な感想です。(一部ネタバレ部分は反転で読めるようにしています。また、画像はあくまでサンプルですので大幅に縮小しています。画像の著作権はSAGA PLANETS様にあるため、無断転載はお止めください)



◆新生サガプラ(まるで新生していない……)


四季シリーズが終わり、新島さんが居なくなってからの作品ということで「ハッピー&スマイル」なるキャッチコピーの通り無難な萌えゲーを出してくるのかなあと思ったのですが……いや、シナリオのプロットは個人的に良かったと思うんです。ただ、余りにも、余りにも! 練られて無くて……なんかもうね。

シナリオ面は後述するとして、まず目に付いたのが「はつゆきさくら」を意識しすぎかな、というのが一つ。

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左:カルマルカ 右:はつゆき

この噂話や共通ルートラストの演出etc……謎生物やシロクマネタとか前作ファンへのちょっとしたサービスなら良いんですけど、共通ラストのとかは余りにも無理やり捩じ込んでて作風に全く合ってない上に置いてきぼり感が凄いです。新島さんはもう居ないんだからそれに囚われていたら駄目だろうと言いたい。


◆紙ゲーには紙ゲーたる理由があるんです!

本作を紙ゲーにしたのは何か。それはもうシナリオとしか言えないです。
先ず第一にテンポを重視しすぎて必要な説明と描写が圧倒的に足りていない。起こったことに対する掘り下げも皆無。それによる場の人物だけが盛り上がっている感が凄いです。
一例としては物語冒頭の「世界の主」云々でしょうか。アレみたいに最初にインパクトのある場面を切り抜いたものを持ってきて、後からこういう事情でここに至ったんです! というのはよくある手法ですけど、カルマルカの場合はとりあえずそれやっとくか、という行き当たりばったり感が否めないです。
こういうのに限らず全体的にに説明、というかそこに至るまでの過程がスッカスカ過ぎて「そうなんだー、で?」 みたいに流してしまうんですよねー。キャラの心情なども同様にスカスカなのでキャラやお話に対して感情移入が出来ない。普通は作品内の人物が困難な状況に陥ったり、それを乗り越えたり、色々なアクションを起こすと「頑張れ」、「辛いね」みたいにそれを外側から観ている人は何らかの感情を移入すると思うんですけどそういうのが全くない。

で、細かい部分が既にボロボロなのに作品の根幹の部分が実はぺらっぺらだったりするのがもう救えませんね。
七人の罪人! もう逃げられない! とか凄んだ割には摩訶の設定がすっごくあやふやなんですよ……しまいには殆どのルートで関わってこないし。
ルートで出ないといえば星渡り同好会も同じく。同好会の設定……つまりは摩訶という共通の悩みを抱えた仲間たちの触れ合いと目的を果たすための活動。わざわざこういうのを作った割には個別では全く出なくなる。ここが弱すぎるせいで後に仲間が団結する描写などが薄ら寒くなってます。そもそもお前ら本当に摩訶消したいの? みたいな疑問すら浮かんでしまう……もう摩訶じゃなくて魔羅にしてふたなり少女の悩みとエロでも描けば良かったのではないでしょうか。
……あとこの仲間の設定作った割には後で全く絡ませないというのはキサラギGOLDSTARでもやってるんですよねぇ。新生したのに同じ轍を踏んでどうするのよ。

ただまあ、シナリオ全体を見渡すと個別ルートは最後のルートの布石にはちゃんとなっているんですよ。カルマルカや摩訶には全く触れずに各ヒロインの悩みを個別で出す→カルマルカが深く関わる最後のルートでそれら全てを解決できるかもしれないという可能性の提示→それを使うかの葛藤。

このシナリオ構成自体は決して悪く無いと思うんです。ただ、扱っているものに対して描写が圧倒的に弱い。この辺りの弱さに関してはシナリオライターが実は七人居ました! っていう酷い事実も勿論大きいんですけど一番デカいのは企画段階で思いきれなかったことだと感じました。
「ハッピー&スマイル」とか「恋のカルマルカにアクセスせよ!」 みたいな訳の分からない萌えゲーくさいコンセプト出した割には徹しきれていない、というかこのシナリオ構成だと明らかにシリアスをメインにしたかったのが分かります。
どちらかに舵を大きく切るべきだったと思うんです。萌えを押し出したいのか、シリアスを押し出したいのか、シナリオの方向性がどっちつかずなのにライターが七人と大量に居ればそりゃあ無茶苦茶になりますよね。最後のルートに核心部分を集約してるせいで複数ライターのデメリットもこれ以上ないくらいにに出てますし……全体的に無理やり纏めて流れも強引なので茶番臭が半端ないです。

そう、カルマルカのシナリオを一言で言うなら茶番なんですよ。というかカルマルカサークル自体が純度100%の茶番で出来てます。

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……ニコルルートに関しては茶番とかそれ以前の出来なので触れたくもありません。ただ、傷だらけで今にも死にそうな主人公を置いてきぼりにするヒロインは斬新でしたね。
ちなみに残念ながら最後の希望であるエロシーンもシーン数は各3回(夕姫羽は1)と平均的で内容は薄かったです。


◆じゃあ良いところは?


立ち絵とCGがすっごくかわいい。

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