作品名手垢塗れの天使
メーカーあかべぇそふとすりぃ発売日2016年6月24日
原画秋空もみぢ(キャラデザ・立ち絵)、砂丘太(CG)シナリオ和泉万夜
花澤さくらムービーなし
対応OSWindows 7/8/10お気に入り度9/10
ディスクレス点数79
プレイ時間約5時間


※6/28最後のCGについて大事なところを見落としていたので、少しだけ追記。

ブランドの謎の方針転換でアクティベート搭載と正規ユーザーを苦しめに来る姿勢が気に入らなく、体験版も薄味でお金を落としたくなかったのですが、貴重も貴重な枕営業ものとなれば手を出さざるを得ませんでした。
しかし、結果としては思った以上に満足のいくものだったなと。枕営業シチュが好きな方は勿論、自分の夢に喰い殺されてしまうような話が好きな方にはヒットするかなぁと。
以下は詳細な感想(一部ネタバレ部分は反転で読めるようにしています)。
◆アクティベートについて

まず、本作の癌であるアクティベートについてですが、これは他メーカーであるようなシリアルコードを入力するだけで終わり、というまだ許せなくもないタイプではなく、DLsiteという同人ゲーなどを扱っているサイトへの登録が必須かつ、起動する度にそこへのログインが必要になるという酷いものでした。
Dそのサイトを使ってない、DL版に興味が無いユーザーは面倒な登録をしないといけませんし、こういったタイプの認証になることを公式サイトで書いてないというのもまあ惨い。おまけに起動する度にその認証が走るものだから普通のゲームより起動に時間がかかるのもイラッとしますよね、ついでにオフライン環境ではプレイ不可能です。もうこの時点で0点付けたいレベルですよ。あかべぇそふと及びミマスはクソ。
ある程度期間が経ったら解除パッチ配布、とかなら良いんですけどね。最近はあけいろといいこの方面でケンカを売ってくるメーカーが増えてきて悲しい限りです。


◆肝心の中身

本作はとても貴重な枕営業モノですが、シーンもちゃんと一から十まで枕でいきなり関係ないエロがでてくるとかそういうことはありませんので、この辺りを心配していた方は安心して良いかと。
個人的にこういう枕営業や売春モノで大事なのはヒロインが強かであることと、媚びの姿勢が出来ているかなのですが、これもちゃんとしていましたね。
仕事を貰うため、相手を喜ばせるために嘘の喘ぎ声や卑語を出す。そういうのを嫌う相手に当たり、指摘されるとあっさり嘘であることを認めその場で直す、大したことない相手だと思い誘いを無下に断ったら実は力のある相手で手のひらをクルクルさせながら枕をしにいくなど、シチュとしては今までやってきた(とは言っても数が殆ど無いですが)中で随一だったなと。ようやく正真正銘の枕営業モノだと言えるゲームに出会えました。
やっぱりヒロインが自分の大事な身体を何よりも強い武器として使い、それで目的のために突き進んでいくって凄く魅力的に見えるんですよね。内側には強かさとそれの根源たる野望や志があり、それを満たすために媚びを貼り付けて身を晒す。
ギャップがいいんですかね、そういう強さがあるのに更に強い相手に取り入り、利用するために媚びるというのがとてもいいんですよね。それで通常シーンは悪態も吐くので最高ですよ。18禁媒体にかなり良い相性の題材なのに何故全く出てこないのか不思議でなりません。

本作のシステムとしてゲームクリア後にエロシーンのセリフがヒロインが心で思っていた悪態と嫌そうな顔をした本当の姿に切り替わる裏の顔システムと前者をオフにしているとエロシーンで普通の喘ぎ声の他にアイコンをクリックすると裏の顔の音声が再生される副音声システムがあるのですが、これは正直個人的には要らなかったですね。それよりもそのリソースでもっとシーンを増やして欲しかった所。
ですが、テキストだけ裏の顔にするのか、音声だけ変えるのかなど細かな設定ができるので、そういうのが好きな方には良いかもしれません。

悪い点を言うとプロデューサー役の声優があまりにも下手くそ過ぎて驚きました。素人でも使ったのでしょうか、ここまで酷いと思ったのははつゆきさくらの妻以来ですよ。


破滅の物語としての良さ(核心部分のネタバレです)

と、このように枕営業そのものがとても良い本作なんですが、もう一つのメインとして破滅の物語としての良さがあるかなと。
アイドルを皮肉って語源である偶像の上にアイドルとルビを振ったりするのを見かけることがありますが、良いですよね、そういうの。実際にアイドルファンをやっている方にこんなことを言うと怒られそうですが、見た目は綺羅びやかで人々を惹きつけるけど、その中身は……? という風な虚構の存在、偽物、偶像ってロマンがあるんですよ。
本作は主人公の最終的な目標がトップアイドルでそこへ上り詰める手段も枕営業と偽物に塗れています。綺羅びやかな場所を目指してどんどん手垢に塗れて汚れていきます。本作の良さってそれを正しい手段、これしかないと主人公が信じて突き進んでいき、それを間違いだと思わないところなんですよね。
でもその信じたやり方で、ある程度成功して階段を登っているところで躓く。シナリオ後半で突如現れた枕などせずに人々を魅了する天性のアイドルにどんどん居場所を奪われ敗北する。間違ったやり方ではないと思っていたのにどこかが間違っていた。偽物の方法で高みに登ろうとしていた自分が本物の天使に翼を溶かされて地に突き落とされる。中身の無い偶像でしかなかった自分は破滅。

コレですね、これがたまらなく美しく見えるんです。間違ってはいない、実際に志を果たそうとしていた、綺麗な夢に向かっていた、でもその夢に喰い殺される結果となってしまった。こういう夢が破れる……本作の場合は砕け散るという言い方のほうがいいですかね、こういう結果に切なさととても澄んだ美しさを覚えるんですよね。全く関係ない作品の話ですけど、北方三国志の張衛みたいで最高でしたね、この結末。
純粋に夢を追いかけていたつもりのなのに何処かが間違っていて破滅してしまうというのがもう“良い”としか言えない。久々に自分の好みにピタリとあった物語でした。また主題歌のタイトルと歌詞が良かった。Secret Liqueurと合わせてフルverが楽しみです。

最後のCGは嶺衣奈かその息子で突き落とした相手はプロデューサーでいいんですかね。息子パターンのほうだと完全に嶺衣奈が壊れてしまったことになりますが。どちらでしょうかね。
エンドロールに答えありましたね……。ぼーっとしてて気付くの遅れました。突き落としたのは嶺衣奈で殺されたのはプロデューサー。嶺衣奈の人生逆転の最後の賭けであった新婚生活はプロデューサーの枕営業リークで完全崩壊。その復讐として嶺衣奈はプロデューサーを殺害して行方不明。財布などを置いて行っているので、おそらくはそのまま自殺コースですね。
ところで妊娠リスクある中で枕するのにピル飲まないのはどうなのか。いや、作中で書かなかっただけで飲んでいて、それでも駄目だったのかもしれませんが。


◆えっちなシーン

嶺衣奈……12(本番10)
アンリ……2(本番1)

シチュ豊富で尺もそこそこと文句無いです。方向性については上の方で書いたので省略。でもやっぱりもっとエロ見たいですね、特にアンリの方がビジュアル好みだったのでそういう点でも物足りなさが残りました。
しかし、低価格としては十分な量でシチュも豊富と隙がないです。枕営業好きな方は黙って買って、どうぞ。


感想は以上です。
マイナスはやはりアクチがクソでPの声が酷すぎること、省略された枕が多々あったので、もう少し長くお話を見たかったことですかね。それ以外は本当に満足したので買ってよかったなあと。アクチがなかったら80あげて良いんですけどね。あかべぇはクソ。
また枕営業モノ作って欲しいですね、出来ればアイドルかつ今度はもっとボリューム多目で。