2017年4月にぱれっとから発売された、9-nine-ここのつここのかここのいろの感想になります。
人気原画の和泉つばす先生とシルキーズプラスのななリンシリーズで名を上げ始めたライター・かずきふみ先生のタッグということで、それなりに注目されていた気がしますね。
私個人としては体験版がつまらなかったので澤田なつさんの声が聴ければ良いや程度で買ったのですが、予想以上のアレでした。
まず本作は公式HPにもあるように9-nine-シリーズの一作目です。
一つのゲームをヒロインルートごとにバラ売りしているタイプ。
最近だとCampusのウソシリーズとかfengのセイイキシリーズも同じ売り方をしてますね。
この売り方自体は特に問題ないと思うのですが、公式で「一つ一つのストーリーは独立しており、単体でも楽しめる作品です」と書かれているにも拘わらず、その実は完全にシリーズの“導入部分だけ”を描いた有料体験版だったというのは酷いなと。
いやもう、ここいろに関しては本当にこの「有料体験版」という一言だけで全てが終わってしまうのであまり書くことがないのですが、まあ一応いつも通りに。
以下は詳細な感想(今回は内容がすっからかんなのでネタバレ有りです)。
ルート構成は完全な一本道で初回はバッドエンド固定。二周目からハッピーエンドへの選択肢が追加されるというもの。
正直この構成も単に平行世界設定を出したいだけで特に意味はなかったなと。素直に一本道で良いのでは。
シナリオは町で起きた大地震を機に異能を持った人間が現れ始めた現代が舞台。
そんな中、異能で他者を殺める者も出てきます。異能の流出元である異世界からきたというソフィーティアからの能力者たちから異能を回収してこの騒ぎを沈めて欲しいという頼みによってヒロインらが調査を始める……。
という感じなんですけど先程も有料体験版と書いた通り、今回の都編ではな~~~~~~~~~んにも解決しません。
一応今回のメインとなるのは主人公らが住む街で人を石化させて殺し回っている「魔眼」の能力者の捜索及び捕獲なんですけど、もうざっくり本作の内容を言ってしまうと都との仲を深めながら捜索し、手がかりを掴んだは良いものの、「魔眼」側にその動きを察知されて対峙することもなく逃げられる……to be continued...…
???
ここで序文にも書いたこの作品のコンセプトの一部をもう一度確認しますね。
「一つ一つのストーリーは独立しており、単体でも楽しめる作品です」
??????
流石の私も設定をテキトウにバラ撒いて話としては何も解決せずに次作へ続くとしてぶん投げ、単体でまるで楽しめないこの内容には動揺しました。圧倒的動揺しかない。
いやある程度謎残すのは良いと思いますよ。
例えば今回伏せられたままだった、能力者なのになんの能力も持っていない主人公とかそういうのはね。
それは都編では大して重要ではないし、ここいろシリーズ全体で扱っていくつもりのものでしょうし。
ただ今回「都編」でメインに据えた魔眼との対決、言ってしまうと今回の話はこれがもう全てな訳ですよ。
言うなれば個別ルートのテーマとして出したものをまるで完結させずに次に続きますってそれはどうなのかと。
何を持って「単体でも楽しめる作品です」と言ったのかさっぱり分かりません。
起承転結の承の辺りで終わっているんですよ、本作は。
これでこの作品を高評価する人がいたら私はちょっと驚きますね。
ではシナリオが酷いということで他に好材料になりそうなものと言ったら絵とキャラですかね。
絵は和泉つばす先生ということで綺麗ではあります。CG数はSD抜きで21枚と少な目(死体とか抜くともっと減ります)、エロは3シーンと値段相応な感じ。
なのでまあこの辺りはそこまで悪くはないです。
ただ作品の土台になるシナリオがガタガタのため、絵を活かしているかと言われたらNOですけどね。
キャラに関しても確かにかずきふみ先生だけあって掛け合いとかは結構楽しいですし、ヒロインの都も可愛いんですけど、ハッキリ言ってこれと言った特徴がない娘で、作中で何を成すと言う訳でもないので個人的には魅力はないかなぁと。
澤田なつさんの声と和泉つばす先生の絵で補っている感じです。
澤田なつファンの私でこれだとそうじゃない人だと相当印象薄いのではないかと思います。
あ、OPムービーとOP曲はとても良かったです。ここだけは手放しで褒められる。
感想は以上です。
正直中身がなさ過ぎて語るに値しないという感じですね。何がしたかったのかまるで分かりません。
澤田なつファンの方にもあまり勧めようとは思えませんでした。
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