『七つのふしぎの終わるとき』応援中です!

    このエントリーをはてなブックマークに追加
作品名CARNIVAL
メーカーS.M.L発売日2004年5月14日
原画川原誠シナリオ桑島由一(原案)、瀬戸口廉也、たにみちNON(補助)、寿衣谷(補助)
NANA、YURIAムービー倉嶋 丈康、Iris motion graphics
対応OSWindows98/98SE/Me/2000/XPお気に入り度9/10
ディスクレス不可点数76点
プレイ時間約11時間(管理人基準)



かなり古いエロゲですが感想を書きたいと思います。てか、有名すぎるから何を今更、って感じですけどね。
それはともかく、前から瀬戸口さんの名前は聞いていたんで興味はあったんですが、中々機会に恵まれず、先日、ようやくプレイしたわけですが……。

面白い。純粋に。

原画の川原さんの絵も素晴らしく、独特の文体で書かれるシナリオも高水準。加えて曲とムービーも良いと、かなりハイレベルなエロゲでしたが、いかんせんボリュームが今ひとつ。
話自体ももう少し膨らませそうな感じだったのが非常に惜しいです。悔やみきれない。

しかし、何だろう。ここまで苦しいお話は久しぶりだわ。絶妙な力加減で延々と首を締め付けられているような……そんな感じが。なんなのだ、これは。

とりあえず、詳細な感想へ。




攻略できるヒロインは理紗と泉の二名のみ。一応、ヒロインらしき人物はこの二人に加えて、五人居るのですが、それは完全にサブキャラ。ぶっちゃけ泉もほぼサブキャラだったりします。
攻略は簡単。ルート構成は一章のCARNIVALから始まり、二章のMONTE-CRISTO、三章のTRAUMEREIと続くのですが、選択肢は基本的に一章を除き、バッド直行か正規ルートへの分岐のみなためです。そのバッドの選択肢も明らかにこれ選ぶとアカン、って奴がバッドなので迷いようがないですね。
例外なのは一章で一応、このルートのみ泉寄りの選択肢を選ぶと彼女のルートへ進みます。ちなみにバッドエンドでしか回収できないCG・エロもありますので注意。

更に更に三章クリア後に一章の終盤にイベントとCGの差分が追加されますのでお忘れなきよう。ここで追加されるイベントはかなり重要度が高いので是非、見てほしいです。


システムについて。
スキップ、バックログ、オートモード、右クリックでのウインドウ消去など、基本的な項目が揃っています……が古いエロゲ故か、ホイールでの文章送りがないのが悔やまれますねえ。
まあ、最低限のものは揃っているのでストレスは感じないと思います。

ただ、個人的に痛いのはバックログからのボイス再生がないこと。これは痛い。更にバグなのか、たまに音声が再生されない時があるのもマイナス。(一応、ロードしてやり直せば聴けますが)
しかも、このバグは再現条件が不明の上にパッチを当てても直らないのがキツイところですね。幸いなのは起こる頻度が少ないことか。


次に原画。絵に関してです。
背景はモノによっては若干チャチなものもありますが、及第点。特に言う事はないですね。

CGはと言うと、川原さんの独特の絵柄とちょっときつめの塗りが合うなら、ほぼ最強と言っても良い出来です。
なんというか、川原さんの絵は表情が活き活きとしているんですよねー、見てて飽きないです。あと肉感的な絵と塗りが相まってやたらエロい。エロい。(大事なことだからry)
ただ、駄目な人は駄目だと思うので、事前に絵柄はチェックしておいた方が無難です。デフォルメ色が強い絵も幾つかあるのでそこも注意。


次にメインのシナリオ&キャラクターについて。
世界観は何の変哲も無い現代です。
キャラクターはさっきも言ったとおり、ヒロインらしきものが五名居たり、サブのキャラも居るのですが、それらは全て主人公の学とメインヒロイン理紗の添え物と言っても差し支えないです。(泉は若干優遇されていますが)
CARNIVALはもう完全にこの二人の物語なんですよね。それ以外は本当にその他大勢。ぶっちゃけ百恵と麻里は何故存在しているのかもry(まあ、麻里はかろうじて舞台装置としての役割はありますが……ほぼ無に等しいけど)

そのため、学と理紗の二人を受け入れられるかが、この作品をやる上での重要なポイントになる……のですが、二人ともかなり癖の強い人物のため、好き嫌いがはっきりと分かれるでしょうね。

主人公の学は前述したように相当、癖が強いです。モノローグも独特の語り口で進みますし、特に一章はやや電波的なテイストも入っているので、まず、ここで振るい落とされる人が居るかも。
加えてやや文学かぶれっぽいのでそこら辺も好き嫌いが分かれるでしょうねー。
ただ、一応、いじめられっこの設定ですが、ヘタレではないのでそこはご安心を。どちらかというと、どんなこともさらりと受け流して、ついでに(本人は自覚していないけど)心の中や態度で相手を茶化す飄々としたタイプ。
ただ、脆い部分も多分に含んでいるのが難しいところですね。なんというか、至る所にひびが入っている、不安定な人物なのですよ、彼は。(抽象的な言い方で申し訳ないです)

てか、私の貧困な語彙じゃ、学を言い表すのは無理だ!
ちなみに幼少時代と三章の彼はフルボイスです。ああ、あとは彼のアクシデントへの対処の仕方はかなり突飛なので、そこも好みが分かれそう。

キャラクターのCVはメインの人は良かったと思います……が、サブキャラやモブに棒っぽい人が多かったかなという印象。それ以外は特に不満は無いですね。
ただ、幼少期の学の声はミスキャストかなー。あんな風格のある声で話す小学生は嫌です(笑)


以下は男女別お気に入りキャラ。

男……学、
女……理紗、詠美、泉。

いや、さっき散々、学と理紗以外はモブみたいな言い方しましたが、キャラは可愛いんですよ。特に詠美先輩はもっといじめたかった……! なんか、声と絵のおかげで凄い嗜虐心を煽られるんですよ(笑)ついでにルートがないのも納得できない。
あと、泉も泉で魅力的な子です。彼女のルートは突っ込み所満載の無茶な展開ですが、是非見て欲しいですね。行き当たりばったりも良い所なのに、気づいたら顔が綻んでいるという。ヘイ、キッス! イエーイ! うわーい!(←ここで堕とされた)
あと、学はもちろんですが、二章の主役、武も非常に好感の持てる人物でした。行動はかなり無茶苦茶ですけど、その健気さがもう……それに、学が頭で色々考えて行動する分、純粋に自分の信じる行動をテキバキやっていく彼は見ててちょっとしたカタルシスがありますね。


テキストは個人的に読みやすかったですが、癖の強い(←何回使ってるんだ)一人称で、好き嫌いがはっきりと分かれるでしょうね。心理描写が丁寧なのも特徴か。文章自体もどちらかというと小説寄り。(やや、荒いところはありますが)
似ている作家かライターでも挙げられれば良いんですけど、自分の読んできた中では該当する人が居ないんですよねー。強いて言うなら村上春樹がほんの少しだけ似てるかも。
文章自体は似ても似つかない別物で両者の共通点は一人称使ってることぐらいなんですけど、読んだ時の文章がスッと頭の中に入ってくる感じがなんとなく似てる……ような気がする(笑)
何を言ってるんでしょうね、私は。


そしてシナリオ。
話の概要は以下のような感じ。
嫌なことがあるとその記憶を失くしてしまう癖がある、いじめられっこの学は、いつものように自分をいじめている先輩が待つ屋上に向かうが、そこにはそのいじめに対して抗議している幼馴染、理紗の姿があった。
それに逆上した先輩は理紗に掴み掛かるのだが、そこで学の記憶は途切れてしまう。気づいたときには血の海に横たわる先輩と着衣を乱し、気を失っている理紗が目に映る。
その後、記憶が乱れているため曖昧な供述しか出来なかった学は殺人の容疑者として捕まってしまう。しかし、その護送中、幸か不幸か学を乗せたパトカーが事故にあってしまう。
学はその隙に逃げてしまったが、すぐに捕まってしまうだろうということも分かっていた。ならば、せめて理紗から借りていたハンカチを返そうと決意する。
運良く理紗に接触できたのだが、そこで偶然彼女の身体に酷い痣があるのを見てしまう。理紗がそんな目にあったのは自分がいじめられていたせいだと思った学は自分をいじめていたもう一人の先輩、詠美への復讐を決意する……。

とまあ、こんな感じ。この時点で中々ハードな内容ですが、本編も時にコメディが挟まれるものの、終始暗い展開が続きます。ちなみに一章二章三章でそれぞれ主人公を変えて、同じお話を描くザッピング方式です。最近で似たような形式を取っていたのはすば日々ですかね。

それはともかく、過去の回想と現在が渦巻き、シナリオを進めるごとに謎が明らかになっていく構成にはとても引き込まれ、クリックが止まりません。

なのですが、苦しい。どうしようもなく苦しいお話です。泣くとか熱いとか萌えるじゃなくて、苦しいんですよ。
何が悪いという訳じゃなく、ちょっとしたことの積み重ねが積もりに積もり、それが次第に学と理紗に刃を向けていく、というのが辛いし、悲しいです。劇中で理紗も言っていますが、真に悪い人、というのが居ませんからね。(あ、でも理紗の親父は純粋なクズかも)
現在に至るまでの話が辛い故に、幼少時代の二人が屈託の無い笑顔を向けているシーンの切なさも倍増しているのがなんとも言えません。万華鏡のシーンの学の一点の曇りも無い笑顔と楽しげに万華鏡を除きこんでいる理紗は反則でしょ……なんでこの子たちが幸せになれないんだ。

また、心理描写が丁寧故に、学と理紗に感情移入しすぎて両方の両親が憎くて仕方なかったです。久しぶりにフィクションの人物に本気で死ねって思いましたよ。
あと、ライターの趣味か知りませんが、キリスト教に関する話が妙に詳しくて興味深かったです。趣味といえば文学ネタも多かったですね。宮沢賢治大好きなのでそこら辺はちょっと嬉しかったです。ついでに少し前に金色夜叉を授業で取り上げてくれた教授GJ。

しっかし、三章クリア後の一章の追加イベントは心に来ますね……学の言葉の一つ一つが綺麗で、だからこそ、辛い。
最後は理紗と結ばれて、二人で歩き出した彼らですけど、なんとかして幸せになって欲しいですね……まあ、無理なんでしょうけど。先がある程度読めるEDを呪いたくなってきますよ、本当に。
一応、本編の続きが小説で出てるみたいなのでそちらも読みたいですね……怖いけど。



音楽について。
BGMは若干少なめですが、クオリティ自体は中々高く、ギター主体のロックな物やピアノメインの切ない曲もあります。個人的にはタイトルで流れ、とある人物のテーマソングのようにもなってる人類皆兄弟が特にお気に入り。
ボーカル曲は以下の通り。

OP……カーニバル
ED……記憶
の計二曲。両方ともノリの良い良曲です。特にカーニバルの完成度は素晴らしい。

お気に入りはカーニバル。作詞はシナリオ原案の桑島氏で本編を良く表していて非常にGOOD。また、ノリの良いメロディにNANAさんの綺麗な歌声が重なり、文句の付け所がない良曲となっています。
最後のサビに入る前の変則的なギターパートが癖になりますね。


最後にエロについて。シーン数は以下の通り。
理紗……4
泉……2
詠美……5(本番3)
麻里……1(本番なし)
百恵……1
香織……1
理紗&百恵……1
詠美&麻里……2(本番1)

回数はまあまあ多く、尺もやや短くはありますが、使えないことはないです……が、致命的なのは膣内射精の時に射 精 差 分 が な い こ と。これはアカン。中田氏の魅力は膣からどろりと溢れる精液だろうが! まったく、担当者は何も分かって無い。あ、中田氏を嫌がっている描写を入れたのは良かったです。
あとは主人公がエロに対してかなり淡白なのもマイナスか。エロの目的が相手の心痛めつけるためとかの割合が大きいのも原因ですかね。
まあ、絵と声はエロいので使えるといえば使えますが、、過度の期待は禁物。


感想は以上です。
濃厚なエロゲでしたね。プレイ時間はわずか11時間なのにこの密度。最近やった中では一番、物語の中に入り込めた気がします。
とりあえず、少しでも興味がある方は是非に、是非にプレイして欲しいです。今ではDL版が安く提供されてるので手も出しやすいと思いますので、是非に!

    このエントリーをはてなブックマークに追加
作品名この大空に、翼をひろげて
メーカーPULLTOP発売日2012年5月25日
原画八島タカヒロ、基井あゆむ、田口まこと(SD原画)シナリオ紺野アスタ、七鳥未奏、奥田港
霜月はるか、茶太ムービーはらだ、ハッピーヒップバルーン、どせい
対応OSWindows XP/Vista/7お気に入り度7/10
ディスクレス点数81点
プレイ時間約22時間(管理人基準)



――好きだから、飛ぶんだ。



五月の注目株、「この大空に、翼をひろげて」の感想ですよ。
 
グライダーという珍しい題材が目を引いた本作。体験版の出来の良さも相まって、本作でのPULLTOP初体験を楽しみにしていたわけですけど……いやあ、面白いっすね。なんというか、色々眩しい内容でしたけど。

ライターさんも原画さんも初めて遭遇する面子だったので、新鮮な気持ちで楽しむこと出来ました。てか、全体的にクオリティが高くまとまってるんですよね。萌えゲーの理想的なお手本となるような作品です。

しかし、しかしですよ、爽やか過ぎる! どうやったらこんな美少女に囲まれた輝かしい青春を過ごせるんですかねぇ……

まあ、それは置いといて、詳しい感想へ。(一部ネタバレ部分は反転で読めるようにしています)




攻略できるヒロインは小鳥、天音、あげは、双子の五名。ちなみに双子は亜紗ルートと双子ルートに分かれています。
攻略はというと、狙ったヒロインよりの選択肢を選んでいけばルートに入れるので簡単。但し、グランドルートの位置づけになる天音ルートは天音以外のキャラを攻略しないと行けないので注意です。
また、双子ルートも亜紗ルートをクリアするまでは選択肢がロックされているのでこちらも注意。

さて、ここまで読むと「おいおい、俺の依瑠ちゃんのルートは無いのかよ、ファック!」 と叫びたくなるでしょうが安心してください。双子ルートが実質の依瑠ルートです。もちろん、えちぃシーンもほぼ、依瑠単独です。やったねたえちゃん! 
まあ、個人的な希望を言うなら純粋に依瑠単独のルートも欲しかったですが、そこは彼女の性格から考えると無理というもの。ここらで我慢しといてやりましょう(無駄な上から目線)


システムについて。
スキップ、バックログ、ホイールでの文章送り、個別のボイス設定、右クリックでのウインドウ消去など、基本的な項目に加え、バックログからのシーンジャンプ、マウスジェスチャーも搭載されていて高水準。ユースティアで実感しましたけど、マウスジェスチャーってかゆい所に手が届いて便利なんですよねー。
(ちなみに上記は公式サイトにある、機能強化パッチで追加されるものも含んでいます。プレイされる時は是非、当ててください)

ただ、一つ難癖を付けるなら、「前の選択肢に戻る」の機能があるのに「次の選択肢まで飛ぶ機能」がなかったのがちょい残念。割と序盤に最初のフラグ立てが出てくるので、二週目以降スキップするのが面倒なんですよ。


次に原画。絵に関してです。
美麗です。特に背景。流石にグライダーを題材にしているだけあって相当気合が入ってます。メインとなる空の背景は見ていると気分が晴れ晴れとします。たぶん、今年出たエロゲの中では屈指の出来なんじゃないでしょうか。

CGはと言うと、背景に負けず劣らずの綺麗さです。ただ、天音先輩のCGでやや崩れているような感じのものが、ありましたが、そこ以外は完璧だと思います。まあ、塗りに若干の癖がありますが、そこは好みの問題。個人的には好きです。
あとはSD絵も結構あるんですが、かなり可愛い! 個人的にSD絵はこもわたさんの絵が最強と思っていたのですが、それを超えました。癒されるで。

あとあと、絵と言うよりは演出なんですけど、各ルートのここぞという場面でちょっとしたムービーが流れます。これが中々良い出来で場面を盛り上げてくれますよ!


次にメインのシナリオ&キャラクターについて。
世界観は近未来の学園都市を舞台とした学園モノ。近未来、とは言ってもほぼ現代なのですが、学園の風景や小鳥の車椅子からはそのテイストがちらほら見受けられますね。
キャラクターはどれも丁寧に作ってあって好印象。ヒロインはもちろんのことサブキャラも各ルートに絡んできますので、そこも大きなプラス。

主人公の碧はエロゲではやや珍しい、体育会系寄りの性格。過去に挫折を経験しながらも、立ち直っていて尚且つ、さっぱりとした好青年なので大体の方に受け入れられるんじゃないでしょうか。見せ場もそれなりにありますしね。
あと個人的に作る料理が男らしく豪快(雑とも言う)なのが気に入りました。エロゲだと、こういうのって凄い珍しいんですよねー。
ただ、ボイスなしなのが残念。あったらもっと盛り上がっただろうに。


キャラクターのCVはどれも良かったと思います。メインからサブキャラに至るまでばっちりのキャスティング。特にメインの星咲さんが小鳥のキャラに嵌っていて良かったです。

以下は男女別お気に入りキャラ。

男……あんちゃん、碧、マー坊、双子の祖父。
女……小鳥、佳奈子、イスカ、朱莉、あげは、依瑠、亜紗、ほたる、天音。
そして偉大なる大先輩、ハット。

いやあ、今回はヒロインはもちろんなんですけど、サブキャラが魅力的すぎる! 可愛いのなんのって。ただ、佳奈子先輩のルート探してるんですけど、見つからないんですよね……バグでしょうか、うんバグですね!(自己完結)
しかし、あんちゃんは役割的にはただの便利屋なんですけど、それを感じさせない男前ぶり。是非、あんちゃんを主人公にしたイスカルートを……てかイスカ滅茶苦茶好みなんですよっ! ビジュアルがドンピシャですしね。出来れば髪はミディショのままで居て欲しかったけど。

一つ、残念なのはソアリング部の男子が碧だけなことか。この手の題材ならせめて、あと一人部に男が居た方が良かったと思うんですよね。


テキストは読みやすいですね。ただ、一人称で進む平均的なエロゲの文章。特に言うことはないです……が、複数ライター故に各ルートシナリオはもちろん、テキストも結構、違います。特に双子ルート担当の七烏未さんのテキストは詩的な表現が多用されるので、好みが分かれるかもしれません。
個人的には七烏未さんのテキストが一番気に入りました。


そして、シナリオについて。
お話の内容としては何年かの月日を経て、故郷に帰ってきた主人公・碧が風車の立ち並ぶ丘で偶然、パンクした車椅子のおかげで困り果てていた少女と出会う。
その時に頭上に広がる青空を飛び去っていったのは、真っ白の翼を携えたグライダー。グライダーに魅入られた碧はそれを操縦していたという人が居る、ソアリング部に入部することを決意するのだが……

とまあ、こんな感じ。端的に言うなた部活モノですね、はい。
展開としてはソアリング部に入部した主人公たちが、数十年に一度現れる、雲の回廊(モーニンググローリー)をグライダーで渡ることが全編に渡っての大目標となります。

目的を果たすために全員が一丸となって部活に取り組んで行くというストーリー展開は王道ですが、それ故に面白くどのルートも飽きずに読み進めることが出来ました。
そして、もうこれでもかってくらいに爽やかなんですよねえ……舞台が夏ってのもありますけど、主人公たちの絡みが眩しすぎる……! 何気ない学生生活とちょっと特殊なソアリング部の活動を上手く絡めていて、面白い! 萌えとコメディ、そして少しの燃えが良い感じに備わっています。個人的には理想的な萌えゲーという感じですね。
俺もこんな青春送りてぇ……と思わず呟いてしまいそうになるぐらい輝かしいです。それにメインのフライトシーンは盛り上がりが良く、中々に熱くなれるのも好印象。BGMと演出の良さも効いています。

ただ、複数ライター故かルートの出来に差があったりします。(個人の主観ですが)
公式ではアスタさんがメインの小鳥・天音ルートを、七烏未さんが双子ルート、奥田さんがあげはルートを担当したとのことですが、あげはルートが前者二人の担当ルートに比べるとちょっと見劣りするかな……と。決してつまらないわけじゃなく、面白いですし、全編に渡って共通している爽やかさも健在なのですが……うーんと言わざるを得ないところがチラホラ。
それに全ルートで多かれ少なかれご都合主義があるのも人によってはマイナスかも。まあ、ご都合主義の方はどんな物語にでも多かれ少なかれありますし、気にするほどでもないのですが、そういうのが絶対に許せないって人は駄目かもしれません。


個人的には小鳥ルートと双子ルートがお気に入りだったり。特に小鳥はこのシナリオのお陰で株が急上昇。自転車で二ケツするシーンはべたでしたけど、それ故に破壊力抜群。ここでやられましたよ、色々と。それに最後の松葉杖ついた小鳥は最高に美人でしたねー。
あとは前述したように双子ルートは七烏未さんの詩的な台詞回しが凄い好みでお気に入り。展開的には全ルート中屈指の超展開(具体的に言うなら二股)があるのですが、気づくと何故か爽やかな青春モノになっているという分けの分からなさ、ここは七烏未さん凄いなーと言わざるを得ない。扱われたテーマも一番好きだったりします。
でも、碧の「一人より二人だ」は素晴らしい迷言でしたね。全力でクズと言わざるを得ない(笑)



音楽について。
BGMは曲数は平均的ですが、ハイクオリティ。空に良く合う清涼感のあるBGM、フライトシーンを盛り上げる熱い曲があったりと良い感じ。個人的に民族音楽のテイストを盛り込んだBGMがあるのも高ポイント。
ボーカル曲は以下の通り。

1stOP&ED……Perfect Sky
2ndOP……Precious Wing
の計二曲。最近やったのがどれもボーカル曲多目だったので、若干の物足りなさもありますが、両方とも良い曲です。

お気に入りはPrecious Wing。AメロからBメロ、そしてサビラストのPrecious Wing~♪ ってところが実に良いんですよ。また作中でも盛り上がる所で掛かるので印象に残ります。
、あた、作中のあるキャラクターの事を歌った歌詞になっているので、クリア後に聴くと感慨深いものになりますね。


最後にエロについて。シーン数は以下の通り。
小鳥……4(本番3)
あげは……4
天音……4(本番3)
亜紗……2
依瑠……2
亜紗&依瑠……1

回数は標準的。尺も十分にあるので実用的です。あと絵が意外にエロかったんですよね。そういうシーンでは少し肌をテカらせてくれているからでしょうか。
まあ、何にせよエロで手を抜いていないというのは非常に良い事です。あとあげはエロい。
ちなみに上は予約特典のパッチなしの回数ですが、パッチを当てると更に1シーン増えます。また、パッチは各ルートのちょっとしたアフターにもなっているので必見です。(小鳥はアフターではなく、本編のエピローグで省略された所の補完)

おしっこはあげはと双子に一つずつ。ただSEがないのは頂けない。私はおしっこにはSEが必須であるといつもいつも(ry


感想は以上です。
爽やかだったなあ。読後感も非常にさっぱりしていて、文句なしの良作ですね。
あとはサブキャラルートを搭載したFDがあれば完璧だな!(ハガキにFDへの熱い思いを書き連ねながら)
とりあえず、体験版やって面白い、と思った方は迷わず買って良い出来ですよ! てか、最近の萌えゲーではダントツのクオリティですのでお勧めです。

    このエントリーをはてなブックマークに追加
作品名ものべの
メーカーLose発売日2012年4月27日
原画curaシナリオ進行豹・詠野万知子
佐藤ひろ美、Junko、上条ひずる、神凪琉榎、Pricoムービーろんず
対応OSWindows XP/Vista/7お気に入り度6/10
ディスクレス点数74点
プレイ時間約15時間(管理人基準)



――今日もし見つけられないことでも、ちょっとずつを積み重ねるうちに、見つかる明日は来る。



さて、ぶっちゃけ前作のゴスデリはライターが違うとはいえ、酷い投げっ放しエンドだったので不安だったのですが、見事にそんなものは吹き飛ばしてくれました。
CGとエロシーンの豊富さ、、秀逸な背景、そして意外にもシリアスなシナリオ。

蓋を開けて見れば、ADVとしては四月に発売されたタイトルの中でも随一の出来を誇るんじゃないか、それぐらいのクオリティでした。正直予想外。
ただ、全体のクオリティは高いものの、シナリオはあともう一歩って所でしたかね。悪くはないし、むしろ良かったんだけど、もう一声欲しかった。


そいじゃ、詳細な感想へ。(一部ネタバレ部分は反転で読めるようにしています)



攻略できるヒロインは夏葉、ありす、すみの三人。ぺドロリペドと一部の方には大好評のメンバーです。(ぇ
攻略はあくびが出るほど簡単。というのも、夏葉ルートはいわゆるグランドEDのため、ロックが掛かっており、残り二人を攻略するまではルートに行けないためです。
また、その二人も共通ルートの最後の選択肢だけで分岐するので迷いようがありませんね。攻略もお好きなように進めてOKですが、あえて薦めるならば、すみ→ありす→夏葉の順で行くと良いかも。


システムについて。
ですが、これはちょっと凄いですよ、奥さん。前作ゴスデリは一本道に加え、全画面に文章を表示するノベルタイプだったためか、特に目を引くようなシステムはなかったのですが、今作は一味違う!
スキップ、バックログ、ホイールでの文章送り、個別のボイス設定、右クリックでのウインドウ消去など、基本的な項目はもちろんのこと、目パチ、口パクアニメのON・OFF、場面ジャンプ&チャプターリストなどがあります。

そして、特にありがたい&衝撃的だったのが場面シークバーなるもの。これは通常のADV画面の左下に表示される、自分がそのチャプター内のどの辺りまで読んだのかを確認できる代物です。これのお陰で今日はここまでにしておくか……って感じの区切りが付けやすいですし、自分がどの辺りまで読み進めたのかが視覚化されて分かる、というのも素晴らしいです。次回作にも是非付けて欲しい機能ですね。

あ、あと地味にセーブデータの削除機能があるのも良かったです。セーブデータがごちゃごちゃしてると嫌なので、助かりました。


次に原画。絵に関してです。
たぶん、この作品で最もハイクオリティ所。背景は美麗で、田舎の雰囲気が良く出てて素晴らしいです。こういうところに旅行で行ってみたいと思わせる力作……しかもモデルになった場所もあるそうです。気になる方はグーグル先生に訊いてみましょー。
バイク買ったらツーリングに行こうと硬く誓った私なのでしたまる

んでCGなどですが、今作から塗りのスタッフが一人増えたためか、前作より凄く綺麗になっている感じがしますし、それに伴いcuraさんの負担が減ったためか、前作にあったような、「なんかおかしくね?」 って感じの絵が無くなったのも高ポイント。大体の方は満足できる出来だと思います。
あと立ち絵のポーズは一種類しかないのですが、服装差分が豊富……特にありすと夏葉の服はコロコロ変わるので見てて新鮮でしたね。エロシーンでも下着がちゃんとそれぞれ違うのも素晴らしい。エロシーンでいつも下着が同じのメーカーは見習って欲しいところ。


次にメインのシナリオ&キャラクターについて。
世界観は現代の高知県。その山奥にある寒村が舞台。特殊な点としては人と妖怪がナチュラルに共存しているところですね。
キャラクターはどれもしっかり立っていて良いのですが、掘り下げがやや足りないかな、という印象。まあ、人物というよりはあくまでキャラクターといったところ。特にありすにその傾向が強い気がしました。
ここらへんはヒロインの高感度が最初からMAX超えてるのも原因ですかね。でも、、だからと言ってキャラが可愛くないとか、そういうことはないのでご安心を。
最近やったエロゲのキャラが濃い目のやつばっかりだったのもあるので、私の感覚が麻痺してるからってのもありますしね。

主人公の透はHシーン以外はフルボイス。ビジュアルが若干キモい気もしますが、真面目で心優しい鈍感な好青年、といった所。声もあっていて良かったです。
あと彼はエロゲでは珍しいことに医大生です。正直、私は医療ドラマ程度の知識しかないんで、そこら辺が良く掛けてるかは判断できませんが、ちぁyんとメモやら救急セット持ち歩いたり、サポート付きとはいえ、突然の事故での怪我人の対処をしていたりと、しっかりした主人公だったと思います。
まあ、当然のことのように年の離れた妹に欲情する辺りはエロゲなんで仕方ないですよね(笑)

キャラクターのCVはどれも良かったと思います。特に夏葉は年齢ごとに声をしっかり使い分けていて感心しました。あと通常時の夏葉の声色の使い方がリアル……というか生々しいぐらいでしたね。お陰でエロシーンでは妙な罪悪感が(笑)
ただ、尚武先生が若干微妙だったかな。少し棒っぽい気がしました。声自体は良い感じだったのでそこまで気にはなりませんけど。

以下は男女別お気に入りキャラ。

男……飛車角、尚武、透。
女……ひめみや、滝女郎、ありす、菜穂子、夏葉、すみ。

特に飛車角の男っぷりは必見。製品版で一番株が上がったのは飛車角ですね、間違いなく。ただ、エピローグのあの扱いは笑ってしまったけど(笑)

テキストは読みやすいですね。一人称で進んでいく、平均的なエロゲの文章。あと、複数ライターらしいですけど、そこら辺は特に感じられなかったですね。目を引く点はないですが、文句もないです。

さあ、シナリオについてですが。
共通ルートでは六年ぶりに帰省した、透と夏葉が暖かく迎えられ、ほのぼのと過ごして行く……というものですが、共通ルート終盤で夏葉が突然大人(推定、高校生から大学生ぐらい)に成長してしまい、さあ大変。
夏葉の身を襲ったのは病なのか妖怪の祟りなのか、そして元の姿に戻すことは出来るのか……というお話。基本的に夏葉を襲った病気or祟りに立ち向かっていくストーリー展開。また、前半の空気とは一変してシリアスになります。

妖怪や村独自の民間信仰なんかも絡むので伝奇モノとしての側面も強いです。正直、話にはあまり期待していなかったのですが、どうして中々。文章の読みやすさも相まってどんどん進める気が起きます。

ただ、若干山場の魅せ方が下手というか、イマイチ盛り上がりに欠ける印象がありましたね。文章が淡々としているのもそれに拍車を掛けている気がします。

しかし、じゃあつまらないのかというと、それは違います。山場の魅せ方が微妙なだけで、お話自体は面白いです。民間信仰の部分も実在のモノを参考にしているだけあって、そこそこ描写されますからね。ここら辺は新鮮でした。
あと田舎モノってだけあって雰囲気が良いのもプラスですね。背景の綺麗さも加わって、田舎ええなあ……って純粋に思えました。
あとあと、ゴスデリと違って投げっ放しじゃないのも良かったです。(これは当たり前だけど)
最後にこれは賛否両論だと思うんですが、老化が進みお婆さんになった夏葉の顔を出したのは良い判断だったと思います。シナリオ的にも必要な描写だったと思いますし、何より例の写真が生きますしね。あそこで辺に妥協しないで顔描いたのは本当にGJ。
また、エピローグはベッタベタのド定番でしたが、思わずニヤニヤしてしまいました。この手のしばらく離れた後で、数年後に再会ってパターン好きなんですよねえ。ご馳走様です。

音楽について。
BGMは曲数も多く、クオリティも中々。いかにもな感じの和風テイストの曲が多いです。
ボーカル曲は以下の通り。

OP……夏果
ED……月下の祈り、涼風、千の古、明日今日よりもずっと。
グランドED……君と紡いでく物語。
の計六曲と豊富。ただ、曲のクオリティは夏果以外は微妙な気も……まあ、好みの問題ですが。
お気に入りは夏果、君と紡いでく物語。

夏果はボーカルが佐藤ひろ美さんで流石の安定感。夏らしい、瑞々しい感じのメロディと優しい歌詞、包んでくるような歌声が印象的。あと曲名がクリア後に見ると中々、感慨深いです。
君と紡いでく物語も最後締めくくるにぴったりの曲。初めて聞く歌手の方でしたが、良かったです。

最後にエロについて。シーン数は以下の通り。
夏葉……10(本番5)
ありす……6(本番3)
すみ……5(本番4)
とおこ……2(本番1)
ちま……1
ひめみや……1
滝女郎……1
菜穂子……0.5(本番無し)
夏葉&ありす……2(本番無し)

多いですね(満面の笑みで)しかも、これは予約特典のシーンを除いた数字なので、特典を当てると更に増えますし、これから追加パッチも出るそうなので、最早抜きげー状態。おまけにどのシーンも尺はそれなりにあるので実用的でもあります。
LoseさんマジGJ。エロゲはこうでなくっちゃ。
しかし、夏葉とすみのCGは犯罪臭が半端ないです(笑)

おしっこは四シーン。特に予約特典のありすのジョッキが素晴らしいです。SEちゃんと付いてるのも素晴らしい。是非、次回作にも取り入れましょう(真顔)

……あとアペンドでもFDでも良いからひめみや様と滝女郎のエロ追加して欲しいな(チラッ


感想は以上です。
いや、本当に点数80にするか迷ったんですよね。シナリオが本当にあと一歩。惜しい。昨今のメーカーに比べて、エロにも力を入れてくれているので気持ちの上では良作なんですけどね。
ただ、このメーカーはこれからも成長してくれると勝手に思っているので、その期待も込めて80一歩手前の点数にしました。
とりあえず、田舎モノが好きな方、そしてロリコンの方はまあ、買いましょうよ。(ニッコリ) 予約特典も実質初回特典みたいなものでなんとパッケージに本体とセットで入っているので、まだ買ってない方はソフトを見かけたら急いでレジへ(笑)

あ、あと本気で、お姉さん組みにもエロ追加を期待しています。(土下座)

    このエントリーをはてなブックマークに追加
マテブレですが、一周目クリア直前でついにギブアップしてしまいました(;´Д`)

三章くらいまではそれなりにおもろいやん! と思っていたのですが、進めれば進めるほど苦痛になっていく素敵仕様。シナリオがクソなのはライター的に分かってたことなんですが、それでも改めて酷い、と言わざるを得ないクソさでした。

シリアスが全く書けてないとかは、最初から期待していなかったので良かったのですが、藤原さんの唯一の長所、可愛いキャラの描写が前に比べて全然だったのが敗因ですね。これは本当に痛い。
キャラというよりはただの記号になってしまっているんですよね、特に光。

あとはシステム面でもマイナスが……普通、こういうARPGならレベルが上がるごとに新しい技を覚えていくものなのですが、今作にはそれがありません。 一応、中盤でマテリアルアクトという必殺技を覚えるのですが、それだけです。
あとは体験版で全て出尽くしてます。なんという手抜き……。


エロも本番は一回のみというのも追い風となっていますね。リビドーシステムとは一体何だったのか。正直、褒めれる所は主題歌とBGM、特典ボーコレぐらいなんじゃなかろうか、このゲーム(真顔)

とりあえず、このゲームで分かったことは缶ジュースと頭撫で撫でで美少女が釣れるということか※但し、イケry
でも、一つ言っておくと巷で袋叩きにされるほどではないかな、という印象。体験版のあのノリが延々と続くシナリオなので、ハーレムものが好きな方は行けるんじゃなかろうか。おススメはしないけどね(´・ω・`)

最後に点数を付けるなら58点です。以上! 手抜きレビューでごめんね。

    このエントリーをはてなブックマークに追加
作品名猫撫ディストーションExodus
メーカーWHITESOFT発売日2012年2月24日
原画ミヤスリサ、月音、みやま零お気に入り度7/10
シナリオ藤木隻、元長柾木点数71










さあ、去年発売された無印は、同じ日に発売されたグリザイアと2月のシナリオゲーの双璧を成していたと言っても過言ではない、猫撫ディストーションのFDです。
アホみたいに難解な内容、無駄に多い雑学、某掲示板のベストエロゲソングランキング一位を飾った素晴らしい主題歌、秀逸な出来のOPムービー。そして、藤木・元長の二大ライターによる作品ということで話題になっていましたね。

それでは、感想に行きたいと思います。(一部ネタバレ部分は反転で読めるようにしています)




本作はディスクレスでプレイ可能です。また、ワイド画面にも対応。

プレイ時間は見せ場的な場面、個人的に気に入ってる箇所はボイスを全て聴き、それ以外はテキストを読んだら飛ばす。というプレイスタイルでExodusシナリオが約10時間。各オムニバスシナリオが2時間前後。ただ、式子シナリオが無印に続いてやたら長いです。

攻略は簡単。というのも構成的にほぼ一本道のためです。但し、Exodusシナリオは序盤の選択肢でその後のエピソードが微妙に変わります。ここでしか見れないCGもあるのでお忘れなく。
また、オムニバスシナリオではギズモシナリオが最後の選択肢によって二つのEDへ分岐します。どちらかが真ルート、というわけではないのでお好きな方からどうぞ。どういうEDかは選択肢の内容で大体掴めると思いますよ。特に一番下の選択肢の方は。

推奨攻略順は……一本道なので特にないですね。ただ、オムニバスシナリオの一つ琴子色は琴子が好きな方は最後に回した方が良いかも知れません。深い意味はないですよ?

システムについて。スキップ、バックログ、ホイールでの文章送り、個別のボイス設定など、基本的な項目に加え、マウスボタンの割り当て設定、テキスト履歴保存数の変更、ムービーの音量設定などがあります。
欲しいものは全て揃っていてそれなりに細かい点も弄れるので、何の不満もないですね。ここは無印から安定している良い点です。

次に原画。絵に関してです。背景は並みのエロゲぐらい。特に不満は感じないでしょう。またイベントCGは基本的に綺麗です……が微妙に崩れているCGがあったり、また複数原画故か絵師の方によって結構違いが見られます。まあ、複数のヒロインが一枚のCGに映るということはほぼないので問題はないと思いますが、人によっては気になるかもしれません。
それに前作からの使いまわしのCGがあるのは意見が割れそうですが、個人的には特に問題には思いませんでした。ただ、やはりCGの枚数が少ないですね。これは無印にも言えることですけど。
正直に言うとフルプライスなんだから、もう少し頑張って欲しかったかなあ、といった所。後、主人公がHシーン以外でも目無しって言うのはどうにかならなかったのだろうか。違和感が凄いです。
そして、特筆することにADVパートにおける立ち絵の演出がかなり凝ってます。主人公との距離によってキャラの立ち位置が変わったり、喋っている最中に頷くような仕草や微妙に動いたりと見てて飽きませんね。

次にメインのシナリオ&キャラクターについて。
世界観はまあ、普通の現代が舞台……なんですけど、そのバックグラウンドには特殊な設定が渦巻いております。それが何なのかは普通にネタバレなので言えませんが。
キャラクターはどれも濃い味付け。また、各キャラクターが持っている役割とテーマがかなり明確なのも特徴ですね。それはもう清々しいほどに。
キャラの個性が強く感じるのはそこら辺がはっきりとしているからかも知れません。
そんな中で少しばかりイレギュラーなのが主人公である樹。彼も役割自体は明確ですけど、そのキャラクター性は一際異彩を放っています。
彼は不登校なのですが、某カオヘの主人公のように引き篭もりやコミュ障という訳ではなく、なんというか、世の中に倦んでいる様子です。それに伴い思考も微妙に可笑しかったりするのでそこは好みが分かれる所。
これは私にしては珍しい意見なのですが、彼はボイスなしで良かったと思います。樹が嫌いという訳ではなく、その方が妙にしっくりと来るんですよね。
しかし、結衣姉さんのブレなささは最早、美術品レベル。こんなにイケメンで美人なお姉さんが居たら一生養ってあげてもいいよ……そして、キスシーンの結衣姉さんのCG美しすぎ。
後は柚が今回可愛かったですね。まあ、前回も可愛かったんですけど。
猫撫では人呼んで現実からの刺客、といっても良かった彼女ですが、本作の体操着で鉄棒してるCGや柚シナリオラストの窓開けてるCGとかはもうどこの天使かと。こんなに可愛い天使になら一晩中、「フンッ!」されても良いよ。むしろ、してください。

キャラクターのCVはどれも良かったと思います……が。電卓はちょっとなあ、と言わざるを得ないです。おちゃらけてる時は良いのですが、シリアスモードに入った時のコレジャナイ感は異常。そこが唯一残念でした。
あと、どうでも良いですけど、安玖深……げふんげふん。白波さんは結衣姉さんみたいなちょっと低めの声が似合ってるなあと思ったり。そして、相変わらず式子役の涼森さんの声の使い分けにはびびりますね。さすが、声優って感じです。

以下は男女別個人的一押しキャラ。

男……樹(全ての)
女……結衣、柚、蜜柑。

テキストは読みやすいです。ええ、「読み」やすいんですよ。ただ、その内容はどうかというと難解としか言えないです(笑) 猫撫をプレイすると他のゲームの倍以上は考え込んでいるので妙に疲れるんですよねえ。
後、特筆することに藤木さんと元長さん両者ともにかなり使う言葉には気を遣っている印象を受けました。実際、使っているのでしょうけど。こと、猫撫に関しては言葉というものが非常に重要な位置に来ている作品なので、これ以上ないぐらいにぴたりと当てはまったテキストでした。
まあ、どちらがどのシナリオを担当したか、なんてことはさっぱりでしたが(苦笑)
後、猫撫はテキストウインドウがやや特殊なのも特徴ですね。漫画のフキダシのように喋っているキャラの傍に小さいウインドウが表示されます。

余談ですけど、この感想の一番上に載せたセリフは超お気に入りだったりします。猫撫は無印もExodusも印象に残る言葉が多いのですが、その中でもダントツでした。このセリフだけでご飯三杯はいけますよ(真顔)

さあ、シナリオについてですが。本作は無印からの続きなので大本の話はそちらで(笑) でも、それだけだとさすがにあれなので、形の上だけでの概要を言うと、突然、異世界のようなものに閉じ込められてしまった主人公たちが何とかしてそこから脱出しようと足掻く、という展開(超適当)

さてさて、上のほうで本作は無印の続きと書きましたが、実を言うとそれは少し違いますね。本作のメインExodusシナリオは無印で起きた話の舞台裏、といっても過言ではないですから。言ってしまうならば、もうひとつの猫撫ディストーション。
無印をやった方は是非、プレイして頂きたいです。
オムニバスシナリオは普通のFDらしいお話ですけどね。各ヒロインが好きな方は普通に満足できるかと。
そんで、お話の内容はというと相変わらず、哲学やら思考実験やらが渦巻いてます。ついでにメタ的な要素も無印と同じく豊富。こういう単語を聞くと、最近のエロゲでは「素晴らしき日々」が浮かんできますけど、あれとはまったく違うベクトルです。
すば日々は結構、エンタメとしての要素も強かったのですが、こちらはエンタメ? なにそれ美味しいの? と言わんばかりの暴走っぷり。言ってしまうならば、非常にエキサイティングかつアクロバティックなオナニー。すば日々みたいなエロゲを求めている方は安易に手を出さないほうが良いです。
ただ、今回は前回と違って、お話の向かう先がはっきりしている分、分かりやすくはあります。まあ、あくまで相対的に見て、ですが。

どうでも良いですけど私は無印より断然、Exodusが好きです。
OPが流れる直前のやりとりとその後の展開がもう、俺得の塊。Exodusシナリオはその辺りからずっとニヤニヤしっぱなしでしたね。これが猫撫の本気……!!

そして、オムニバスシナリオはギズモシナリオが印象に残りましたね。(ネタバレのため以下反転)
樹がギズモと一緒に猫になるEDが特に。ああ、樹はそれを選んじゃったのか、という寂しさのような良く分からない感情に包まれました。

音楽について。BGMはクオリティが非常に高く、かつ生音を使っているのですが……大半は前作の使いまわしというね。いくらFDでもフルプライスなんだからもうちょい頑張れと言いたい。でも新規BGM二曲はそれぞれ非常に素晴らしく、尚且つ、熱い曲です。ノベルゲーというよりはRPGとかで流れそうな感じでしたけど。
ボーカル曲はOPのIN MY WORLD、EDのリピカの計二曲。
オススメはIN MY WORLD。前作の主題歌に比べると若干見劣りしますが、非常にロックな感じで良いです。歌詞も前同様、猫撫にぴったりで良い感じ。

最後にエロについて。シーン数は以下の通り。
ギズモ……4回。
琴子……2回。
結衣……3回。
式子……3回。
柚……4回。

はいはい、エロ薄エロう……あれ? 普通に回数がある……? しかも尺も短いわけではない……? おかしい、猫撫と言えばエロ薄だったのにこれは一体?
いやまあ、非常に喜ばしい事なんですけど、無印からの変わりっぷりに困惑せざるを得ないですね。猫撫が普通にエロゲしてるんですもの(失礼) 但し、琴子はフェラのみが1つあるので実質1.5シーンでしょうか。でも婦警さんコスでの本番があって俺得なので1.5でも全然良いや。

ちなみに式子におしっこが1シーンありますよ。

感想は以上です。
面白かった。胸を張ってそう言えます。正直、前作はイマイチ乗り切れなかったのですが、今作は本当に良かった。
Exodusは是非、前作をやった人にプレイして欲しいですね。無印やったのにこれをやらないっていうのは正直、かなり勿体無いと思うので是非に。

このページのトップヘ