さくらの雲*スカアレットの恋


2020年9月にきゃべつそふとから発売された、さくらの雲*スカアレットの恋の感想になります。

男性向けでは皆無、と言う程ではないものの女性向けに比べてそこまでの供給はない大正モノ。
その上で背景グラフィックにとても気合が入っているということでかなり貴重に思えましたね。

おまけにこの舞台設定で魔人加藤までいると(本家と違い、能力バトルが始まったりはしないのでご安心をw)。

結論としては全体的にとっ散らかっていて非常に惜しい作品であると感じましたが、そんなことよりも私が創作物に求めているある一点を美しく描き上げていたので心に深く残る作品となりました。
出逢えて良かったと思います。

以下は詳細な感想(一部ネタバレ部分は反転で読めるようにしています)。


◆ルート構成・シナリオ ・音楽・ムービー

攻略ヒロインは公式サイトにも明記されているように遠子、蓮、メリッサ、所長の四名。

ルート順は今紹介した順番での完全固定制で選択肢もギャグ系のものがいくつかと付けた意味が殆どないものが数個ある程度。
画面構成こそADVタイプですが、ゲーム性ゼロの実質ノベルと言っていい状態ですね。

こういった構成を採る作品は最終ルートを全力で彩るためにそれ以外のルートが露骨なパーツと化すことが多いですが、さくレットもご多分に漏れず良くも悪くも所長(+主人公)ゲーです。


そうしただけあって作品のラストを飾る所長ルートの求心力は中々の物だと思いますが、やはり物語全体の中心になっている所長と主人公である司の二人にどれだけ入れ込むことが出来るかで満足度はかなり変わってくるでしょうね。

なので体験版等を触ってこの二人に魅力を感じることができない場合は厳しい戦いになることが予想されます。
シナリオ一本勝負の構成なのに結構ガバポイントが多いというのもマイナスポイントと言えるでしょうね。

また厳密には違うのですが、公式のストーリー紹介や加藤大尉の抜粋セリフからある程度分かるように、構造としてはループモノのそれを採っています。

バッドエンドを繰り返して謎を解く鍵を集め、平行世界の自分に限られた情報を伝えて根本的な問題の解決に励む、というやつです。

このタイプだと何度も同じ箇所読まないと行けないやつか~と心配されるかもしれませんが、その点に関しては重複箇所はバッサリ省略やカットが入りますので煩わしさは感じられないかと思います。

……問題となるのはそもそも平行世界要素いるかな? という疑問が入ってしまう内容だったことですが。
平行世界の自分に情報を伝える手段が文字数制限有りの電報っていうのはお洒落で良かったんですけどね。


ストーリーは以下のような感じ(公式サイトより)。

「1920年……?」

2020年に生きる青年・風見司は、
桜の木の下から100年前へタイムスリップを遂げてしまった。
――帝都・東京。
そこは新時代への希望に満ち、
文化の華が咲き乱れた、輝かしき浪漫の都。

「初歩だよ、司。最後に残ったものが真実なんだ」

そんな帝都でひとり探偵事務所を営む謎の英国女性・所長。
日々金欠にあえぐ彼女のもとで、司は数々の事件に巻き込まれていき……?

「――さあ、解決編を始めようか」

枝分かれする彼の運命がたどり着くのは、果たして令和か大正か。

100年の時を超え――
今ここに、桜舞うレトロ・ミステリイの幕が開ける!


タイムスリップ先で偶然出会ったお人好しの探偵に拾われ、助手として日々巻き起こる事件の解決に勤しむ主人公。
そんな中、謎の軍服少女から元の時代に戻るには歪みを正すことと告げられる。
歪みとは本来の歴史から逸脱した事象を指し、探偵事務所に舞い込んでくる依頼がそれに繋がっているため事件解決が帰還への近道になる……という寸法。


基本的には一章毎に大なり小なり事件が用意されていて解決まで描かれる一章完結型。

事件内容は失せ物や珍品探しから怪奇現象、怪盗との対決、ミステリの華である殺人事件と様々。これらと日常を織り交ぜながらの進行となります。
また大正モノらしく史実の人物・事件なども組み込まれているのでそこも良かったですね。

シリアスな部分も多いですが、柔らかな部分もまた多いのでこの辺はいい塩梅だったかなと思います。何よりキャラクターが魅力的。

しかし、割としょうもない内容の事件も多いので人によっては退屈に感じるところがあるかなと。
特に前半戦である遠子、蓮ルートのそれは正直あまり面白くなかったです。


ヒロインに関わる話ではあった遠子ですが、付き合うまでとえっちするところまでの持っていき方はまるでノルマをこなすかの如く性急さでただただ雑。

あと怪盗ヘイストの正体ってプレイヤーからはリーメイと導き出せるだけの情報ありましたっけ。
メリッサとしてしか割り出せないような気がしたのでそこがちょっと気になりました。


唯一の一般庶民枠である蓮は庶民であるからこその大正風俗を活かした話を期待しましたが、出されたのは大正時代には絶滅寸前であったニホンオオカミと広島物産陳列館で初めて日本に伝わったバームクーヘン、白瀬隊の南極探検に端を発するモノポールによる永久機関。

いや確かに大正……!? 大正なんですけどなんか思ってたのと違う……!!

おまけに蓮はバームクーヘンで申し訳程度に絡む程度と割と悲惨。
なんなら裏で進行するナリゴンと加藤大尉の関係の設定開示がメインでしたね。恋文や告白のシーンは素朴で良かったんですけど。


メリッサ編では歪みの修正を至上命題とする形而上学的存在の軍服少女アララギの介入により今までと趣向が一変、列車の行き先を当てたら多額の賞金が貰えるミステリートレインイベントが発生。

ここでまあ一応あらすじでミステリイと銘打っている本作で初の殺人事件、おまけに舞台が列車という華のある展開になります……が、この列車に人を留まらせる理由が苦しすぎる。

流石にイベント主催者が殺された列車をまだ協賛者が居るからの一点張りで止めないのはイカれているとしか言い様がありませんでした。そりゃ中森のおじさまだってヒスる。


カヤノの日記の開示速度の遅さや吊り橋効果が極まったメリッサとの結ばれ方の雑さも気になりましたが、真犯人も個人的には納得しがたいところがありましたね。
確かにメリッサルート以前での布石もあり、意外性もあるし、犯行に及ぶまでのロジックも組み立てられている。
つまらなくはなかったし、ライターに力があることもここまでで十分分かっています。

ですが、柳楽刑事ですよ。彼の人となりを今まで見てきた身としては例え防衛目的で誤ってナリゴンを射殺してしまったとしてもその後も殺人に手を染めるような人かなという疑問がずっと付いて回っていました。

私は冬茜トム先生の作品をやるのは本作が初めてなのですが、ここまでだとキャラクターをストーリーに隷属させるタイプの方なんだなぁと思ってしまいました。
キャラ立ちが悪いという意味は含まれていませんよ、本作のキャラはメインはもちろんサブも魅力的だったので。念の為。

勿論、この手法も好みの問題であって悪いという話もしていません。
ただ私はストーリーがキャラクターを作るのではなく、キャラクターがストーリーを作るというのを至上とするのでこれは好きではないです。

不満ばかり書いているように見えるかもしれませんが、やはりメリッサ編ラストはゾクゾクしましたね。
あそこでインスト版のOPを流すセンスも○。最終ルートへの引きとしては上々でしょう。
ただ、平行世界要素はいよいよ要るのだろうかという疑問も爆発。電報どこ……ここ?


そして外伝を挟んでの待ちに待った所長編。これはやっぱりカタルシスがあって素直に良かったと思います。

どうあっても関東大震災を引き起こし、修復不能の歪みを生む加藤大尉の野望を平行世界の電報を頼りに少しずつ挫いていく話であると今まで思ってきたわけですが、司の目的が早い段階から未来への帰還ではなく大正残留になっていた衝撃。

今までのルートで恋人のために未来に帰るの諦めるわというご都合主義に感じたそれは恋愛など関係なく、司の望みそのものであったと。
破壊を持って日本をより良い姿に変えていこうとする魔人に対し、本来起こるはずの事件を未然に防いでより良い日本に変えようとする司。ふたりは手法は違えど目的が同じだったわけですね。

そして司が歪みを正すことを放棄するに至った理由もまた完全に思考の外のものだったのでやられましたね、完全に。

司は2020年からタイムスリップしてきたと本編、ストーリー紹介、果てはOPムービーでも示されているわけですが、史実も絡めたシナリオにより普通に令和2年のそれであると思い込んでいたら実際は全く別の歴史を辿った2020年。第三次世界大戦が起こった桜雲2年からのタイムスリップをした軍人だったという。

昭和の次に知らない元号が出てきた時の私の顔は実に間抜けだったことでしょう。
左腕が義手であることまでは察せたんですけど、これは全く気付けませんでしたね。

私はプレイヤーに必要な情報を渡さないで実はこうでしたという真実だけ渡して伏線ゲーでございみたいな顔する作品が死ぬほど嫌いなんですけど、この部分に関しては上手い下手はともかく、ちゃんとタネ明かしに入るまでに散りばめていましたからフェアでしたね。お見事でした。

スカイタワーとか四大悲劇が違うとかは情報とするにはノイズが多くて良いのかちょっとモヤるところでは有りましたが、それ以外ので十分ですからね。

ここで内に抱えたものを剥き出しにして吠える司を所長が愛情と真心を持って受け止め、改心させる様子は本作の名シーンのひとつでしょう。本当に良かったです。
この辺りは所長がちゃんと年上として年下を受け止めてくれいるので
そういうのが好きな方は堪らないんじゃないですかね。

個人的には共通ルートの司が手柄を求めるあまり双竜館に突撃してリーメイに嵌められたところを所長に救われて叱られるシーンなんかもすごく好きなんですよね。
美女に本気で心配されたいだけの人生でした。

ただここまで来るとやっぱり司にはボイスがあった方が盛り上がるよなぁという気持ちも出てきちゃいましたね。

そして色々あって加藤大尉との最終決戦な訳ですが、司の秘密が本作の核であり、最大の山場なのでここはもう消化試合感ありましたね。

というのも加藤大尉がなぜ歴史改変を行うに至ったのかというバックグラウンドがほぼ語られないので薄いんですよね。
基本的に本ルートは綺麗にまとまっているのでそういうのを入れるのは蛇足と判断したのかもしれませんが、司たちが加藤を言い負かす理由も結局は加藤と同じことしてるだけじゃんというのが根底にあるので
イマイチでした。

これはさくレットに限らず、タイムトラベルを扱った作品全部で気になるところなんですけど、主人公たちが如何に善良に振る舞おうが個人個人の思いで歴史に手を出した時点で必ず被害を受ける人物はいるんですよ。酷ければ存在の消滅まで持っていかれてしまう人もいるでしょう。

そこは見ずに相手の歴史改変のやり方だけ批難するのは汚いだろと。
事実アララギの歪み判定はガバガバも良いところで作者のさじ加減次第としか
言い様がありません。

そもこの世界の正史は第三次大戦が起こる桜雲ルートであるのだから令和ルートに変わってしまうような因子を残すこと自体がもう修復不能な歪みだろうと。
司の子を身ごもった所長もそうですし、加藤が消えたのに過去人の雪葉が生存したままなのもそうでしょう。他にも色々あります。



しかし、これらのことは私にとっては些細なことで、大事なのはそこじゃあないと。
タイムトラベルを扱った物語である、ひと目見て惹かれたヒロインが所長だったという時点で私が期待する点はただひとつでした。

別離をどう描くか、これですね。
この題材を扱うなら力の入れ具合は委ねられるものの避けては通れない道です。ここを避けて通ってしまうようなものは論外です。

結局のところ私が創作物で一番得たいものは切なさなので。それをどれだけ感じられるかが重要でした。


まず司の真の目的が未来への帰還ではなく、大正残留と設定したことにより、核心に辿り着いた所長ルートで満を持して別離を描けたのでラストシーンの破壊力を上げるのに一役買っていますね。
これはお見事と言わざるを得ないです。

してとうとうやってきた一連のシーンは本当にぶっ刺さりましたねぇ。
遠子とのやり取りがもう声優の泣き声に釣られそうになって既に危うかったですが、事務所でいつものように出迎えてくれる所長の暖かさともう二度とこの光景に包まれることはないのだという寂寥感の対比が凄まじく、気が付いたら涙が流れていました。

なんなんでしょうねこれ。終わりとなる日が前もって分かっていて、いざその日を迎えたときって表面上はうんざりするくらいのいつもの日常なのに、どこか地に足が着いていない感覚があって、私はあれに直面する度にたまらなく寂しくて辛かったんですけど、まさにこのシーンはそういう空気に満ち満ちていてもうダメでしたね。

初回で大の男があれだけみっともなく泣いたのなら二回目からはもう耐えられるだろうと再生しながらこの駄文を書いているんですけど、ダメです。涙が止められません。勝手に溢れてきます。

そこから初めて二人が出会った櫻の木の下に場所を移し、残りわずかの時間の中、思い出を振り返りながら最後の瞬間を迎えると。

もうこの時のやりとりの全てが良くて。

最後の最後で自分のことを愛しているか? と今までのことを思えば間の抜けた問いを司は投げかける訳ですが、その余裕のなさとそれに対する所長の「初歩だよ、司」のいつもの決め台詞を置いてからの愛しているの返しが愛おしすぎて感情をぐちゃぐちゃにされましたね。
貴女はいつだって格好が良すぎる。


詳しくは後述するとして、さくレットはCGの出来が酷いのですがここで出してきたそれは流石に文句の付けようのない出来でしたし、言うことがありません。
所長だけでなく司のこともガッツリ描いてくれていて安心しました。
今の私のPCの壁紙がこれですが、お陰様で立ち上げる度に死にかけています。


後に令和に変わった未来でマリィから届けられる手紙の日付が司の誕生日ってのもまた憎い。

桜雲を凌いで緋く燃え上がった恋心は新たな百年を繋いだわけですもんね。
エンドロールの演出も王道ですが粋で良かったです。所長のセリフが反則なんですよ。最後の最後まで涙を搾り取られましたね。

所長たちから色々なものを遺されたので司はマリィと一緒にきっと立派にこれからの未来を作ってくれるでしょう。

……悪い、やっぱつれぇわ。
いや、この結末以外はあり得ないし、認める気がない。なんなら別離エンドじゃなかったら私はさくレットを評価してないんですけどそれとは別にとても辛い。
これを乗り越えるにはもう少しで良いから所長と司の幸せな思い出が欲しい。

クリエイターとしては既に世に出した作品をこねくり回すよりも常に新作に向かうのが健全な上に何やっても蛇足ですけど、FDかアペンド無理ですかね。
私は所長との時間が僅かで良いから追加で欲しいよ……カネならいくらでも出すぞぉ!(ナリゴン)。


少し注文を付けるとするならエンドロールのアレはCG使い回しではなく、千桃みたいにラフで良いのでそれぞれのその後の人生の一コマを切り取ったイラストが良かったなぁと。
あと柳楽刑事のやつはそれ使うん!? という感じで流していた涙が引っ込みそうになりました。素直に可哀想。



注文ついでにもう一つ言うと本作はボーカル曲が桜爛ロマンシア、雨露とビードロ、比翼のさくらの三曲があってそのどれもが詞、曲ともに良かったんですけど、肝心のボーカルが微妙でもうちょっと頑張れと思ってしまいましたね。

特に雨露とビードロはライターの冬茜トム先生直々の作詞で直球お涙頂戴曲だったのでなおのことボーカルの残念さが……。

BGMについては良曲揃いでサントラもソフトと一緒に買っておいてよかったと思える出来でした。

Sacralet、Nostalgia、Scarlet Frontline、ゑだわたり、Modern Romanesque、かく咲きたらばいと恋ひめやも辺りがお気に入り。
特にSacraletは万感の一言です。サントラ収録版はもうちょいループさせることを考えた切り方が良かったですが。

また本作はBGMの使い方が良かったんですよねぇ。
ただ流すだけではなく無音のはさみ方なんかも巧かったですし、テスティングを頑張ったんじゃないかと思われます。

プリビジュ製のムービーも良かったです。ハナヒメアブソリュートとかもそうですけど、ここは偶にURA意識したような作りにしてきますね。ハナヒメのは上辺だけで全然ダメでしたが。

00:47からの「百年の恋よ、萌え咲かれ」と主題歌クレジットの出し方が特に好きです。
ただ欲を言うなら素材の関係上なんでしょうけど、あまりストーリー性を感じられないムービーだったのでそこが惜しかったですかね。

もうここまでで力尽きたのでムービーに関してはまたどこかで別に書くかもしれません。


◆グラフィック

残念ながら本作で一番悪かったと言わざるを得ないところです。

背景グラフィックに関しては序文で述べた通り、気合が入っている上に昼・夕・夜の差分まで用意されていて文句なしの出来。
百貨店やカフェーの内装などもきちんと用意されていて大正の雰囲気がよく出ていると思います。

レトロな町並みと夕焼けと桜の組み合わせが強すぎる。

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背景担当の方は本当にいい仕事をしてくれました。

問題となるのは一枚絵、所謂CGですね。
梱枝りこ先生とよねぞう先生の絵は可愛らしく、立ち絵の出来なんかは素晴らしいのですが残念ながらCGは酷いの一言。

画力がどうとかの小難しい話ではなく、ヒロインのCGは構図がどれもこれも斜めに傾けたキャラのドアップで折角の背景も全く活かせてないわ全部同じ絵に見えるわでCGの本来の役目である、ここぞというシーンを視覚的に補強して印象に残すというのがまるで出来てないわけです。

早い話が一枚絵になってないんですよね。どういうシーンなのかが絵からまるで伝わってこない。
立ち絵貼っ付けてるのとなんら変わらないですもの。

良いCGを見ると本当に目を奪われるというかグッと惹きつけられるんですけど、本作にはそういうものが殆どなかったんです。

これに関しては別ゲーの名前を出してしまい申し訳ないですけど、私がグラフィック部門では最低最悪とする紙の上の魔法使いを思い起こさせる出来で残念極まりなかったです。

かの作品と違って全部が全部、と言う訳ではないのですが、多かったですからね。特に遠子のそれはもう悲惨です。

枚数も小道具的なものを除くと80枚とフルプライスとしてはギリギリなところだったのでそこもまた残念。
誰が構図指定しているのか知りませんが、本作のクオリティを一段下げることになった要因と言って良いかと。


◆えっちなしーん

シーン数は以下の通り。

所長……5(うち一つは夢オチで前戯のみ)
遠子、メリッサ……それぞれ4
蓮……3

失礼ながら予想よりもずっと力が入っていて普通に“使える”モノになっていてびっくりしました。
おまけに各々の特徴も出ていて男女の絡みとしてもGOOD。えっちは大事。ここを大事にしない方は信用できません。

どちらかというと結構司が受け気味になるシーンが多いのでその辺はライターの性癖なんですかね。
特化というほどではないですが、M系作品やってる時のそれに近い感触がありました。

また場合によっては主導権を取っては取り返されたりと男女の攻防にもなっていて良かったです。

そして所長のシーンはもうこのライターがセックスもしっかり恋愛の一部として描ける方であるというのを表したテキストを綴っているのでくるものがありました。

私は基本的にどのエロゲでもそうではありますが、ことさくレットに関してはエロシーンいらないとか少なくしろとか宣う輩が居たら怒りますよ本当に。まず飛ばさずに見ろと。
見た上でまだ言うなら仕方がない。今ここで殺し合おうじゃないか(蛮族)。


……しかし、しかしですよ、皆々様。私、そんな良いえっちしーん面でひとつだけ許せないことがございます。

所長にフェラがない。

もう一度いいですか。

所長に、フェラがない。

……

お前……お前、マジか。嘘だと言ってください冬茜トム先生。
君は、君はこれをやり残したまま未来に帰れるのか? クンニばっかしてねぇで答えろ風見司ァ!!!!!!!!!!

失礼、受け入れられない事実に直面したあまり動揺してしまいました。いやもう本当に動揺しかない。関東大震災です。
あまりに動揺しすぎてTwitterで「#ちんぽを見せろ風見司」のハッシュタグを付けて呟くところでした。マジかよ。

ちなみに本作で一番えっちなのは所長との初えっち時のキスシーンだと思います。


感想は以上です。

色々とツッコミどころや弱い部分があるので手放しに褒めることはできない本作。
特に整合性を気にされる方にはかなり厳しい評価を受けそうですが、私はとても好きです。

さくレットで冬茜先生に興味が湧いたのでいずれ彩の頃辺りやりたいですね。というかポチりました。