ゆびさきコネクション


2021年4月にHOOKSOFTから発売された、ゆびさきコネクションの感想になります。

姉妹ブランドのSMEEからでたMaking*Loversこそありましたが、本家の方では初の社会人モノ、ということで良いんですかね(ヒロインの半分は非社会人ですが)。
陰毛の実装などもあり、今までとは少し異なるアプローチから出された作品でした。

結論から言うとイチャラブゲーとしては中々高いレベルだったのではないかなと。少なくともこの手のゲームで投げずに全ヒロインやれたのは私個人としては久しぶりでした。

ひたすらにヒロインとの甘々な絡みが見たいという御仁は満足できるのではないかと思います。
反面、コンセプトとして挙げているメッセージアプリ(まんまLINEなので以降はLINEと表記します)での繋がりがシステムとして大して機能していない問題なども抱えているので良作には一歩届かずと言ったところ。

とはいうものの個人的にはパッと見で好みのヒロインが二名以上いれば突撃して良い出来の一本かと思います。
伊織さんは神
 

以下は詳細な感想
(一部ネタバレ部分は反転で読めるようにしています)。

◆ルート構成・シナリオ 

攻略ヒロインはパッケージ絵に写っている伊織、美琴、夏歩、悠月の四名。
ちなみにサブヒロイン、というか賑やかし枠のサブで可愛い女キャラが三名いますが、残念ながら攻略対象外。

基本的に↓のようなマップ選択とLINEでのやり取りの積み重ねで好感度を上げて告白まで持っていくという流れ。

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ただ、好感度上げと言ってもお目当てのヒロインの所に通い詰め、LINEでは無難な選択肢を選び続けるだけなので昨今主流のゲーム性ゼロの読み重視タイプと思って頂いて大丈夫です。


ストーリーは以下のような感じ(公式サイトより)。

高校生になれば彼女は自然とできると思っていた。
それがダメでも……。

大学生になれば彼女が出来て、楽しい学生ライフの本番が始まると、そう信じていた。
それも違った……。

社会人になれば大人な恋愛がきっとあるだろうと期待を秘めていた。
そのはずだったのだが……。

社会人になってようやく腰を落ち着かせ始めた頃、
無論、そんななんとなくの幻想が実る訳もなく、
枯れた生活を嘆いていた主人公は久しぶりに会った後輩の夏歩に叱咤される。

「先輩、素材はいいんだから行動すれば彼女できると思うけど」

それが出来れば苦労はしない……。

そう思っていた主人公だったが、
夏歩に導かれるように自分から少し動いてみたら
美人のお姉さんに褒められたり、新しい出会いがあったり、
今までとは違う風が吹き始めるのだった――。

社会人として何不自由なく過ごす主人公。しかし、彼女いない歴=年齢を地で行っており、それを既婚者の上司や後輩のJKである夏歩から窘められるというところからスタート。
あかべぇそふとの働く大人の恋愛事情でも似たような境遇の主人公が上司からのモテるためには努力しろとお説教を受けて発奮するというモノでしたが、まんま同じですね。バー通いになるところも同じ。

この辺はあちらと同じで嫌味っぽくはないですし、上司も夏歩も善意での発言ではありますが、ちょっと価値観の押しつけっぽいところがあるので苦手な人は注意。
美琴ルートで結婚しないと幸せになれない、という考えは固定観念が過ぎるとして出したにも関わらず、このスタートなのでちょっとモヤりポイントかもですね。
まあ本当に最序盤でこうしないと話も進まないし、というところですので嫌な方もここは耐えましょう。


そんなモテるための意識改革を施されてからはヒロインへのお近づきの時間。

最近のHOOKはSMEE寄りになっているということもあり主人公・ヒロインともにノリは良く、諸々の掛け合いは軽妙と言っていいかと。
もちろんSMEEほど主人公が大暴れするコメディではありませんし、かと言って退屈度が高めの昔のHOOKとも違うので丁度両者の中間といったところ。
また、ライターは二名ですが各ヒロインのシナリオの出来にそこまで大きな差はないと感じましたので、誰を選んでも非常に安定したイチャラブライフを送れると思います(ちょっとすり合わせが足りていないのか矛盾する事柄が共通部分で出てきますが)。

しかし、軽妙とは言ってもヒロイン同士の絡みは皆無。各ヒロインに配置された賑やかし程度のサブキャラと主人公の上司を除くと基本的にずっと主人公とヒロインのみで話を回すことになるので、ヒロイン自体に魅力を感じなければそのルートはかなり退屈になってしまうでしょうね。
この辺はもうそれぞれのキャラの活動場所がバラバラなのでしょうがないんですけどね~。ただ逆にヒロインを選んだら他の余計なやつとの絡みなんざ時間のムダで見たくねぇ! という方にはもってこいの作りなので良し悪しですかね。

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個人的には今の状態でも不満はないのですが、↑のサブキャラたちは可愛かったのでもうちょっと絡みが欲しかったかも。何なら攻略させてくれても良いのよ? 特に梓さんと刹那ちゃん。


一応本作は性質上ネタバレなんてないものだとは思いますが、以下は伏せ字でヒロイン雑感。


◆伊織

いや~もう完全にやられましたね。第一印象はOLで基本立ち絵がスーツで髪型もショートと私の好みを凝縮したような美琴が一番だったのですが、プレイしたら見事に伊織さんの虜になりました。

唯一の年上お姉さん枠であり、同じ社会人ヒロインで結構隙はある美琴とは違い、常にビシッとした余裕のある大人の女性。

それは終盤になっても変わらず、持ち前の茶目っ気もあり、対等ではあるものの常に彼女の掌の上で転がされているようなところがありますが、その“上の存在”という感覚があるがために主人公は付き合う前から少しでも近くに行けるように頑張るわけで、その頑張りが伊織さんにしっかりと届いて影響を与えている、というのが分かる作りになっているため非常にニヤニヤできるルートになっておりました。

いやもう本当に頑張る男とそれに応えるお姉さんの組み合わせが大好物なのでこのルートは一生ニヤついていましたね、ええ。幸せはここにあった。

ある日を境にいきなり大きくデレるというのもそれはそれで落差があって魅力だとは思いますが、こちらのように少しずつ心を通わせていく感じがツボ。
同棲前の物件選びエピソードなんかは特に至福でしたね。唯一生活時間帯が大きく違うヒロインということもあってその辺の支え合いも描かれるのがGOOD。

CV葵時緒さんの落ち着いた低音ボイスも最強。本作ナンバーワンヒロインです。


◆美琴

こちらも社会人ヒロインで基本的にはビシッとしたキャリアウーマンですが、お隣さんということもあり、オフでの交流からそれが美琴が頑張って作り上げた理想像であるという点に触れていく内容。
オンオフの差が激しい二面性あるヒロイン。

基本的に一人で生きていける一人前の女性であるため、恋愛や結婚についてはドライ。そんな彼女が数多のお隣さんイベントを経て、友人、恋人、そして……とステップアップしていくのが見所。
特に友人から恋人へ変わる瞬間の淡白さというか必然的にくっつく感じが非常に良かったですね。ピュアコネクトの空ルートみたいな空気感が好物な方に特に刺さるのではないでしょうか。
ちょっと接点ゼロのお隣さんから繋がりを作るところに強引さを感じましたが、それはご愛嬌。

結婚について一番触れるルートなので、ゼクシィネタなんかもありますが、かの雑誌のいつぞやの秀逸なキャッチコピーである、「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」を体現したルートであると思います。
あと基本的には本作は簡素ながら相手の両親に挨拶に行くところが描かれるのですが、特に結婚を大きく扱ったこのルートでそれが描かれるのは大きな意味を持つと思います。良かったです。



◆夏歩

元後輩(年齢差的にありえない気がするが)のギャルJKであり、主人公のモテ男への道を切り拓いた張本人。後輩であるため、唯一最初から連絡先も所持している一番身近な女性。

普段は供給過多なJKでありますが、社会人モノである本作では逆に貴重な存在に。主人公をカッコいい男にするために染めていったら益々自分好みになってしまいハマるというお約束な内容。

上から目線で小生意気にからかって外の世界に押し出そうとしていた後輩が、逆に引き込みに来るのが見所か。一番年齢が低いということも有り、感情表現もストレート。ボイスもいい意味でゲロ甘です。

ただ、恋人と同じ職場に就職するというのは茨の道だぞ~と思いましたまる。



◆悠月

JDカフェ店員。夏歩とはまた違った感じでグイグイ来る子で気付いたら主人公といい感じになっていました。

夏歩は構って構ってとしっぽを振りまくるタイプでしたが、こっちは幼いながらも良妻賢母な要素も持っているので、年下とどこか甘く見ていたらいつの間にかなくてはならないぐらいに骨抜きにされているという中々沼な女子です。
ただ、母子家庭というのも相まって悠月側もガンガン甘えてくるので共依存状態に。特に主人公が年上として受け止めると宣言してからの甘えっぷりはブレーキがぶっ壊れた感じになるので、その辺りが好きな御仁はドハマリするかと。

こちらも他三人に負けず劣らずのイチャイチャぶりでしたが、個人的にはラストの母親とマスターを無理にくっつけてしまった内容はあんまりでしたね。
本人たちの意思を無視して周りが勝手に盛り上がってる感があったのでどうにも……。


◆問題点

ひとつに序文でも述べた通りLINEでの繋がり、というコンセプトが大して機能してない問題が挙げられます。
これは別作品のようにLINEでのやり取りをただ流すというだけではなく、話題を選択肢として提示し、ヒロインに投げる内容を選ぶことが出来るというシステムなのですが、正解が常に最上段に配置される無難なもの一択であり(そもそもこのコンセプトなら正解、なんて概念がある時点で残念ですが)、他がハズレ扱いという点。

ハズレは割と舐め腐った内容のものが大半で、それを選ぶと案の定無視されたり、微妙な空気になるだけというつまらなさ。
ヤバいものでも暁の護衛のようにとんでもないコメディに繋げるでもすれば大きな意味を持つのですが、本作にはそれはなく、ただただあからさまに用意されたハズレなだけなんですよね。

こうなってくると現代社会に合わせてSNSでのやり取りの描写が標準化した今となってはわざわざコンセプトとして挙げていて、タイトルにも密接に関わっているにも関わらず、独自性もなければ有効に作用しているわけでもないという何のために存在しているのか分からないシステムになっているのが残念極まりないとしか言いようがありませんね。
本作の明確に失敗であったと言える点になります。


ひとつに本作はフルプライスなのですが、CG枚数がSDを抜くと80ジャストとこの価格帯としては本当にギリギリであった点。
エロは今の数でも良いのでもう少し日常系のCGを増やしてほしかったですね。あるいは本作はまあまあ空間を意識した立ち絵の使い方をしていたので後ろ向きのモノなども追加して演出強化に充てる、でも良かったかも。


◆えっちなしーん

シーン数は各ヒロイン6。

尺は十分でテキストも問題なし、場合によっては二回戦以上ありと中々の内容で多くの方が満足できるのではないかと思います。
難点としてはアブノーマルなプレイはないこと、卑語には修正が入ること、そしてとにかく下着を描こうとしないこと(ゼロではないですが)。
個人的にはリアルさを重視するというのなら下着には拘ってほしかったんですけどねぇ。デザイン自体は良かったのでとても勿体ないですし、バリエーションが一種というのも×。

あとフェラ好きの皆々様には悲報なのですが、美琴のみパイズリフェラだけで純粋なフェラがないということも記しておきます。

特徴としては全ヒロインに一回ずつオナニーシーンが用意されているということと、待望の陰毛が実装されたことですかね。
いやもう本当に陰毛を付けてくれたのはHOOKSOFTありがとうとしか言えません。是非今後も続けてほしいですね。デフォルトでオフになっているのはこの際見なかったことにします。


感想は以上です。
優秀なイチャラブゲーで個人的にはオススメできる一本ですが、コンセプトが機能していない点を始めとして難点も幾つかあるのが玉に瑕ですね。
正直全員社会人ヒロインでも良かったのではと思うのですが、まあ好みの問題ですかね。
兎にも角にも久しぶりにこの手のゲームを最後までやれて楽しかったです。伊織さんは神。