淫魔界2 カムラン

2021年3月に淡泊室からリリースされた(パケ版は同年8月)、淫魔界2 カムランの感想になります。
プレイ時のverは1.0.9。

エロゲでは老舗のイリュージョンがひとり気を吐いているものの、絶滅危惧種と言っても良い3Dゲー(同人ではたまーにシューター系は出ていますが)。そんな砂漠ジャンルで更にARPGとして世に放つというのは大変なことかと思います。
おまけにガワは私が愛するソウルシリーズに少し寄せいているとあっては手に取らざるを得ませんでしたね……本当は同人ではなく、商業勢にこういったゲームにガンガン挑戦していって欲しいのですが……。

ともかく、中身自体はグラも良好でだいぶ温めではありますが、普通に遊べるARPGとなっていて少し驚きました。

しかし、エロが非常に弱い仕上がりで個人的には全く使えないレベルだったので、であるならばそれこそSteamのセール時にダークソウルを始めとする傑作ARPGを同じ値段かそれ以下で買ったほうが良いのでは? と言わざるを得ないのが正直なところでした。
ゲーム自体はイマイチでもエロを武器にすることで一般勢とも渡り合えるようになるのがエロゲですが、本作はその武器がないんですよね。

ですが、やはりエロゲとしてこのジャンルに飛び込んできたのは大変意義のあるものだったと思いますし、今後の発展を祈って応援したいですね。

以下は詳細な感想。

◆ゲームシステム
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服は一定量のダメージを受けるか、若しくは無制限に使えるハサミを使うことで破けます。
逆に直すのも無制限に使える裁縫セットを使うことで可能です。どこぞのアンドロイドみたいに服を破損させるには自爆しかない、なんてことはないのです。


さて、肝心の中身についての話になります。本作をエロダクソなんて紹介したら別物過ぎて鼻で笑われるレベルですが、ぱっと見やキャラの動かし方自体は先程挙げたソウルシリーズに近いものがあります。

ゲームの流れとしては幾つかのエリアに分けられた広大なフィールド(誇張抜きに無駄に広いです)を探索し、アイテムや情報を集め、それらを用い各地に設けられたダンジョンに挑み、その最奥に待ち構えるボスを撃破していく、という内容。


プレイヤーが取れるアクションは以下の通り。

・武器による攻撃:得物はリーチは短いがスタミナ消費が軽く、攻撃力もあるロングソードと攻撃範囲がやや広いツインブレード(早い話がダクソ2の両刃剣。モーションも似ている)の二種。耐久度はなしで武器自体の強化要素や属性派生もなし。開始時から両方装備済みで、何時でも切り替え可能。
攻撃自体はダクソで言う弱攻撃のみで強攻撃や戦技、ロリ攻撃、バクスタ、パリィ致命、二刀流などもなし。代わりに5%の確率でクリティカルが入ります(対応ステを上げると確率アップ)。
遠距離攻撃は後述する消費アイテムを用いた魔法などでしか行なえません。

・回避:ローリングとバックステップ。特にロリは無敵時間が長めなので、ゲームスピードの遅さと敵の動きの弱さも相まって本作を温くしている要因のひとつ。
個人的に無敵時間はこれぐらいが好きなのですが、やはりボスを始めとする敵の動きがへなちょこすぎました。

・ダッシュ:納刀時と抜刀時で性能が変化。抜刀時はかなり遅め。どちらにしろスタミナ消費は重めなので本作の無駄に広いフィールドを駆け回るにはやや不満が残ります。
持続ステを伸ばすと多少はマシに。

・ジャンプ:探索用。残念ながらジャンプ攻撃や落下攻撃などはありません。
しかし、どこぞの絶望を焚べる者やウィッチャーとは違い、本作の主人公ちゃんは足腰の強靭さに定評があり、一見登れそうにない山や足場も僅かな取っ掛かりさえあればこのジャンプでガンガン登って行けてしまいます。
落下死もしません。どれだけ高所から飛び降りてもノーダメージでぴんぴんしています(たまに空中散歩もする)。

基本動作はこんな感じです。攻撃バリエーションの乏しさ以外はシンプルで良いですね。

また消費アイテムを使用することで爆弾を投げたり、魔法を放つことも出来ます。
ちなみに回復アイテムはフィールドに落ちているものや敵からのドロップ品をそのまま使う。あるいは収集した素材でクラフトすることが出来ます(別途レシピが必要)。かなり豊富に用意されていますし、本作の難易度は低めなので困ることはないかと。
ファストトラベル用のオブジェクトは各地にありますが、篝火や鬼仏のような拠点はないので、回復は常にアイテムを用いるカタチになります。ザコはボス前などに用意されている魔法陣による転移以外でのロードを挟むと復活する仕様。

セーブは敵に囲まれている時以外は何時でも出来ます。また、インベントリ画面を開いている間は時間が進み続けますが、ステータス画面やオプション設定のメニューでは時が止まります。

ついでに言うとデスペナルティは恐らくありません。本作にはショップ的な物がない関係上、通貨もないですし、レベルに関しては敵を倒した分だけ経験値が貯まるオーソドックスなタイプなので。
ステ振りはダクソ方式で、上がったレベルに応じてポイントが与えられ、それを伸ばしたいステータスに振っていくスタイル。
ステ振りのやり直しアイテムも最初から所持していて無制限に使えますし、強化ポイントを得るアイテムの存在(そこそこレア扱い)や恐らくですが、ボスを倒すとボーナスで幾つか貰えているっぽいです。
個人的にはとにかく火力がないと怠いので生命・持続に少し振って筋力極振りがオススメです。


◆不満点

いの一番に挙がるのは動きと攻撃力は貧弱ですが、異常に固いザコ敵たち。
一番最初のマップに出てくる敵ですら、倒すまで十発ほど必要になりますからね。これはちょっと固すぎると。
ちなみにこれはノーマルの話で難易度をハード、ベリーハードのいずれかに上げると更に耐久が上がり非常に怠いです。故に本作でハード以上を選ぶのはあまりオススメしません。ヴァンクラッドみたいなのと延々戦って楽しいか? という話になりますからね。

これに加えてプレイヤー側の攻撃バリエーションが乏しいので、最序盤からテンポの悪さが目立っていました。敵の火力を上げて耐久力は強モブでもないなら二、三発で沈められるくらいに下げるべきだったかと。

更にザコ関連で言うとこれらの敵は最初からフィールドに配置されている訳ではなく、プレイヤーが近づくとエフェクト付きで数秒掛けて湧く、という仕様なんですよね(ファイナルソードの湧き方にやや近い?)。
これの何が嫌かと言うと、遠くから眺めた時にあの辺りの配置は上手く分断したり釣るかしないとボコられるな、とか明らかに見た目のヤバい強そうなのがいるな、とかここを通っていけば向こうの敵はやり過ごせるな、などの接敵前の想像を巡らせる楽しみがない上に緊張感も失われているんですよね。
最終マップはかなりの数のザコが湧くので描画処理的には最初から表示していても問題なさそうに見えるのですが……。

この問題があるためマップと敵配置の妙で殺しに来る、そういった物を期待してしまうとガッカリするかと。
逆に言うと駆け抜けが非常に簡単で追跡もほぼしてこないに等しいので、怠いなら全部無視する、ということも出来ますが。

そして戦闘面ではやはりこのタイプのARPGではボス戦が作品の華になると思うのですが、自キャラとザコの攻撃手段がヘボいならボスもそうで、まあ弱いです。
攻撃手段がザコ同様1~3種類くらいしかなく、途中から第二段階に切り替わる等もないので単調です。

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最後の方に多少アグレッシブな動きをするボスが居ましたが、本当にそれだけでしたね……。


あとはやはり前述した広大なフィールド。ボスが居るダンジョンは普通なのですが、そこに入る前のエリアが広すぎるんですよね。正直景色自体は結構変わりはするんですけど、中身はザコと宝箱がまばらにあるだだっ広いだけの平原と言ってもいいので……。
そしてそのエリアにダンジョンに挑むための仕掛けやキーアイテムが潜んでいるのでゲームの大半の時間はそれを見つけるために駆け回る時間になるかと思います。あるダンジョンの最奥に進むための鍵がダンジョン内には存在せず、別のエリアに落ちている、とか普通にありますからね。

なので同人という規模のことも考えるならデモンズソウルのようなステージクリア式とかの方があっているんじゃないかなぁと素人ながらに思いました。

余談ですが、本作にはひとつだけやたらと難しい謎解き要素が本筋と関係ない場所にあります。これは問い合わせが多数あったそうでサークルのページに答えが載せられていました。
ちなみに景品は攻撃魔法です。


最後に最大の不満点としてはやはりえっちしーん関連でしょう。
これの前にやったロレーナと遺跡の国も微妙だったのですが、こちらも中々の残念ぶり。

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シーン数自体はザコの数だけあるので20シーンと中々ですが、ボスに犯されることはないですし、ボイスパターンの少なさ、動きも1シーンに1種と貧弱な上にカメラも使いにくいです。
申し訳程度に変えられるピストン速度(5段階調節できますが、元が遅すぎるのか殆ど変わっている気がしない)、服の破れ具合の切り替え、全裸切り替え(上だけ、もしくは下だけ脱ぐことも可能)、だけで眺めるのみなので中々に虚無感があります。
この辺に触れると意外とイリュージョンは頑張っているのだなぁと思いました。

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表情は結構いい感じなんですけどね。ボイスがもっと豊富ならだいぶ違ったかもしれません。
ちなみにえっちしーん突入方法は別に敵に殺される必要はなく、敵がドロップする回想登録アイテムを使用するか、あるいは敵からダウン攻撃を貰った後に無抵抗でいると犯されることが出来ます。
ヤられてもノーダメですし、特にペナルティもなさそうなので拘りがなければガンガン犯されに行っていいかと。


感想は以上です。
やはり自キャラと敵ともに動きの幅が非常に狭い上にザコが異様に固いので、ただただもっさり具合と展開の遅さが目立つ単調なアクションゲーという面が強調されてしまったのが致命傷かなと。
それを挽回できたはずのえっちしーんも非常に弱いので、イマイチこれといった強みがない作品でした。

ですが序文にも書いた通り、エロゲでこのジャンルに挑むというのは大変なことであるので、そういった意味では一定の評価は貰うべき作品なのかなと思います。きちんと遊べる完成品ですしね。
ちなみに売上は好調なようで追加ダンジョンを加える大型アップデートも予定されているそうです。
淡泊室様の今後の発展を祈って、この感想の締めとさせて頂きます。