ラスト。(題名に反して七不思議要素は)ないです。
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長野市駅前近くのホテル、ニューナガノで迎えた朝。前日の天気予報通り、窓に目を向ければこの旅で一番強い雨が。秋風吹く五丈原で天命を延ばそうとする諸葛孔明ばりに祈りを捧げていましたが駄目でしたね。奇跡なんてないよ。
本当は早起きして朝七時からやっているという善光寺のお朝事にでも出ようと思っていましたが、起床したのは八時過ぎと普通に寝坊しましたし、モチベーションは降り続ける雨の如く、冷たく地に落ちていました。心身ともにボロボロ。

三日目は善光寺や戸隠神社を周った後に宿泊地の渋温泉に一旦寄ってから地獄谷へ~と何となく考えていましたが、この雨ではどう考えても無理だと判断。しばし、グダグダと時間を潰した後、本日お世話になる旅館にチェックインを早めることは出来ないかと電話。この天気に同情されながら快諾して頂いたので早速渋温泉へと向かうことに。

ちなみに今回使ったホテルは上の画像のように東横イン等と比べるとやや狭いながらも、お値段は4100円(早割込み)という普通のビジホが8000円前後ということを考えると破格の安さ。一階には安い中華料理屋も隣接しているのでコスパの良い宿でした。一人旅の際にはおすすめです(善光寺からは結構離れているので、徒歩でお参りをしたいという場合は別の宿を使ったほうが良さそうです。また、安さを追求するならホテルニューやまという若干怪し気な雰囲気ながらも3000円台で善光寺からも近い宿が有ります。ボクはちょっと怖くて無理でしたが)。

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しかし、ホテルからは三十キロと少しという一時間程度しか掛からない距離にしてもこの天候の中走るというのは相当にキツいです。レインコートを羽織っているとは言え、雨を完全に防げるわけではありませんし、何よりも視界が最悪。ヘルメットにはワイパーなんて付いてませんからね。晴天時よりも神経を尖らせながら走るのでかなり疲れます。そもそも雨の日は走らないようにしてましたし。

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濡れ鼠のようになりながらもなんとか到着。手の震えが止まらなかったため、写真もブレブレです。

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お世話になる丸善旅館。小さいながらも良い雰囲気です。また、旅館にしては珍しくぼっちOK(残念ながら千円多く取られますが、それでも朝夕二食付きで9000円)ですし、ライダープランがあるだけあって屋根付きの無料駐車場もあります。
女将さんの案内でカブを停めた後は中へ。真っ先にタオル持ってきてくださる心遣いに泣く。

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部屋はこんな感じ。畳に障子の和室はやはり落ち着きますねぇ。時間は駄々余りなのでまずはお茶を飲んで温泉に入って過ごす。小さい檜風呂でしたが極楽。しかも、どうやらこの日の宿泊客はボクだけだったようなんですよね。この天気に好き好んで泊まりに来る奴なんざそうそう居ないでしょうから納得ですが。

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愛用していたシモツキンストラップもすっかり汚れてしまいました(画像だと光のせいかそうでもないですが、結構ドス黒かったです)。

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少し休んだ後は館内探検。ああ^~こういう雰囲気最高なんじゃあ~。

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セガ製のテトリスの筐体がありました。残念ながら永久に故障中のようです。

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一階。
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雰囲気は良いのですが、やっぱりもうちょい広い旅館の方が良かった感じありますね。はっきり言って探索しがいがない。

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雨とはいえ、引きこもっていてもしょうがないので外へ。一応、この旅館では下駄の貸出などもしてくれているのですが、雨の日に下駄は無謀すぎるので泣く泣く断念。
ちなみに画像の左側に二番湯と書かれた建物がありますが、これは外湯です。渋温泉に全部で九つ設置されていて宿泊客は下の画像のような鍵付きの手形を旅館から渡され、それを使ってタダで入ることが出来ます。幾つか入りましたがクッソ熱かったのでいきなりダイブするなんてことはしないように。

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外湯にはスタンプが備え付けられています。宿でスタンプを押す用の手ぬぐいが売られているので、それを持ってスタンプコンプリートを目指すのも良いかもしれませんな。外湯のスタンプを全て集めた後は高薬師(下の方に画像があります)で御朱印を貰って満願成就という寸法です。

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渋温泉の中でも恐らくは最高の知名度と最上級の値段を誇るであろう高級旅館・金具屋。画像はよくテレビ等で出てくる登録有形文化財に認定されている斉月楼。現在では木造四階の建物の建設は禁止されているため、そういった意味でも貴重。当然、ぼっちは門前払いです。悲しいなあ。
公式サイトに内装が少し載っていますが、いやはや凄まじいですな。一度はこんな旅館に泊まってみたい。あの千と千尋の神隠しに出てくる旅館のモデルの一つとも言われていますね。実際の所どうなのかは知りませんが(実際に泊まったという方のブログでは仲居さんの口から否定されたとのこと)。

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首が曲がるほどの長い石段見るといかにも温泉街という風情があって興奮する。工事が云々はもう慣れた飽きた悟った状態なのでスルーします。

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渋温泉のはずれまで歩くと武田信玄ゆかりの地だという温泉寺が見えてきます。

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ここでようやく観光客らしき外人さんと遭遇しました。同志に軽く会釈して探索続行。本堂の屋根に武田菱が刻まれていますね。

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こちらは一見するとああ、日光にあるアレやろ? となりますが、よく見ると違いました。
見ザル言わザル聞かザルならぬ、見るサル聞くサル言うサルという奇妙な三猿らしいです。悪事を見ない、言わない、聞かないに対しこちらは物事をしっかりと見て、聞いて、言う。何事も見極めてから行動しろってことらしいですぞ。

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上で言った高薬師。たぬきがお出迎えしてくれます。

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路地裏ほんとすこ。歩いていると異世界に行けそうな気すらする。

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一通り周って旅館でグダグダ休憩した後は夕飯! 美味しかったですけど、一人分にしては多くて食べるのに苦労しました。
食べ物と言えば、この旅館とお昼に寄ったお蕎麦屋さん、そして一日目の食事処でも野沢菜漬けが出されたんですけど、長野で出てくるこれは普段食べているものより甘味が強くて妙に美味しかったですね。流石に本場というべきか。

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腹ごしらえをして風呂も済ませると再び外へ。浴衣を着て夜の温泉街を歩くというのも中々に乙なものです。

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目的地到着。渋温泉で夜を迎えたら絶対に行くと決めていた射的屋さん。パチンコも有ります。

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奥さんと談笑しながら射的に興じる。一ゲーム十五発五百円。三段の棚に並べられ特典が割り振られた人形やら小さいだるま、たばこの箱等を落として得点を稼いでそれに応じて景品が貰える仕組み。
奥さんのアドバイスに従って構えるも二ゲームやって四五、六〇とクソみたいな成果しか出せず、無事に死亡。高得点人形を狙って無理と見るや低得点のたばこに逃げたらこれや。虎穴に入らずんば虎子を得ずとはこのこと。あまりの下手さに哀れに思ったのか昼に来たカナダ人はもっと下手やったでとフォローらしきものを貰う。

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戦利品。ルービックキューブはお情けで貰いました。ちなみに射的の最高得点はどっかの旅館の息子さんが叩きだした一七〇点らしいです。スナイパーかな?

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パチンコ童貞をここで捨てましたが、あまり面白さが分からず。個人的にはスロットのが面白い。

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タカアンドトシやら何やらのサインが並んでます。後は少し前まで渋温泉全体でモンスターハンターのイベントをやっていたらしく、それ関連のグッズもたくさん飾られていました。

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夜の金具屋。この周辺まで行くと浴衣を着た宿泊客らしき人が十人ぐらい居ましたね。お前ら今まで何処に隠れてたんや。
その後もしばらく夜の温泉街を徘徊して終了。いや、しかし街灯に照らされた温泉街はたまらんすね。何時間でも徘徊できる。

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最終日、女将さんに見送られながら出立。さらば渋温泉。ボクが丁度帰る頃になって天気が回復し始めるのほんとやめて欲しい。
この日は本来なら寄り道せずにさっさと買える予定でしたが、三日目が生憎の雨で寄りたくても寄れなかった所があったため、二箇所ほど見てから帰ることに。

善光寺仁王門
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やはり長野に来たからには諏訪大社とここはお参りせねばなりません。仁王の視線を子宮で感じながら歩く。

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善光寺山門
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鎌倉の建長寺総門も相当なデカさでしたが、こちらも負けず劣らず立派な門。門に掲げられた善光寺の「光」の字の跳ねっぷりが牛の角を思わせますけど、特にそういう意図はないらしいです。善の字は牛の顔に見えるとか言われてますね。

善光寺本堂
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青空をバックに佇むさまは正に国宝。威風堂々とはこのことか。大香炉で煙を浴びた後に参拝してきました。中は写真撮影禁止。

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松代象山地下壕
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太平洋戦争末期に本土決戦になった際に東京は守りにくいから海岸から遠い場所に政府やらなんやら移そうぜーという理由で掘られた地下坑道跡。なお未完成。
入り口でこの手の施設ではお約束のヘルメットが無料で貸し出されているので装着して中へ。入場も無料。

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壕内は照明がそれなりに付いてますけど、やはり暗いのでよく見たい方は自前で懐中電灯なりなんなり用意したほうが良いですね。

この後は群馬、埼玉、東京経由で帰還。埼玉で渋滞に巻き込まれたのが辛かった……総走行距離は約660km。
やはり今回は天気が残念すぎたのが悔やんでも悔やみきれませんね……悪天候続きだと無理やろと思ってビーナスラインも走りませんでしたし、上田城や戸隠神社、釈尊寺、別所温泉等も見れませんでした……いつかリベンジしたいものです。
ただ、当面の目標は花咲くいろはの舞台である金沢観光ですね。こちらは出来れば今年の夏に行きたいところ。